(思うと思わないとにかかわらず)聖地巡礼
↑ヒロインの居所「長ノ木」って、徒歩圏内なんすよね・・・
観てきました。「この世界の片隅に」。
やっぱりね、呉市民として、上映中に呉の映画館で観なきゃウソだろうと思いまして。
いい、映画でした。どれだけ年月が建っても、地形って変わらないもんですね。映像で観ると、
「ああ、あの場所だ」
てシーンが多々あります。ヒロインや周作さんと同じ空気を吸ってる気になれてうれしい。
この映画、何に分類するかって言われたら、戦争映画なんでしょうけど、そういうのはだいたい軍人さん主役で描かれるわけで、この映画のように広島市内から呉の田舎にとついできた娘さんの視点で描かれるのは、(前例がないとはいいませんが)あまり例がないように思います。
水彩画のようなあわいタッチに、(前々から評価の高かった)のんさんのネイティブな呉弁も、地元民の耳には心地よく。同時に「あわい水彩画」を切り裂くような「リアルなCGの爆撃」が、うまく観る者の拒絶感を煽り、すばらしい。
普通の生活を、普通の価値観で過ごすヒロインをとりまく環境が、どんどん普通でないものに変わっていき、それでも自分を保って強く生きようとするヒロインの、玉音放送に対する感想が、心に刺さります。
ヒロインの幼馴染、水原くん(水兵)が「(自分の乗る船が)また活躍も沈没もせんかった」とうそぶき、そのあとヒロインの当たり前を目にして、「わしはどこで人間の当たり前から外されたんかのう」という台詞もかなり胸に来ます。
語りつくせぬ魅力のつまったこの映画ですが、ひとつ非常に残念なところとして、クラウドファンディングで作成されたため、予算足らずでカットしたところがあるということ。
これが「白木リンさん」のエピソードほぼ丸ごとで、原作を知らずにこの映画を観た人は、「不慣れな土地で迷子になってたヒロインを助けてくれた親切なお姐さん」という感想しか持ち得ないと思うんですよね。もったいない。
ただ、そのエピソードを補完して完全版が制作されるんじゃないかとのウワサもありますので、そのへんに期待しつつ、待ってるあいだの今少し、長ノ木や朝日町をゆっくり歩いてみたいと思います。
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