未読の人の視点が理解できました
4月14日の「黒井戸殺し」を坊っちゃんと二人で見ました。
坊っちゃんは原作未読です。
原作未読の人が、映像でアクロイド殺しを見ると、どういう反応になるのかというのが、よくわかりました。
私はといえば、最初に原作読破→スーシェさんポアロのアクロイド殺しを後追い。というスタンスで、そのスーシェさん版を映像で見たときも、
「映像にするとこんなものかな」
という感想しか持ちえない状態。
そんな感じで、日本人キャストでやるとまた違うのかなとドキドキしながら坊っちゃんと見ました。
何もかも知ってる私からすると、
「犯人を知ってるから面白い」
そういう感想です。
これが初見、犯人知らずの坊っちゃんの感想は、
「面白かった。でも犯人の情報が少なすぎて、あの人に特定するのは無理」
という感想。
これを聞いて、ようやく理解できました。あの物語は小説で読まないと
「しまった、やられた!」
的な面白さは望めないんだなということ。映像で見ても、なんだかぼんやりしたまま進んでいき、いざ「あなたが犯人です」となっても、動機が弱くてカタルシスが薄いんだと改めて感じました。
行き過ぎたフーダニット(誰が犯人?)の弱点かもしれない。
逆にハウダニット(どんな方法で?)は映像向きだし、ホワイダニット(なぜ犯行を?)は映像でも読書でも、心に突き刺さる作品が多いのはまあうなずけるところですかね。
なお野村さんの演技(特に最後)はすばらしかったです。
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