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2012年8月10日 (金)

モヤモヤ小説

先日につぶやいたごとく、アガサクリスティーさんの「フランクフルトへの乗客」を読み終えました。
Zm120809
スパイ物はなかなか読んでてスピードがあがらず苦戦しました。
似たようなスパイ物でもトミー&タペンスの初期作品とか、「茶色の服の男」とかむちゃくちゃ面白いのに。

あらすじ【フランクフルトへの乗客】
中年外交官スタフォード・ナイは、空港で妖しい魅力の女性から「パスポートとマントを貸して欲しい」と頼まれる。
その妙な事件を皮切りに、チョイ不真面目おっさんスタフォードは、ネオ・ナチの暗躍する冒険世界へ旅立つ。

……あらすじ見ただけでも、「なんだかなぁ」という感想を持たれた方がおられるかもしれませんが、実際、なんだかなぁという内容です。
しかも主役のはずのスタフォード・ナイは途中でふわーっといなくなり、おばさんのレディ・マチルダ(マープル風)があれやこれやとストーリーの筋道を立てて、最後の方でスタフォード・ナイは復活するものの、特段、暗黒組織の謀略を暴くでもなく、意外な人物の正体を暴くでもなく、たんたんと終わってしまいます。

なんだかなぁ。

途中、「人間の心を悪人から善人に作り変える実験」に従事していた科学者が出てきたあたりはスパイ小説+ミステリ的に盛り上がりかけたんだけどなあ。

トミー&タペンスや「茶色の服の男」に登場したウッカリ娘アンのような、ものすごいエネルギーで駆け回る主人公じゃないと、スパイ物自体に興味が無いので、読んでてしんどいということが良くわかりました。
そういう意味でスタフォード・ナイは枯れた味でもないし、やる気まんまんでもないし、この小説を象徴するような、宙ぶらりんな、とらえどころのない主人公でした。

次は「バグダッドの秘密」(←懲りずにスパイ物)

仕事中に上司のモノマネやっててクビになるようなウッカリ娘が主人公ですので、少し期待しています。

続きを読む以降は、書店でクリスティー作品を仕入れる際の私の備忘録。

 

 

残り21本。

12:メソポタミヤの殺人
14:もの言えぬ証人
15:ナイルに死す
28:鳩のなかの猫
29:複数の時計
31:ハロウィーン・パーティ
33:カーテン
46:スリーピング・マーダー
50:運命の裏木戸
53:謎のクィン氏
55:死の猟犬
73:チムニーズ館の秘密
74:七つの時計
75:愛の旋律
77:未完の肖像
83:死が最後にやってくる
84:忘られぬ死
88:バグダッドの秘密(仕入れ済み)
89:娘は娘
90:死への旅(仕入れ済み)
91:愛の重さ

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