カテゴリー「読書班-金田一耕助を読む」の36件の投稿

ミステリ読みます

2009年2月 3日 (火)

金田一の変な芝居

画像は今日の記事と特に関係ありません。
ちっちゃいS.I.C響鬼さん楽しいな~。
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そういえば金田一耕助シリーズの「華やかな野獣」を読んだのですが、記事にするの忘れてました。
いや、無理に記事にするほどの内容ではなかったのですが、まあ読書録として残しておきます。
「華やかな野獣」1冊に3本の短編が収められた短編集となっております。

・華やかな野獣
・暗闇の中の猫
・睡れる花嫁

睡れる花嫁は他の短編集に再編されておりまして、すでに記事にもなっておりますので、割愛。

華やかな野獣
ここにきて突然西村寿行さんのようなタッチの作品です。
西村寿行ハードボイルドではなく、たまに西村さんが短編で書く、ちょっと面白系のお話。
遺体の状況が複雑なことになっているのは横溝作品では良くあることなので、今更新鮮味は無し。
ただただ、犯人のマヌケ描写を読んでクスリとする作品。

暗闇の中の猫
ああ、惜しい。そんな感じです。もうひと手間あれば、傑作と思えたかも。
金田一の変な芝居とセリフが笑えます。
「なぜ犯人がああも正確にピストルの狙いをつけられたかじゃね」
「兄ぃ!しっかりしなよ!」

なぜこの人はいつも空気読まないのか?

以上です。
短編なので割り切るしか無いですが、ちょっとウスイ内容でした。
横溝作品、宮部作品、ともに積んである本がまだまだありますので、サクサク読んでいきます。

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2009年1月 6日 (火)

矢毒といえばサヴェジ・ガーデン作戦

昨日の悪魔の手毬唄、面白かったですね。
映像化された作品の中ではかなり原作に忠実な再現度だと思います。
原作のような「救われない感」や「犯人の残忍さ」は薄く、そこが少し不満ではありますが、テレビ的にはあれがギリギリと思います。

とまあ、テレビのことはそこそこに、金田一モノの「毒の矢」を読みました。
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中長編の「毒の矢」と、短編の「黒い翼」のセットです。

【毒の矢あらすじ】
住宅街に怪文書横行。被害者の娘の観察が優秀。

【黒い翼あらすじ】
日本中にチェーンレター横行。被害者の妹の観察がザル。

えーーーとですねえーーー・・・どちらもわかりやすい犯人でした。
これは私が金田一モノを読みすぎた弊害?とも思ったのですが、ポアロシリーズの犯人にはいつも素直に関心しますので、「読みすぎ弊害」というわけではないでしょう。
ただ、ここまで読んできて「金田一モノは人物描写が画一的」というのは良く理解できました。
予備知識無く未読作品を読んでも、ああ、この流れならこういうトリックでこの人が犯人かな・・・やっぱりそうだった!ということが多いです。

毒の矢、黒い翼ともに、トリックや犯人像に目新しさはありませんでした。この2作に「白と黒」を足して、「怪文書3部作」と呼んでもいいかもしれない。
ひとりの作家さんの本を読み続けるのも色々問題がありますね。

本が溜まってるんで、引き続きガツガツ読んで行きます。

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2008年12月22日 (月)

ゾロリと雷電とテリーと金田一

昨日、子供の目を盗んでポケモン図鑑を書店に物色しに行ったのですが、なかなかコレハ!というものが無かったので、怪傑ゾロリの最新版を購入。坊っちゃんは、ゾロリの本にも激ハマリだし、サンタさんへのお願い候補でもあるので、これはこれでいいかも♪

で、ポケモン関係で出モノは無いか?と中古の古書店めぐりもしてみたのですが、いつも行っている中古書店にて金田一モノが大量に並んでいるのを発見!この間まで、横溝さんコーナースカスカだったのに・・・
しかも、「華やかな野獣」「壺中美人」「毒の矢」など、今や絶版で手に入らないものがありえない格安値段で!
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もう、ワサーっと購入です。

五郎「知っているのか?雷電とテリーマン!」
雷電「師走の今頃は気の早い御仁なら大掃除をはじめてしまうし、思い切って本棚を大幅に整理し、この書店に売りに来たという手合いがいてもおかしくはあるまい」
テリーマン「そういえば聞いたことがある。大型中古書店では価格設定がシステマチックになっており、希少価値鑑定する手間などかけないと・・・」

何にしても私にとってありがたい話です。
年末年始は読むものに困りません!

以下、金田一カテゴリの今後の予定。読んだもんです私も。

続きを読む "ゾロリと雷電とテリーと金田一"

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2008年11月27日 (木)

金田一はホテルのボーイ役

先週の旅行の新幹線移動、行きで「病院坂の首縊りの家・下巻」、帰りで「幽霊男」(ともに金田一さんシリーズ)を読みました。
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※上下巻ともに中古品なので、表紙デザイン時期はバラバラ。絶対旧表紙(下巻)の方がいいと思うんですが。

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これも旧版の表紙。

幽霊男の感想は、「そこそこ」です。

以上。あらすじ3行もナシ。

ツマラナクは無いですけどね。意外でも痛快でもない感じ。
幽霊男というタイトルからしてB級ホラーぽい感じですがそのイメージのままの内容。
こういう正体不明の怪人がいたとして、金田一モノに限らず、おおかたのミステリーではひとり二役だったり、ふたり一役だったり、最初の怪人を殺した男が怪人になりすましていたり等、ありがちな展開が見受けられますが、本作もそう。
そこにはあまり大きなサプライズは無いです。
読み手は

「この時の怪人はAで、あの時の怪人はBだろうな」

と思いをめぐらせながら読むのが吉。
というより、他に楽しみようが無いんですよ、この小説。トリックも強引だし。

それよりも病院坂の首縊りの家ですよ。

これは大作でした(傑作では無い)。
感想は日を改めてじっくり書きます。
金田一モノであそこまで切ない物語って、なかなか無いような気がします。
昭和28年(上巻)の登場人物は昭和48年(下巻)のお話にもほぼ全員登場するのですが、全員何かしら意外な変貌を遂げて再登場します。
変わらないのは金田一くらい。

病院坂の首縊りの家というタイトルからは乖離した感のある、「アングリーパイレーツ」という名の7人組のジャズバンドが登場するのですが、このメンバーが私のイチオシです。
特に20年経って、ギラギラ感が1億%抜けてしまってからの枯れた描写が泣かせます。
ラストの墓参りのシーンは本当にジワッと来ます。
ああ、あんなにいがみあっていたのに、根っこの部分ではお互いを想いあっていたんだなあ・・・と。

前にも書きましたようにシリーズ最大長編なんですが、特に苦もなく読めます。
傑作では無いですが、運命の重さを感じる佳作なのではないかと思います。

うん。もうちょっと整理整頓して感想を書きたい・・・

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2008年11月17日 (月)

ファイナル金田一

大いに誤解を生む記事タイトルですが、
「病院坂の首縊りの家・サブタイトル金田一耕助最後の事件」
を読み始めました。
この事件を最後に金田一は渡米するようですので、引退試合といった趣きなんでしょうか。

最後の事件であり、かつ横溝さんの書いた金田一ものとしても最後の方の作品かつ、上巻・下巻にしてそれぞれ400ページ弱ほどのシリーズ最大長編です。長編2冊分といったボリューム。

長編て、気乗りしないんですよ。よほど上手く書かないと、どうしても冗長な部分が出てきますし。
そんな感じで今まで敬遠していたのですが、絶版以外の金田一物をほとんど読み終えてしまったので、ようやく重い腰を上げました。

この記事を書いている時点ではまだ上巻を読み終えたあたりです。
え?なんでそんな中途半端な時期に記事を・・・とお思いかもしれません。
私も全部読んでから記事をと思っていたんですが、この上巻、予想外に面白いんですよ。
もろ手を挙げて傑作!とは言いづらい部分があります。実際冗長なところもありますし。
でも白と黒悪霊島と違って、かなりサクサク読めます。
上巻の昭和28年に起きた事件はモヤモヤとしたまま迷宮入りしてしまう。
で、下巻の昭和48年において新たに起きる事件から、20年前の事件とあわせてふたつの事件を解決する。
そういう構造になってます。
上巻の人物配置が20年後の下巻でどう組み直されるかはわかりませんが、かなり下巻に対する期待は高いです。

どうか私の期待を裏切らないでほしい。白と黒悪霊島のような、急に思いついたような衝動的な犯人ではなく、20年の年月ジックリと骨格を練り上げた、悪魔的な犯人であってほしい。
願わくば、上巻を読み終えた時点での私の予想は当たっていてほしい。

そんなわけで下巻を読み始めるわけです。

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2008年11月 4日 (火)

ヒロインは全身タイツ

造形趣味が一区切りつきましたので、横溝さんの金田一シリーズ「三つ首塔」を読みました。400ページに満たない中長編です。

あらすじ3行「三つ首塔」
宮本音禰は百億円という財産を突然相続することになったよ。
相続するには指定人物と結婚が条件→その人死んだorz
他に相続候補が6人いるけどそれもバタバタ死んでいくよ。

なんというか、正直微妙・・・
内容的には・・・そう、「八つ墓村」と「犬神家」を足して3流エロ小説に仕立てたような筋立てになっております。

ミツクビ塔ファンの方、ごめんなさい!

物語はヒロイン宮本音禰(みやもとおとね)の視点で進んでいき、金田一はめったなことでは出て来ません。恋人気取りの強引な高頭君に色々助けてもらいながら、絶体絶命の危機を何度も脱していきます。
(このへん、かなり八つ墓村)

遺言の指定する人物と結婚しないと、莫大な遺産はもらえない。
その指定の婚約者は早々に殺されてるんですが、ミステリ小説マニアの誰一人として、それが本当の婚約者だなんて思わないでしょう。横溝ミステリで「あの人本当に山田トン平さん?」て言う人が山田トン平さんだったためしが無いですからね。
(このへん、かなり犬神家)

ヒロイン音禰が物語後半で暗がりに避難するところまで八つ墓村とソックリ。
犯人の動機が物語の根幹から微妙に外れた位置にあるというのも八つ墓村とソックリ。

あらすじ3行に書きました通り、ヒロイン以外に

ダンサー姉妹
双子姉妹
16歳のみずぼらしい少女
40代御婦人

と、6人のセカンド候補がいます。
最初の遺言「音禰ちゃんと指定人物が結婚して全額相続」が消え、遺言の第二条項「音禰ちゃん含む7人で均等割り」が行使されることになります。
人数が減れば分け前が増えるという寸法です。上記の各候補の恋人や養父というオマケを含め10人の怪しい人達が音禰ちゃんを睨んでいるわけです。

誰がどうとは言いませんが、

犯人によって8人が殺され、1人が犯人以外の者に殺され、2人が自殺という大惨事です。
11人、死んでます。
何してるんですか金田一さん!死にまくりじゃないですか!

その間、音禰はある人から監禁され、逃げた所を別な人に監禁され、また別な人から全身タイツを着せられ、ほかにも縛られたり、連れ込み宿に連れ込まれたり、古井戸に落とされたり、幽霊に会ったり(苦笑)と酷い目に遭いっぱなしです。
典型的な「巻き込まれ型主人公」です。

音禰の人物造形は古いタイプの清楚な乙女。読み手はその酷い目の遭いっぷりに思いを馳せてニヤニヤしながら読むべきなんでしょうか?
「あの娘があんな目に!」とか・・・
あまり良い趣味では無い気がします。
しかも清楚な乙女の割には「わたしだって人間だもの。欲がないわけではない」とか、「みだらがましい歓楽に身をおぼらせて」とか、以外と欲望に忠実だったりして、なんだか笑えます。

あと、犯人も予想以上に意外な人物なのですが、正直これだけバタバタ人が死んでいくと、もうアノ人しか残ってないジャンて話ですよ。
しかも犯人の動機と隠蔽ギミックがマッチしてないんですよね。
その動機でその行動はおかしいでしょう!と小一時間(ry
横溝さん途中まで犯人を決めずに書いた感がありますね。

というわけで、ここまで読むのを取っておいた意味はあまりありませんでした。
もう、「悪魔が来りて笛を吹く」読むしかないなあ・・・

続きを読む以降は残る未読作品一覧!

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続きを読む "ヒロインは全身タイツ"

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2008年10月27日 (月)

少しテンションあがる

先週末、ザ・テレビジョンを立ち読みしておりましたら(←買いなさい)、稲垣吾郎さんの金田一耕助シリーズ最新作「悪魔の手毬唄」がクランクインとのこと!!

ググってみました。

<キャスト>
金田一耕助 … 稲垣吾郎
青池歌名雄 … 平岡祐太
大空ゆかり … 山田 優
多々良放庵 … 麿 赤兒
横溝正史 … 小日向文世
橘署長 … 塩見三省
青池源治郎 … 谷原章介
青池リカ … かたせ梨乃

キャスティングした人GJ。

青池源治郎とか、大空ゆかりはかなりイメージどおり。鳥肌が立ちます。
歌名雄君は平岡さんでもいいんですが、亀梨君にやってほしかったなあ。
あと青池リカの娘で歌名雄君の妹、青池里子が山田さん2役になる可能性がありますが、宮崎あおいさんか蒼井優さんなら、文句ないんだけどなあ・・・

劇場公開でも無い限りムリだよなあ・・・

ともかく期待大なのです。放送日未定とのことですが、お正月スペシャルで間違いないでしょう。ドキがムネムネするなあ。

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2008年8月19日 (火)

近づく読書の秋

長い連休明けともなると、仕事アドレスにたまってた迷惑メールの数がハンパ無いですね。
「3千5百通のメール中、2千5百が迷惑メールです」
て、メールソフトから通知受けて、ちょっとゲンナリしました。
(念のためザラーっと見ておかないと、必要なメールが迷惑判定されていることもありますからねえ)

  

夜から明け方にかけて、少し涼しくなって来たですか?
活字が恋しくなって来ますね。
横溝さん読破シリーズをそろそろ再開しようと考えてますが、もう残りは
「病院坂の首縊りの家」「三つ首塔」「悪魔が来りて笛を吹く」
くらいしか無いわけです。ほかにもあるのですが、あとはどれも、ムニャムニャな内容なので読もうとまで思わない。

にしてもここで何故私が病・三・笛の3つを残してモタモタしているかというと、土着ミステリがもう無くなってしまったというひとことにつきます。
金田一モノなら都会で起きた事件より、因習にまみれた田舎で起きる不可解事件(要するに土着ミステリ)のほうがいいですよね!

病院坂が、土着ミステリかな?
ただ病院坂は、「金田一耕助最後の事件」にして最高の凡作(ファンのみなさんごめんなさい)なので、読みたいような読みたくないような・・・
悪魔が来りて~は最後に読もうと思ってますので、まだまだガマン。

やはりここは三つ首塔かな。・・・三つ首塔ねえ・・・

と書店で悩んだあげく、少し毛色の変わった本を手に取ってみました。

「ポールスローンの札束を焼く強盗」

簡単に言うと、「頭の体操」ライクな水平思考推理ゲームの問題集です。
実際、「頭の体操」とカブっている問題もいくつかありますし。

「ある事象の装飾をそぎ落としていくと、奇妙な結果だけが残る」

そういう面白さを狙っている読み物ですよ。
本のタイトルにもなってますが

「銀行の車が強盗に襲われ、現金入りのカバンが盗まれた。しかし強盗は盗んだ現金をすぐ燃やしてしまった。なぜ?」

みたいな問題が100問弱ほど。

秋に向けてガッチガチのミステリを読む前の肩ならし(脳ならし?)に読んでみました。
感想としては微妙・・・。
いくつか答えが強引過ぎるというか、ヒントが足りなさ過ぎる問題があり、なかなかハマれない。でも結構いい問題もありましたよ。

Q10「旅の終着点」
数週間の旅から帰ってきた男は、海に浮かんでいるところを発見された。
海から出発したわけではないが、旅の終わりが海上になることは想像できた。
男の無事な帰還をみんなが喜んだ。彼の旅とは?

答えを聞くと物凄く納得できます。

Q40「疾走」
男は自宅ガレージで時速4800キロ以上で走るものを作り出した。
何を作り出したか?
高エネルギーは使ってない。特別な技術も道具も必要ない。

これは答えを聞くとへえ~っとなる問題。
是非、考えてみてください。

これだけではナニなので、リンク先に答えを書いておきます。
クリックは自己責任で♪

Q10の答え

Q40の答え


見ると、モヤモヤが晴れて納得すると同時に、若干のガッカリ感も味わいますのでご用心。

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2008年5月12日 (月)

白と黒と火車

「金田一耕助モノ読んでまえ」シリーズ第何段か忘れましたが、「白と黒」読みました。


以上です。

いや、ホント。なーーんも書くこと無いです。読後の印象は人それぞれで、発表当時と今とでは、背景も違うことでしょう。

でも、この白と黒は・・・本当に面白くない・・・。
ムダに長い。同じ描写を、語る人物を変えて何度も記述する。
水増しとしか思えない。

国語辞典の方がまだハラハラドキドキ読み応えあります。

読んだのは3月頃ですが、もう、記事にするのすら苦痛で、放置しておりました。

あんまりガックリきたので、しばらく金田一モノから離れようかなとまで考えたり。
残りの作品群を見ても、「悪魔が来りて笛を吹く」くらいしか面白そうなもの無いし。

てなわけでという事でもないのですが、宮部みゆきさんの「火車」を読みました。
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※ネタバレはしません。なるべくこの記事読んだひとが
「ウォ~~火車読みてェ~~」
てなるような書き方を心がけます。

goo辞書より

かしゃ くわ― 【火車】
(1)〔仏〕 生前悪行を働いた亡者を乗せて地獄へ運ぶという、火の燃えている車。火の車。
「身を責め骨を砕く―の責め/謡曲・綾鼓」
(2)「火車婆(ばば)」の略。
(3)死体を食いに来るという、想像上の妖怪。
(4)〔中国語から〕汽車。

フーム、色々意味があるんですね。この小説では冒頭に(1)が引用されています。

"生前悪行を働いた亡者を乗せて地獄へ運ぶという、火の燃えている車。火の車。"

「生前悪行を働いた亡者」とは、小説中の誰を指しているんでしょうね。

その亡者を乗せて地獄へ運ぶという火車・・とは何の事を指しているんでしょうか?

あらすじ産業株式会社(オオ!久しぶり!)
刑事本間は、遠縁の和也の失踪した婚約者捜索を頼まれる。
失踪した婚約者・関根彰子とはいかなる人物であったのか?
新城喬子とはいかなる人物であったのか?

主人公は刑事である本間さんでしょう、一応。
しかし私はこの小説の主人公は「新城喬子」だと思ってます。
なぜ火車から死に物狂いで逃げなければならなかったか?
刑事本間は喬子に追いついて、救い出す(いろんな意味で)ことは出来るのか?

小説は冒頭からクライマックスまで細かな「何でそんなことに?」を積み重ね、読む人を途中で離しません。

これを例えるなら、夜中テトリスをしていて、「もう1時だから寝よう」と布団に入るも目がギンギンで寝られず、またテトリスをはじめてしまう・・・気付いたら朝・・・

そんな感じです。

あと、主人公本間刑事は実はそんなに魅力的な人物では無いのですが、それ以外の登場人物が魅力的な人だらけです。
かつて関根彰子の自己破産の手続きをした弁護士さんなんかはかなりいい人。一言一言が重く、誠意がにじみでてます。
関根彰子が関根彰子としてかつて勤めていた今井事務機の社長と事務員のみっちゃんもかなり私のなかでツボ。

こういう大勢のいい人を少しずつ傷つけて、それでもなぜ新城喬子は逃げ続けなければならなかったか。

重厚で切ない小説でした。そのチョイ前に読んだ「白と黒」とは・・・いや比べるのはよそう。

ほめてばかりでは何ですので、個人的に少しマイナスに感じたところを1点。

最後の数ページは要らないと思いました。

この事件は解決して欲しくなかった。

ちょっと長くなりましたので、同じく宮部みゆきさんの「理由」はまた別な機会に記事にします。

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2008年3月25日 (火)

ニセ金田一登場!!

読むのをやめてたわけではないんですが、記事にするほど骨のある作品を読んでいたわけでもないのです。
※今日の記事はそんなにネタバレしてないと思いますが、若干、主観だらけの乱暴な書き方なので、広い心で読んでください。

タイトルもわかりやすいズバリ、「金田一耕助の冒険」という短編集を読みました。
本当はこの前に「白と黒」という大長編を読んだのですが、これを記事にするのはもう少し時間を置くことにします。

さて金田一耕助の冒険という時点で、シャーロックホームズの冒険のパロディくさいですが、気にしてはいけません。
また金田一耕助の冒険という名の大林宣彦監督作品もありますが、この短編集とはまったく関係ありませんし、あの映画は見てはいけません。
「ベルリン忠臣蔵」も見たし、「ランボー者」も「コマンドー者」も見た、もう少し歯ごたえのあるトンデモ映画を見たいなあ・・・という人でないかぎり、あの映画を見てはいけません。

話がそれるところでした。
短編集ですが、すべて40ページ前後で内容は最新型携帯よりも薄ウスなので、期待できません。あらすじ3行もいりません。1行でいきましょう。

霧の中の女
黒蘭蝶+花園の悪魔

洞の中の女
日時計の中の女をカスタマイズ

鏡の中の女
条件さえそろえばなんでもいいのか(怒)。

傘の中の女
AとみせかけてBだと思わせるがやっぱりA

鞄の中の女
あれ、内容思い出せないよ。あーあれか・・・くらいの作品。

夢の中の女
ニセ金田一登場!惜しい!名作一歩手前。

泥の中の女
悪くないけど、とりたてて良くも無い。

柩の中の女
これもどこかで読んだような・・・

瞳の中の女
ミステリファンは絶対読んではいけない作品

檻の中の女
だいたい犯人の検討はつきます。

赤の中の女
平成の科学捜査の前では通用シナイ。

なんだか作業のように読んでしまった。
そろそろ歯ごたえのある長編が読みたい・・・

続きを読む以降は残る未読作品一覧!

「悪魔が来りて・・」は自分の中でココ一番!のためのキープ・・・

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