狭い世界を長所に変えた小説
朝井リョウさんの「桐島、部活やめるってよ」を読みました。
青春小説ですねえ。
J-POPの歌詞をそのまま小説にしたような感じでした。
ただ、青春小説でありながら、構成に工夫があって、読後もう一回読んでみようかなと思わせるのはさすが。
あらすじ【桐島、部活やめるってよ】
バレー部キャプテン桐島が、部を辞めるらしい。
それを聞いた数人の男女の、日常。
冒頭、二人の男子高校生が、「桐島やめたんだって」「え、ガチで?」と話をしている。夕暮れの自転車二人のり。
そこから章立てで主人公が変わっていき、桐島周辺の人間模様が少しずつあらわになっていく構成。
そうだ、この手法、ドラクエⅣだ(←ちと、たとえとして乱暴)。
ドラクエⅣから最終章を抜いた感じ。
だから、ものすごいネタバレしますが、桐島君は出てきません。笑うとニカッと音がするらしいですが(←こういう描写、嫌いじゃない)。
桐島君は出てこないけど、桐島君と同じバレー部で、代わりにレギュラーが取れた人、桐島君の彼女の友達、同じクラスの友人、かなり縁の遠い映画部部長の日常話などなど・・・たとえばオムライスという言葉をテーマに、短編集を集めてみました。って感じの群像小説でした。
映画部の男子に「レンズのふた落ちとったよ」と声をかける野球部男子の話が、
双方向に切なくて、好き。
若者文化をリアルに書いてる分、10年20年と経っていくと、古び方が尋常じゃないのかも・・・
先日感想を書いた将棋小説と、これと、今読んでいるのと、3冊いっぺんに購入して順に読んでいるのですが、
今読んでる「となり町戦争」が一番興味深い。
できればこのまま失速せずにラストまで行ってほしい。もうじき読み終わります。
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