悪魔「タスポ持ってる?」
芥川龍之介さんの、『羅生門・鼻・芋粥』を読みました。
短編集ですね。ていうか、芥川さんて、短編専門ですか?この本も、大量の短編が収録されておりまして、ここにいちいちは書きませんが、堪能致しました。
また、古典であり、名作中の名作ですので、今更私がどうこう言う資格など無いのですが、予想をはるかに上回って、面白い文体でした。もっと硬質な文体かと思ってたんです。
「煙草と悪魔」に出てくる悪魔が、悪魔のくせに少しユーモラスだったり、かと思えばオチが周到だったり。
こういう話もっと読みたい。
一編一編は、皮肉が利いてるというか、「BがイヤでAと思っていたら、いつのまにやらBだった」的な、自らの価値観を覆される系の寓意に満ちた話が主でした。
「鼻」とか、まさにそれ。
「芋粥」は、読みはじめてすぐオチに思い至りました。
けして私の深読みがすごいなどとくだらないことを言いたいわけではありません。後世の多くの作品に大なり小なり影響を与えたんだなあと関心しました。
えらそうなことを言うのが許されるなら、不変のテーマであり、人類創生の昔から、こんな寓話は語り継がれてきたんでしょうね。
うん、芋粥の話は好き。食べたくなりました。
読んでて心奪われたのは「手巾(はんかち)」。
「Aだと思ってたらBだった、なあんだ、いやまてよ」の主人公の上手を読者が行き、そのさらに上手を書き手芥川さんが行く感じ。
芥川さんシリーズ、もう少し色々読んでみようかな。
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