よくよく考えると、重いテーマなんです
NHK・BSでやっていた名探偵ポワロシリーズの「オリエント急行の殺人」を今更ながら観ました。
http://www9.nhk.or.jp/kaigai/agatha/poirot_04.html
良かったです。
重かったです。
この物語自体、何を書いてもネタバレになりますので、あまりあれこれ書けないのですが、社会倫理的に考えて、犯人を許すのか許さないのかで言えば、どんな事件であれ、犯罪者は許しちゃいけないわけですよ。
ただ、あだ討ちに関して、許すのか許さないのかで言えば、エンタメはそこに名作が数々ありますので、(エンタメに限っては)許容範囲かなと思うわけです。
それがダメってなると、忠臣蔵もダメだし、正義のヒーローも、マシンマンとレスキューポリスシリーズ以外はほぼ全員ダメになるわけです。
※そういう意味では最近のヒーローは人間から生み出されたエネルギーとか、最初から人間以外のモンスターとかそんな物を相手に戦ってますね(モンスターならいいのか?という問題もありますが)。
正義が正義側の都合でルールを作ってはいけない。
神がいなかったからといって、自分が神になりかわってなどと考えてはいけない。
なので、昔の名作「オリエント急行殺人事件」(アルバート・フィニー版)は、ハッピーエンドで終わるわけですが、今回のデビッド・スーシェ版は違います。
正義に対する捉え方が、今と昔では違うからなのか、視聴者の考え方が多様化してきたからなのか、犯人とポワロの対決が痛すぎます。
それはもう、観ててツライくらい、ポワロは悩み続け、犯人を断罪し、恫喝し、痛罵をあびせて、
五郎「あー、これ、結末変わるかも」
と、観てる私に思わせつつ…
ここから先は言えない。
すばらしかった。
犯人が、エゴっぽく見える部分があるのもまた、演出的にすばらしい。
こういう、骨太な作品が観たい。
※作品に敬意を表してポアロではなく、ポワロと書いております。
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