これも映像化が難しいか!
綾辻さんの「水車館の殺人」を読みました(先日のフリマで買った2冊目)。
話は複雑なんですがトリックはシンプルで、読みやすく面白い小説でした。
まあ何がとは言いませんが、これも映像化すると
「ああ、犯人がここにいる」
てなりますな。これも叙述トリックの部類なんでしょうか。
前作十角館の殺人が「絶海の孤島サスペンス」だったのに対し、今作いよいよ「嵐の山荘ミステリ」です。
あらすじ【水車館の殺人】
場所は岡山。人里離れた場所にひっそり建つ水車館。
1年前の嵐の夜、水車館の塔から住み込みの家政婦が墜落死し、一人の男は謎の失踪を遂げ、別な男が焼却炉で焼殺された。
警察の(ちょっとずさんな)捜査で、失踪した男が家政婦を突き落とし目撃者であろうもう一人の男を殺して焼却炉で焼いたあと逃げたという一応の解決を見た。
1年後の嵐の夜、あの事件の当事者がまた集まるが、新しく雇った家政婦が殺され、また別な男が殺される。
これ、説明が難しいですね。いやトリックは割と単純で、犯人もミステリ慣れしてる人ならそんなに難しい犯人ではないです。複雑な話ではあるけど、「ああ、こういうトリックでこいつが犯人だろうな」とわかりやすい。それをネタバレしないように説明するのが難しい。
館の主人は1年前の事件よりも以前の交通事故で手足と顔に怪我を負い車椅子生活。とくに損傷がひどかった顔は白いゴムマスクをつけており、無表情でちょっと不気味。白マスクの主要人物というとやはり横溝さんテイスト満載ですが、小説はこの白ゴムマスクさん視点で進んでいきます。ここが斬新。
あと1年前の事件と今回の事件を章ごとにかわるがわる描写していくので、これがなんとも読みやすいような読みにくいような。
前作「十角館の殺人」での探偵役だった島田と名乗る痩せた中年男が今回も探偵役で、失踪した男の友人という触れ込みで白ゴムさんの前に現れ、事件にかかわってきます。
この島田、前回「建築家中村青司が建てた九州にある十角館の事件」を推理し、今回「建築家中村青司が建てた岡山にある水車館の事件」を推理する。この後の展開をよく知らないんですが、彼は中村何某の建てた館を訪れながら徐々に東京に上っていってるんですか?ロードムービー探偵かな?お宅拝見探偵かな?
しかし今回何が一番驚いたって、表紙絵を喜国雅彦さんが描いてたってこと。
ええーーーーー!
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