« 最終作のタイトルは「のれん」ですかね | トップページ | ガス抜き旅行(曲解) »

2018年4月23日 (月)

未読の人の視点が理解できました

4月14日の「黒井戸殺し」を坊っちゃんと二人で見ました。
坊っちゃんは原作未読です。
 
原作未読の人が、映像でアクロイド殺しを見ると、どういう反応になるのかというのが、よくわかりました。
 
私はといえば、最初に原作読破→スーシェさんポアロのアクロイド殺しを後追い。というスタンスで、そのスーシェさん版を映像で見たときも、
 
「映像にするとこんなものかな」
 
という感想しか持ちえない状態。
そんな感じで、日本人キャストでやるとまた違うのかなとドキドキしながら坊っちゃんと見ました。
 
何もかも知ってる私からすると、
「犯人を知ってるから面白い」
そういう感想です。
 
これが初見、犯人知らずの坊っちゃんの感想は、
「面白かった。でも犯人の情報が少なすぎて、あの人に特定するのは無理」
 
という感想。
これを聞いて、ようやく理解できました。あの物語は小説で読まないと
「しまった、やられた!」
的な面白さは望めないんだなということ。映像で見ても、なんだかぼんやりしたまま進んでいき、いざ「あなたが犯人です」となっても、動機が弱くてカタルシスが薄いんだと改めて感じました。
行き過ぎたフーダニット(誰が犯人?)の弱点かもしれない。
逆にハウダニット(どんな方法で?)は映像向きだし、ホワイダニット(なぜ犯行を?)は映像でも読書でも、心に突き刺さる作品が多いのはまあうなずけるところですかね。
 
なお野村さんの演技(特に最後)はすばらしかったです。

| |

« 最終作のタイトルは「のれん」ですかね | トップページ | ガス抜き旅行(曲解) »

読書班-アガサ棚」カテゴリの記事

コメント

なるほど、未読の人はそういう感想になるのですね。
あんな映像化が難しそうな作品を、よくきれいにまとめたなあと感心しながら見ました。
前回の三谷氏のオリエント急行より良くできていたと思います。
私は大泉さんとその姉の演技が良かったと感じました。特に姉のキャラクターは、どうしてこういう展開になるかに直結するので、うまく演技してもらわないとな~と思ってたので、イメージに合っていてほっとしました。

投稿: かもねぎ | 2018年4月27日 (金) 16時46分

かもねぎさんこんばんは!!
やはりオンエアチェックされてたんですね。
古典とはいえ誰が見てるかわかりませんのであまりアレコレ書けませんが、あやしい言動の人が現れるたび、真犯人の「え?(自分が犯人なのに?)」という表情が絶妙で楽しかったです。三谷さんはこういう展開お好きだったなあと、ニヤニヤしながら視聴しました。
(メタ視点的な)小説の登場人物のカテゴリ分けで「特等席」あつかいの人が犯人で、だから疑いにくいハズなのに、映像になると他の登場人物と同じ土俵にあがってしまい、横並びで見たときに「その動機で人一人殺してしまうのはどうなの」というところは、やはり映像から先に見た人には伝わりにくいのかもしれません。

いつか「いろは殺人事件」をやってほしいですね。

投稿: 早瀬五郎 | 2018年4月28日 (土) 22時09分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 未読の人の視点が理解できました:

« 最終作のタイトルは「のれん」ですかね | トップページ | ガス抜き旅行(曲解) »