X-Menの、デッドリージェネシスを購入しました。
高いっすね翻訳本。半泣きです。
しかし価格に見合った濃い内容で、大変満足しております。
ここでX-Menをまったく知らない、あるいは映画しか見たことないという人のため、またこのデッドリージェネシスで語られる内容のための事前情報。
(私の思い違いもあるかもしれませんので、超正確な情報というわけではないかもしれません。だいたいこんな感じととらえてください)
最初、
「5人のミュータントとそれらを束ねるエグゼビア教授VS磁界の王マグニートーの戦い」
でアメコミはスタートしました。ざっくり3~40年前のことです。
5人のミュータントは
1.リーダーのサイクロップス(目から光線を出す)
2.ヒロインのジーングレイ(サイコキネシスギャル)
3.エンジェル(背中に羽の生えた色男)
4.ビースト(怪力と頭脳)
5.アイスマン(コメディリリーフ)
これがマーブルコミックスの中で数年、まあ鳴かず飛ばずだったわけですよ。
で、テコ入れという名のメンバー入れ替えで、一回全滅してます。
(1)「南太平洋のクラコア島(島自体が悪意のある生命体)に向かった5人は全滅。サイクロップスだけ目からビーム能力を失って一人生還」
(2)「エグゼビア教授は協力な助っ人メンバー7人(超メジャーなウルヴァリンはここから)を集め、新メンバーとサイクロップスで再びクラコア島へ。
いろいろ省きますが、この意識を持った島「土くれモンスター」は、ヒーローたちのパワーを吸収してしまうし、とにかく近づきがたい。
ってことで、パワー放出型のXメン何人かで凝縮したパワーをぶつけて、島ごと宇宙空間に放逐してめでたしめでたしという、ドラえもんのバイバイン的解決法」
無事解決したけど、Xメンが総勢13人にもなってしまい、何人か抜けるか、チーム分けするかって筋だての、ようはリストラ、人員整理。
このエピソード以降のXメン人気(おもにウルヴァリン人気)はすさまじかったわけで、それはまあ説明省きますが、この上記(1)と(2)のあいだに、
イヤイヤ、実は(1.5)があったんですよ
というのが、今回、30年ぶりに語られる(ていうか、ストーリー担当がネタに困って、ここのエピソードにifがあったら面白いなあ的、後で語られる前日談)のデッドリージェネシス。
最初の5人が全滅した時点で、エグゼビア教授は、モイラ教授が指導していた、まだ実戦経験もない4人の若いミュータントに目をつけ、モイラを説得し、若者たちをそそのかして最初の5人の救助に向かわせます。
1.スウェイ(時間コントロールと残留思念の再生)
2.ペトラ(鉱物を自在に操る)
3.ダーウィン(あらゆる環境に適応し、進化し続ける)
4.キッド・バルカン(パワー放出)
スウェイはジョジョで言うと、3部ザ・ワールドと、6部アンダーワールドと、限定的なメイドインヘブン(自分以外のスピードをゆるめる)能力といえます。無敵なんだけどなあ。
ダーウィンも、業火に耐える、水中で無呼吸OK、飛び降り自殺もできないと、無敵なんだけどなあ。
キッド・バルカンなんて、本名「ガブリエル・サマーズ」が示すとおり、30年にわたりXメンのリーダーを務め続けるサイクロップス@スコット・サマーズと、短気がたまにキズながら破壊光線が頼りになるハヴォック@アレックス・サマーズ兄弟の弟、つまり三男にあたる、因縁だらけ人物。
で、「俺たち、Xメンになれるの?」と浮かれ調子の4人を死地に向かわせたエグゼビア教授は、どうにか4人がサイクロップスを助け出し、先に逃がした時点で、この4人を完全に見捨てます。本意はともかく、このあと来る7人の強者を集める間の時間稼ぎとして見捨てたとしか思えない。
なんでこれらのことを助け出されたサイクロップス含むあらゆる人物が覚えてないかというと、人の心を操れるエグゼビア教授が、都合の悪い記憶を皆の脳から消したから。
こればっかりは、人間の尊厳を無視した愚劣な行為と言えるでしょう。すみやかに5人を助け出したかったと前置きしても、エグゼビア教授の行為を容認できない。
そして、クラコア島。
暴れる土くれモンスターにまずスウェイが一瞬でまっぷたつにされ、残りの3人もモンスターが吐きつづける業火でほぼ死滅・・・
・・・かに思われましたが、スウェイは死の間際に残り3人の周囲の時間経過をゆるやかにし(このおかげで地獄の業火にも少しは耐えられる)、ペトラは身を焼きながらも鉱物コントロールで、自分たちを地中深くへ埋没させる。この時点で肉体を維持できなくなったダーウィンが、肉体と意識を切り離し、キッド・バルカンの肉体に移り、パワー放射と適応能力でバルカンの命をつなぎとめる。ダーウィンはバルカンの体内で休眠状態。
そして何も知らない後から来た7人の助っ人Xメンたちによって、島ごと宇宙へ放逐。
ハウス・オブ・Mエピソードの影響で宇宙に放流されたミュータントパワーに反応して、キッド・バルカン復活。
地球に舞い戻り、当時のXメンたちに復讐を開始する。
というお話。
クズですなあ、エグゼビア教授。昔のエピソードを新解釈・改変する手法自体は否定しないですが、改悪するのはどうなんだろうと疑問に思うエピソードでした。
結局4人の若いミュータントは報われないままですし。
お話自体は面白いですよ。「だいたいわかってて読んでいくミステリー」って感じで、オチの
「俺はエグゼビアに見捨てられた、貴様の弟だァ!!」
とともに展開される3人のミュータントの非業の最期がいたましく、つい復讐鬼バルカンに肩入れしそうになります。
Xメンは本当に長い歴史があり、その間に着いたり離れたり、敵になったり味方になったり、死んだり生き返ったり、パワーを失ったり取り戻したりの繰り返しなので、バルカン君もいつかお互いを許しあう日が来て、3兄弟で共闘する話ができるといいなあと願わずにはいられない、バッド・エンドでした。
ああ、アヴェンジャースシリーズも欲しいなあ。
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