カテゴリー「読書班-その他の読書」の80件の投稿

乱読なんです^^

2019年9月 5日 (木)

続・Nコン小説

↑厳密にいうとNHKという名称じゃない架空の公共放送なのでNコン小説ではないですが。

湊かなえさんの「ブロードキャスト」を読みました。

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これも、ずっと前から「受験が終わったら読もう」と思ってた一冊でした。この本もあまりボリューム無いので、一晩でサクサクっと読める感じ。

あらすじ【ブロードキャスト】
中学の陸上部・駅伝選手だった町田君は、陸上部が強い青海学院高校に進むことにしたが、合格発表の日、交通事故にあい「はげしい運動はできないかも」状態。
陸上部を諦め、何のためにこの学校に来たか目的を見いだせない中、声をかけられるまで知らなかった同じ中学出身の宮本君(脚本家志望)に強引に誘われて、なし崩し的に放送部に入部。「ちょっと困った存在の3年生先輩」、「ガチ勢の2年生先輩」に揉まれ、ラジオドラマ部門で全国高校放送コンテスト優勝を目指す。

この小説の存在は、先に坊っちゃんに教えてもらってました。部活内では必読の書であるとか。そらそうでしょうよ。
内容に関して、坊っちゃんの活動を3年間見てきた私には、ありとあらゆる細かい描写、大会のあれこれがわかるのですが、知らない人はこれ、難しい内容なんじゃないかなあ。
群像劇ですが、登場人物が意識的にアイコン化されてるのは読みやすくて良いと思います。

1年生:陸上部崩れ・町田(実はイケボ)。脚本家志望・宮本。宮本が強引に引き入れたアニオタ女子・久米ちゃん。
2年生:物言いがキツイ委員長先輩(女子・本名白井)。女子アナのような女子アナ先輩(本名ミドリ)。色黒でガタイの良いラグビー先輩(男子)。もめがちな3年との調整役の秀才先輩(男子)。
3年生:部長の月村先輩から順に火曜日先輩~金曜日先輩までの女子5人。

にしても、

じめっとしてますねえ。ま、主人公町田君が「夢をあきらめた青年」なので、そうならざるを得ないですが、町田君が中学の時あこがれてた陸上同級生が、輪をかけてじめっとした男で、読んでて陰鬱な気持ちになります。「無意識の悪」ってこういうのを言うんだろうなあ。それに比べて町田君を強引に放送部にひきずりこむ宮本君が、陽性で、ポジティブで、前向きで(全部同じw)へこたれず、(大きい声で言えませんが)何かといえばうじうじして悲劇にひたる3年生先輩5人や、正統派・上にも下にも一定の厳しさを持ちしかも技術力も高い2年生先輩4人にも、負けずに意見して取り入れられる姿勢は読んでて爽快ですらあります。ひきずられて町田君も少しずついいところ出てきます。

これを読む直前に、「問題を抱えながらも明るくはじける中学生君たちの小説『くちびるに歌を』」を読んでたので、よけいに落差を感じるのかもしれない。

全国大会出場作品として3年生集団がモタモタとテレビドラマ部門を作ってる最中に、2年生先輩たちは独自にラジオドキュメント部門とテレビドキュメント部門の両作品を完成させており、
委員長先輩「そちらの受け持ちのラジオドラマ、間に合うんですか」
月村部長「ラジオドラマはいいかなって」
あきれる2年生たち・・・からの

1年生宮本「脚本、書いてきていいっすか」

意外といいの書いてきた。

ラグビー先輩「これ、俺らも噛んでいいの?」
委員長先輩「ちょっと!」
秀才先輩「まあそうけんか腰にならずとも。この○○の役、おまえ向きじゃん。リポーター役はミドリ」
女子アナ先輩「え、わたしこの役やっていいの?(ノリノリ)」
委員長先輩「・・・」

と、宮本君の作品の出来を早い段階で認めて、興味を示す2年生先輩が素晴らしい。
1年生と2年生の関係性だけでも、この小説読んでて救いの部分です。
ただ、ここからこのラジドラ作品が県大会突破して全国に行ける!ってなってからの・・・

全国に行けるのは各校5名まで。

3年生5名「やった東京だ!」と、最後の年だし当然全員行けるという空気を出してる。

あきれ返っておつりがくるほどの2年生先輩。

3年生たちがいいのよいいのよ私たち・・と、じめっとした空気を出してきたところで、
2年生秀才先輩「脚本書いた宮本とドラマの主演町田、助演久米は行かせてあげたらどうですか?残り2枠は3年生皆さんでクジ引きでもすればいいでしょ。残る3年生が多ければギクシャクもしないし」

さすが秀才先輩、イケメンすぎる。

で結局5人そろって東京に行く3年生軍団ひどすぎる(笑)。

いろいろあって小説終盤でまた「町田君が中学のときあこがれてた陸上同級生」が出てくるんですが、彼が出てきたあたりでまたドス黒い空気を出してくるわけですよ。悪気はないんでしょうけど。

当初から「なぜだろう?」とモヤモヤしながら読んでたんですが、作者が湊さんなんで、そう考えたら悪意のない悪意、善意のつもりの悪意とか、少年同士の心のすれ違いとか、そういうの上手いですよね。そう考えて納得。

青春小説と思って読むから違和感があるんだなと。

というわけで、中くらいに面白い小説でした。ただ、放送部顧問なのに先生が空気オブ空気なのは納得がいかない。顧問の先生は絶対大事でしょ。坊っちゃんとこの顧問を知ってるだけに、あの空気感は無い。
あー、先生が空気だから3年生はあんななんだ。2年生がツブ揃いにデキるやつらなのは奇跡なのか。

いろいろ批判めいたこと書いてますが、素材としては非常に強力なお話だと思います。
短編に毛が生えたような小説じゃなく、上・下巻のド長編だったら、もっとハネたかもしれない。

そういう余韻を残した終わり方です。

今回の小説自体を上巻にして、続く下巻として現2年生が3年生に、現1年が2年になった話で全国を目指せば、これは盛り上がります。
・2年委員長先輩部長のもと、昨年の反省を生かしてテレビドキュメント、ラジオドキュメント部門のリベンジ
・女子アナ先輩のアナウンス部門リベンジ
・アニオタ久米ちゃんの朗読部門初チャレンジ
・宮本脚本でテレビドラマ、ラジオドラマ部門制覇。イケボの町田も吠える。
・トリッキーで問題起こしがちな1年生加入

どうですか、この下巻、面白そう!

でも湊さんの作風じゃないか^^

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2019年9月 1日 (日)

Nコン小説


中田永一さん(乙一さんの別名)の「くちびるに歌を」を読みました。

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何年か前に新垣さんで映画化されてて、DVDを借りてきても、見るヒマなく返却ということばかりやってたので、この受験の終わったタイミングで小説の方を読んでみました。ボリューム的には短編と中編の間くらいなので、サッと読めるのが良いところ。

良い小説でした。そして新垣さんの役どころである柏木先生は、なかなかの脇役ですな。映画見てないんでなんとも言えないですが、映画CMを見る限りでは主役っぽかったので、そこは意外な発見。じゃあ主役は誰なのかと・・・

あらすじ【くちびるに歌を】
長崎県五島列島の中学に、産休の松山先生にかわりその友人柏木先生(教員免許を持ってるだけで先生としては素人)が臨時教師として東京からやってきた。松山先生が顧問だった合唱部の指導も引き継ぐ柏木先生だが、今一つ身がはいらない。それまで合唱部は女子しかいなかったが、美人の柏木先生目当てに「不真面目男・ケイスケ」、「柔道部掛け持ち・リク」、「親戚の工場で働く自閉症の兄の送り迎えをしなければいけないので部活などもってのほかだが合唱部に荷物を運ばされた際、密かに心を寄せる美少女コトミ(ソプラノ)に『入部するの』と声をかけられなし崩し的に入部するぼっちのプロ桑原サトル」他数名の男子が入部する。NHK全国学校音楽コンクール長崎県大会出場にあたり、低レベル男子も加わえた混声合唱で出るのか、実力者だけの女声合唱で出るのか、元からいるナズナ率いる混声反対派女子VSケイスケら適当新入男子(と男子に色めきたつ一部女子)という抗争になるが、やる気ないはずの柏木先生の「どうせなら、全員でやりましょ」の一言で、混声合唱で挑むことになる。「まあいろいろなこと」を経て合唱部はひとつのよりあわさった声となり、課題曲・手紙(byアンジェラ・アキ)以外に「柏木先生がとある事情で作っていた未完成曲にナズナサトルで歌詞をつけた自由曲」も完成し、いざ長崎へ。しかし大会当日、松山先生が母子ともに危険な状態と知らされた合唱部員たちは・・・


もーーーーーー心持っていかれるわーーー。言いたいこといっぱいあって、いつになくあらずじ長いわーー。こんなの夜中にイッキに読んでしまうわー。

☆失踪父親がドクズなせいで男嫌いのナズナと、幼馴染の不真面目男ケイスケのつかず離れず感
☆サトルの隣の席のいかつい岩山のような柔道部リクが意外とクレバーでサトルに見せる優しさ感
☆1年のときサトルの後ろの席だった、学校の誰もが認める美少女コトミが実は闇を抱えてる感
☆そのコトミの、サトルを巻き込んだ危険な行動と縮まる距離感
☆ナズナがまだ小さかったころ彼女が落とした飴玉を拾って食べた言葉が通じない少年。そのとき母親はなんといってなぐさめてくれたかその言葉が思い出せない
☆サトルの兄(自閉症)は一度聞いた会話を忘れないという物語のかなめを握ってる感
☆中学生たちに比べ、空気感ハンパない柏木先生のぶっきらぼう感

すべてが小説の終わりにむけて収束していく様の美しさよ青春小説。


主役がナズナちゃんなのかサトル君なのかを考えますが、まあでも合唱部全員が主役だろうなあ。全員でひとつの歌になるというのがテーマでもあるし。
産気づいて母子ともに危険な松山先生のための不真面目男ケイスケの行動も素晴らしいしなあ。だから柏木先生まで濃いキャラじゃなくてもいいんや。大人は主役じゃないんや。
なおここまで読んできた皆さんには、かなりウェットな泣かせ小説のように見えると思いますが、ちょいちょい入るサトル君の独白などは「フフッ」と笑いが出るくらい、ウィットに富んでます。独白内で自嘲的に自分のことを話すとき「ぼっちのプロ」「学校生活でぼっちの才能を開花させた」「当時からぼっちの才能をにじませていたエリートぼっちの僕は」「ぼっちの求道者である僕は」「ぼっちの一級免許取得者の僕は」等々、彼の自虐は七色である。それでいてジメジメしてないし、文体がほのぼのしている。
「兄が自閉症で両親がいなくなった将来、誰かが面倒をみなきゃならないから僕は生まれてきたんだ。他の家庭の子たちのように愛情で生まれたわけじゃない。僕は計算で生まれてきたんだ。でもそれでいいんだ。兄がいなければ僕はこの世に生まれなかった」
という独白は、この文章だけ見るとなんと後ろ向きかと誤解されがちですが、むしろ前向き感にあふれ、読んでて暖かい気持ちになります。逆にナズナちゃんの独白はスピード感のある毒舌で、サトル君のパートと交互に出てくることで良いリズムになってます。ともに生い立ちのせいもあり、全編まあまあネガティブな文章のはずなのに読んでてシンドイどころかページをめくる手がもどかしいほど、ほほえましく楽しい。

骨太な小説でした。
やっぱり映画も見てみよう。

 

そして私は今からもうひとつのNコン小説「ブロードキャスト」を読むのでした。

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2017年10月25日 (水)

ファンタジー系の小説は苦手なんですよ

受験が終わったら読もう読もうと思ってた、加藤泰幸さんの「尾道茶寮 夜咄堂 おすすめは、お抹茶セット五百円(つくも神付き)」を読みました。
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ナルニア国とか、ホビットの冒険といった「のっけからファンタジーですよ」的な小説は好きなんですけど、日常に少しファンタジーが混じる小説は苦手です。
特に和物でファンタジーは苦手ですねえ。
 
なら何故読んだんだよって話ですが、まー著者を知ってるってのがあって、純粋に応援の気持ちからですね。
ネット小説への投稿で大賞取って、書籍化だそうです。
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なので、本屋で定価で購入致しました。ア●ゾンで中古を1円+送料とかでは買いませんでした。やっぱり本人に印税が行ってほしいですし。
あらすじ【尾道茶寮 夜咄(中略)神付き】
父が遺した茶店を、什器もろとも売り飛ばそうと考えていた大学生 千尋。
その茶店には茶碗のつくも神(オッサン)と棗のつくも神(黒髪美少女)が店員として住みついていて、成行きで茶店を切り盛りするハメになった千尋は、少しずつ、茶道の奥深さを知っていく。
 
上手いですね。
1本の小説ですが、短編エピソードが積み重なってる感じです。
父親(故人)が茶店をやってた割に、千尋君は茶道ド素人なんですが、上記エピソードを一つずつ体験していくにつれ、茶道のことを学んでいく構成。
 
ゆーてもそんな複雑な内容でもないですし、読んでる人が茶道に明るいか暗いかに関係なく、ド素人の千尋君とともに見聞を深めていくことになるのでサクサク読めます。
個人的には大学の陶芸部の先輩の活躍をもう少し期待したいところ。
2冊目もあるらしいので、近々時間を見つけて読みたいと思います。
ちゃっかりサインももらいました^^
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地元民としては頑張ってほしいなあ。

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2016年9月 6日 (火)

ご都合主義、極まれり

※先に謝罪します。今日の記事、乱暴でごめんなさい。
 
もうブームも去ったし、今なら読めるだろうというわけで、KAGEROUを読んでみました。
ナントカOFFという、古本屋さんのさらにワゴンセールで、娘が「謎解きは晩飯後」という小説を驚くほどの値段で発見し、じゃあ父さんがプレゼントするよってその本をつかんだとき、手が当たってついでで買ってみました。さらなる安値でしたし。
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一言でいうなら、「うそーん」ていう感じの小説でした。
 
娘が「謎解きは『お嬢様はアホで御座いますか』」を読み終わったら、口直しに貸してもらおうっと。
 
あらすじ【KAGEROU】
ビルの屋上から今まさに身投げ寸前という自殺志願の40歳独身男が、ドナー提供者を探す黒服の男に呼び止められ、説得され、自分の体を金で売る決意をする。
命とは何か? 魂とは何か?
 
・・・すみません、最後の1行、盛りました。そんな心が打ちふるえるような内容ではないです。
 
各種道具立てに説得力がないんですよね。
全日本ドナー・ナントカ協会(全ド協)という架空の団体のエージェントが、おあつらえ向きに自殺者を直前でつかまえて説得するのもアレですし、
裏世界で医療技術が進んでいて、脳も心臓も、腕も、歯も、目も、表世界の医療技術よりはるかに高度に移植でき、副作用もない的な架空技術もアレですし、
主人公である自殺志願者の、自殺に至る経緯も、心ゆさぶられるような
「ひどい人生ですね、そりゃ生きるのがつらいよ」
とは微塵も思えないのもアレですし(良い小説というのはそういうところがグイグイ引き込む読ませどころなんですが)、
中盤で心臓の弱い美少女が出てきた時点でもうアレですし、
主人公とエージェントの奇妙な友情めいた展開と、エージェントが心労がたたってきて寿命が短いな的な急な伏線もアレですし、
 
この小説を読んだ人ならおわかりと思いますが、ベッドの角度を手動で変えるハンドルが、たまたま、とある機械にもささってゼンマイ駆動に成功するとかもアレですし、
 
 
ゆーても当時批判されたのは、多少はやっかみがあるじゃんと思ってた自分は甘かった。
最後のオチのところが、好意的に読めば、3通りくらいの見方ができるわけですよ。ネタバレするわけにいかないのでボカして書きますが、
1)主人公は助かった
2)エージェントが主人公をおもんばかった
3)副作用
 
1)はまあ、魂入れ替えモノ(あ、言っちゃった)でよくある、手垢まみれのオチなので、クッッッッッッッッッッソ寒いですが、それでもなお、全ッッッッ然そんな気配も見せずに、ほんのかすかに1)を匂わせてたら、この小説は成功かもしれない。ただそれはない。あきらかに生き返ったていで書かれてるから。
研究家が現れ、何十年と賛否両論わかれて議論されるくらい、あのオチが「どっちなの?」的だったらまだ救いがあるんだけどなあ。
2)でも超絶ありきたりだし。そもそもそれだとクッソ駄作ですよ(断言)。
 
 
読むのに時間がかからないのはかすかな救い。遅読の私でも小2時間ほどで読めましたので。速読家なら30分くらいで完走できるでしょう。
 
平易な言葉で紡がれているにもほどがあるとは思いますが。
 
とりいそぎ『お嬢様はアホで御座いますね』を読みたい。

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2016年9月 2日 (金)

裏切らなかったのに裏切り者になる皮肉

恥知らずのパープルヘイズを読みました。
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ジョジョの奇妙な冒険 第5部のスピンオフ小説です。
荒木さん本人が書かれたものではないので、私の中ではどう転んでも正史扱いにはできませんが、ファンの間では一定の評価を得ている作品のようです。
 
ええ……そうなん?
 
あらすじ【恥知らずのパープルヘイズ】
イタリアのギャング団内部で、かつての裏切り行為により「恥知らず」とあだ名されるフーゴ。贖罪の意味もかねて組織内の膿を出す仕事を仰せつかる。仲間なのか、見張りなのか2人の助っ人を従えて、あの日ジョルノ・ジョヴァーナを裏切ったフーゴは、自分を取り戻すことができるか?
石仮面もあるヨ。
 
 
とりあえず先に、知らない人のためにジョジョ5部のお話。
イタリアのギャング団(とはいうものの、街のゴタゴタを解決してくれるガラの悪い用心棒のようなスタンス)の新入りが、少しずつ人心を得て、ギャング団のボス(ひそかに麻薬を売って利益を得ていた悪い人)を倒し、自分がボスになるお話。
 
上記5部本編の途中で、本編主人公ジョルノの所属するチームがいよいよボスを裏切って打ち倒し、良いギャング団(?)になっていこうとしてるときに、ボスを裏切る勇気が持てず、主人公たちとたもとをわかち、ボス側に残ったフーゴという青年がこの小説の主人公。
 
ギャング団という組織から見たら本編主人公たちこそが裏切り者ですが、漫画の読者側から見たら、組織に残ったフーゴが裏切り者扱いとなります。
結局、自分が残った旧組織のボスは倒されてしまい、ジョルノが新ボスになってしまうので、新組織から見てもフーゴは裏切った男扱いなわけです。
 
で、ジョルノから贖罪的に、組織内に最後に残った「麻薬をひそかにさばいていたチーム」をあぶり出し討伐する任務を受けるというストーリー。
 
 
悪くはないんですけどね。
個人の感想ですが、本編とのリンクが多すぎて、ウンザリ。二次創作をやる人が、それを我慢できない気持ちはわかるんですが、料理人のトニオまでからめてこなくていーですよ。物語上、何の接点もないのに、イタリアのギャングの口から空条承太郎の名前が出てくるのには違和感アリアリだし。
石仮面も、出したからには使ってくれよと言いたい。使わないなら出さないでよとも言いたい。
 
登場人物の誰ひとりとて好感が持てないのもちょっとヤバイ。
 
好感の持てない人物の筆頭にカンノーロ・ムーロロという男がいますが、名前だけは声に出して言いたいほど好き。カンノーロ・ムーロロ。彼の群体スタンド、オール・アロング・ウォッチタワー(劇団〈見張り塔〉)というのも、名前も性能もイカス。
 
 
あくまで個人の感想ですが、4部のスピンオフ小説「THE・BOOK」の方が好き(あれもあれで完璧じゃないですが)。

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2016年3月14日 (月)

怖い怖いと言われすぎて、そうでもない系

ごぶさたしてます。
いやー、もうほんとに本を読む時間が無いですな。
会社の読書家の人から『ザンエ』をお借りしました。
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映画の方は、もうおわったんですかね?
話題物には自分から近づかないようにしてますが、今回は、読んだ方から
「コワイんですよー。ぜひ読んでください」
とのご指名を受けましたので、時間が無いとも言えず、ありがたくお借りしました。
(しかしなかなかまとまった時間がとれず、1ヶ月ほどお借りしたままでした。申し訳ない)
 
あらすじザンエ
物書きをなりわいとする「私」に、怪異情報を提供してきた久保さん。
その情報は、家の中で、背後から畳をほうきか何かで掃くような音がするというもの。久保さんは独自に周辺住民に取材を始め、居住地の区画一帯に点在する怪談情報を、私に報告してくるようになった。
「畳を何かが擦る音」
「天井からぶらさがり揺れる人物の幻影」
「四方から聞こえてくる赤子の泣き声」
「床下にゴミを溜め込んでいくゴミ屋敷の主人(怪談じゃない)」
「無理心中をする家(複数)」
「廃工場の床を這いまわる複数の黒い人影」
取材を進めていくうちに、これら無関係に見える怪談情報が、ある一点に集約されていき…
 
 
面白い小説なんですけどね。
なんだろう。昔、「リング」を読んで「おもしれー」となってすぐ「らせん」を読んでさらにテンションあがってたのに、途中からホワホワホワ~ンとしぼむ。
そんな感想を、今回も持ってしまった。
いや、8割くらいまでスゲー面白かったんですけどね。
個人的感想ですが、おしいなあと思わざるをえない。
 
上記の雑多な怪談が1つずつつながっていくところは本当に面白かったです。
ゴミ屋敷がうまくつながったところは「オッ」と思いました。
オチ要因である『廃工場を這い回る多くの黒い人影の原因』よりも、『複数の赤子の泣き声の原因』のほうがかなり胸糞の悪い話なので、『もがきうごめく多くの黒い人影』がもともとの原因であるはずなのに、こっちの方が弱かったかなあ…と。
主人公である「私」が懐疑主義者なので、読み手が
「だから? それで?」
と思うよりも素早く物語中で「だから? それがいったい?」
みたいになってて、読み手も冷めてしまうのかなあ。リングの主人公のように腰を抜かして物語に乗って欲しかったです。
 
途中まで、ほんとにおもしろいんですけどね・・・

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2015年10月19日 (月)

火花なのか花火なのか

↑一応物語は花火で始まって花火で終わるんですけどね。
 
双吉さんの火バナを読みました。
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前に言った私の言葉、撤回します。スクラップアンドナントカよりも、こっちのほうが純文学でした。
エンタメじゃないです。エンタメだったら、最後の方で予想外にブレイクして、てんてこ舞いてな感じにーってなりそうなもんですが、そこはやはり純文ですよ。ハッピーエンドにはならないです。
 
あらすじ【火花】
売れない漫才コンビ「スパークス」のボケ担当徳永は、花火大会の余興で呼ばれたはいいが、スベリ倒した漫才のステージで、別なベクトルでスベリ倒している先輩芸人「あほんだら」のボケ担当神谷に惹かれ、師匠と仰ぐ。
あがいても、もがいても、バラエティで少し名が売れるだけで、漫才で大成することができない徳永。売れることなくのたうちまわる漫才師達が、現れては消え、現れては消えという一発の花火にすらなれず、最後に一瞬だけ、小さな火花を飛ばして消えていく物語。
 
いやビックリするくらい暗い話でしたよ。スクラ・ナントカ・ビルドの後に読んでよかった。
売れない芸人の隠隠滅滅とした心象風景を延々と読むのはなかなかシンドイ。
ただ、最後の漫才は少し泣けた。個人的にはあの漫才シーンで終わってもよかった。
エピローグ無しの小説でもいいんじゃないかと思うんですが、まあ構成というか体裁っていうものがある程度必要なんですかね。最後の漫才のところで終わると、エンタメに近づいてダメなのかなと思わないでもないですが、私的にはあのエピローグは無いほうがいい。
 
・・・というところまで含めて、またよしさんの仕掛けたギミックなのかもしれませんが・・・
 
 
とにかく、この小説は、また吉さんにしか書けないと思います。一般的な小説家では、あそこまでリアルな芸人世界を描けない。そういう意味で、けして取った賞に恥じない内容であると思います。
 
この人の2作目(芸人話以外で)は気になります。

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2015年9月29日 (火)

ガンプラ改造の本ではなかった(棒読み)

↑それはスクラッチ・アンド・ビルド
 
去年の秋くらいから、趣味の読書をいっさい辞めてたんですが、受験も終わったってことで、了ク夕ガワ賞受賞作を読んでみました。
 
スクラップ・アンド・ビルドです。
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火バナとこれと、どちらにしようか悩んだんですが、1ページ目を立ち読みした時の火バナの読みやすさ面白さと、この作品との比較。メディアでの両者の取り上げられ方の差などを考えて、こっちにしてみました。
了ク夕ガワ賞受賞作を選んでるあたり、「雑兵とマジョリティ」て感じですが、その2作で選ぶなら少しは「皇帝のマイノリティ」でありたい。双吉さんよりも、あの作家さんの「誰と戦ってるんだかわからない孤高な感じ」が好き(若干あの作家さんに失礼じゃね?)。
 
まあ、それはともかくスクラップ・アンド・ビルドですよ。
私が1年間、読書しなかった渇望からなのか、読みやすい良書だったからなのか、長文を読む能力がこの1年で成長したからなのか、よくわかりませんが、一晩で読み切ってしまいました。いやーサクサク読めた。
 
内容は、
無職28歳、就活も、試験勉強(行政書士)も、恋人とも微妙な男が祖父(認知症)の介護を引き受けて以後、自らの主義に基づき、あるいは迷走しながら黙々と任務を遂行していく
というお話。
 
私は面白く読みましたが、どうなんですかねこれ。読む人によって感じ方が凄い変わると思います。
老人介護が主題のようにも見えますが、いろんなものを取り払ってみると、これはイデオロギー闘争かと思います。ゆるやかなネガティブと、攻撃的ポジティブの戦いのように見せ、時にネガとポジを逆転して見せたりという過程が、こっけいに描かれ飽きさせない。
 
勢いはあります。
 
冒頭数ページしか立ち読みしてない火バナを引き合いに出すのは間違ってますが、私の主観では、あっちがエンタメ、こっちが純文て感じがします。
 
本職のケアマネであるうちの妻が読むとどういう感想になるのかも、気になるところ。
 
とりあえず、火バナの方も近日読みたいと思います。
火バナも、1ページ目のあの感じだと一晩で読めそう。

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2014年8月19日 (火)

ダル田「にゃーん」

痛快世界の冒険文学シリーズ(児童向け)の三銃士を読みました。
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原作はもちろんデュマで、翻訳は藤本ひとみさんです。
 
三銃士自体は、小学生のときに読んだっきりで、ぼんやりとした記憶しかなく、先日見終えた人形劇も、もちろんあれが原作そのままとも思ってませんでしたので、原作読みたいなと思っておりました。
 
それとは別に、うちの坊っちゃんの国語力を上げたく、夏休みに入ったあたりから、1週間か2週間に1冊のペースで本を読むように勧めています。
 
一応、読ませる前に自分も内容を見ておきたいので、手持ちの芥川リューノスケさんとか、ダザイさんから読みやすそうなのを与えているのですが、私の手駒もそんなにない(横溝さんとかいっぱい持ってますが、文章で読むには露悪的なものもあるし…)。
 
ってわけで、児童文学の枠から三銃士をブックオフで安めに仕入れてきて、読んでもらうことにしました。
 
ついでに私も読むという図式。
 
改めて、ナンですが、ダルタニャン、クズ野郎ですねえ。
いや、クズっていうのは言い過ぎですが、短絡思考ではあります。喧嘩っ早いし、女性を見るとすぐホワホワするし。
 
人形劇は、前半のダイヤモンド騒動のところをわりと原作に忠実に作ってありますね。後半ボナシューが暴走しはじめたあたりから、少し怪しくなってきますが。
原作に出てくるバッキンガム公の部下フェルトンをカットしてるのは惜しいなあ。
ただ、フェルトンと首切り役人を人形劇に加えると、途端にダークな話になるので、人形劇のあのラスト、ドタバタのミレディ救出作戦は、あれでいいのかも。
 
暇つぶしに読むには面白かったです。子供も読みやすいでしょう。
 
平行で読んでいるアガサクリスティ物「チムニーズ館の秘密」を早く読み終えたいんですが…大きい声では言えないんですが…
 
 
これ、つまんない小説ですねえ。
 
 
てか、最近、翻訳物が苦手になってきました。色んなところで、目がつっかかる。
アクタガワさんとか、ナツメさんとかの文章は、どんなに言い回しが古くても目が先へ先へ走っていくんですがねえ。
まあ、波風立たないように、「日本人だから」ってことにしておきます。

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2014年4月 9日 (水)

ここにきて紙屋町とか八丁堀にハマる

MARUZEN広島店に、最近良く行きます。
あのLABIって言うビル、1階から6階まで全部ヤマダ電機ですよね、確か。
で、7階8階がMARUZENという本屋なんですが、あそこ1日中入り浸れますよ。
まー、気が向いたら階下のヤマダ電機のおもちゃ売り場やDVDショップや家電コーナーをうろうろするのも楽しいですし。

近々出張があるので、移動の友・文庫本を仕入れにこのあいだの休みに行ったんですが、豊富な本に囲まれてうれしくなりすぎて、店員さんの
「honto会員になりませんか?」
の問いかけに、「はい」と勢いよく返事してしまいました。

(本はクリスティーさんのもの2冊買いました。少しの間、翻訳ものは避けてたんですが、作文班とりあえすお疲れ様の意味も込めて)

店員さんの説明を適当に聞いて、カードをもらって帰り、自宅でweb上からサイトに登録してみると、あれ、web上に自分の書庫を持てるような感じになりますね。書庫というか備忘録庫か。
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持ってる本をぽいぽい登録していくと、クリスティーさんで埋まって笑った。
今度は横溝さんと宮部さんと阿刀田さんの本も登録していこー。

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