モルダー、あなた憑かれてるのよ
風野真知雄さんの幻魔斬り(四十郎化け物始末3)を読みました。
書店で手に取ったとき、うっすら気付いたんですが、続き物の3巻目ですね、これ。
ただ、探偵モノや捕り物帳というものはだいたい、
「前の話を読んでなくても、内容の理解には特に問題がない」
というやつですので、そこは苦になりませんでした。
前の話とハイパーリンク的な部分も出てきますが、まーそれは気になったら、さかのぼって読もうかなレベルで流せます。
あらすじ【幻魔斬り】
借金苦でモンスターハンターの、浪人「からす四十郎」は、
「謎の人体白骨化現象」
「枕元に立つ謎の人物事件」
「海坊主に襲われる陸の長屋事件」
「謎ののっぺらぼう事件」
といった、現代科学では解明できない魑魅魍魎事件(実は怪奇でもなんでもない)に挑む。
妖怪VS主人公という図式にはなりますが、なんと言いますか・・・この作家さん、面白いですねえ。
枕元に立つ幽霊あたりまでは普通に「怪奇モノ、正体見れば」的な読み物として楽しんでたんですが、海坊主の正体あたりで、俄然スピードが増してきたというか、ラストの「赤い鳥の大群に襲われる男事件」ではもう、良い意味でヒドイというか・・・
主人公で、かつては藩士、今浪人の四十郎は、実働部隊で、「読書家で趣味で書き物もやる」奥さんが、頭脳労働。ありあまる蔵書の中から、解決のヒントになるような本を四十郎に紹介してくれます。
善人にしか見えない人が、突然豹変して悪事を働くか?という問いに「これをお読みなさい」と出してきたのが
「善二郎と悪蔵」
どうみても有名な「何某博士とナントカ氏」です。ありがとうございました。
にわかに信じられない四十郎にたたみかけるように出してきたのが、この本。
「十三人の福山甲右衛門」
どうみても24人のビ(略)です。ありがとうございました。
あげく「幻魔大合戦」ですよ、ほんとにもう。
楽しんで読みました。
実は風野さんの本は2冊目です。2年くらい前に「荀彧」 を読みました。
あの本も、
曹操「え?そんなヒドイことするのボクー」
荀彧「やっていただきます。後の世のために」
曹操「えー、そうなんかなあ」
という小説でした。
なんというか、この作家さん、私がたどり着きたい境地のド真ん中にいる人のような気がして悔しいですw
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