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2023年9月26日 (火)

映像化は無理

↑無理というか映像化したとして、主な登場人物が出そろった時点で「あ、コイツ犯人」てなりますよね。

先日いったショッピングモールの駐車場でフリマをやっていて、
「ああコロナ禍のうちはこういうことできなかったのかな?」
という感慨にふけりながら1冊30円くらいの捨て値で
「十角館の殺人」
Zm20230926_01


を購入致しました。いつか読もうと思っていたので今この絶賛「勉強サボリ中の9月」しかないと。
以下なるべくネタバレしないように書きますが、ネタバレ王朝ダメーヌ派の人はここから先読んじゃダメナノヨ。

あらすじ【十角館の殺人】
春休み、絶海の孤島にやってきた大学ミステリ研の7人。迎えの船は1週間しないと来ない約束にしてある。
一方今回の旅行に参加しそびれた江南という青年(辞めミス研)は、島の元々の持ち主記名の脅迫文を受け取る。行きがかり上知り合いになった島田と名乗る痩せた中年男、同じく島行きに参加してない辞めミス研の守須と共に脅迫文の真実を探り始めるが、その頃当の孤島では本当に殺人事件が起き始め、そして誰もいなくなった


まあ面白いですよ。2晩くらいで読んじゃった。
昔の小説で、まだ固定電話の時代ですし、登場人物も老若男女バカスカ煙草吸ってます。もう吸ってない登場人物を探すほうが早いかというくらい。しかも量が多い。多分ストローでジュース吸いながら煙草吸ってると思う。息を吸うように煙草を吸う
いや多分息よりも煙草吸ってる
そういえばテレビドラマや新作小説で煙草吸ってるシーンとか見なくなりましたね。
余談はともかく、あらすじを見ておわかりのごとく、まずアガサさんのアノ小説への強烈なリスペクトがありますね。
ミス研の男女7人なのでそもそも自分たちの口から「そして誰もいなくなった」やその他「嵐の山荘系ミステリ」に関する言及があります。

あと意図的なんでしょうけど本土側の探偵も、島で解決しようとしている探偵も、まあまあポンコツですな。いや、本土にいる島田という人物は有能だし最後に真実に行き当たるわけですが、なんか積極的じゃないんですよね。引いて見てるというか、奔走する江南の横でニヤニヤ見てる感じ。メインで動いているのが江南というワトソン味やヘイスティングズ味をふんだんに醸し出すポンコツマンなので致し方なし。
島の方はもっとひどい。リーダー格でエラリィとあだ名されるスカした優男が探偵役ではありますが、1人ずつメンバーが死んでいってるのに余裕ぶってるばかりで何も解決できないし、大きい声じゃ言えないですが、犯人に殺されちゃいますしね…

とにかく犯人の労力がスゴイ。よくこれほどの行動力があったなと。
そしてこの小説はやはり2周目が面白い。犯人て結構いろんなこと言ってるんだと。アリバイのつじつま合わせも面白い。

まああえて言う必要は無いですが、強いて言えば動機が弱い。いや充分な復讐劇なんですが、島で殺された学生たちは、そこまで悪人だったかなあ。いや悪かったやつもいるけど全員均等に殺されるほどかなあと。殺した人数に見合う恨みだったかなあ。
あくまで強いて言えばですけどね。

この作家さんの他の作品も気になり始めました。

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