その道のりは燻製のニシンだらけでした
なるべくネタバレはしないように心がけますが、ダメ・ゼッタイダメという人は今日の記事はスルー推奨委員会・永世顧問でお願い致します。
先日坊っちゃんが映画を見にいきました。
坊「沈黙のパレード見たんだ」
小さいころから私の教育(洗脳)によりガリレオシリーズを映像で一通り見てきたんで、最新作も気になってた様子。
五「へえ、(彼女と行ったのか?)面白かった?」
坊「メッチャ面白かった! あれは見たほうがイイヨ」
面白いと聞いた私も(映画見に行こうかな。受験も終わったし)とフワフワと考えながら、立ち寄った本屋で小説を手に取り数ページ読む。
メッチャ面白い!
即購入。
まあまあの長編ですがその日の内に読破(自己最速レコード)。
今度映画も見に行くことにしました。
あらすじ【沈黙のパレード】
商店街の人気者である定食屋の看板娘が行方不明となる。家族も常連客達も心の傷が癒えぬまま3年が過ぎた頃、まったく離れた土地のゴミ屋敷で火災があり、その屋敷の老女と共に焼死体で発見される。警察は老女の息子を調べるが、この人物「蓮沼」は、20年前に幼女誘拐・殺害の容疑で逮捕され、完全黙秘の上裁判でも証拠不十分で無罪となった男。そして今回も同様に完全黙秘を貫き、起訴すらされず証拠不十分で釈放となる。
その事実を聞かされて到底納得がいかない家族と常連客達と娘の彼氏。
商店街で毎年度開催されるパレードの日、蓮沼は居候先の部屋で遺体で発見される。
死因は窒息死。圧迫痕無し、外傷無し、暴れた様子無し。そして彼に恨みを抱く全員に強固なアリバイがあった。
この筋立て・・・
幼女誘拐の加害者が特に罪に問われず自由を謳歌しており、恨みを持っている家族や友人知人が大勢いる。
アガサのあの列車のやつですよ。
でもさすがにそんな丸パクリの内容ではないわけで。
と言いながらも東野さんは文中で、さらっと「オリエント急行」「アガサクリスティ」「エルキュールポアロ」という単語を使ってくるわけです。東野さんのニヤニヤした顔が浮かぶようです。
「そう思って読んでるでしょ? どうかなククク…」
まあ何もかもが間違ってたんですけどね。読んでる私も、登場人物それぞれの思いも。
一番びっくりしたのは通行人Aみたいな登場人物が実は事件の一番中心にいた人物だったということ。
その人物の供述で、物語は静かに閉じ始めて、
「ああ、そういう事件だったんだ…すごい小説だったなあ」
と渋い茶をすすっているところを、いきなり胸倉掴まれて巴投げされる衝撃展開。
「え!そうじゃないの?今ので終わりかけてたじゃん」
と目をシロクロさせて起き上がろうとする腕を掴まれ一本背負い。
「はあ?そ…そうなんですかァ?」
残り数ページで2~3回張り倒された感じ。すごい物語でした。
これは2度読んでうなる小説だと思います。
映画が小説をどこまで再現しているかは未見なので不明ですが、先に映画を見た坊っちゃんも同じ感想でした。
坊「あのチョイ役、頭のおかしい○○○だと思ってたのに、真面目で、忍耐強く、一番優しい人だったじゃん。あと最後らへんで全体的にひっくり返された。しかも2回くらい」
全部読んだあとで「沈黙のパレード」というタイトルを見て唸る。
ということで映画見てきます。映像で見るとウッカリ泣いてしまうかもしれない。
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