千本ノック&サンドバックって感じ
今日の日記はまあ、あまり深く意味を追求せず、流し読みの方向でよろしくメカドック(古い)。
小説すばる12月号をゲットしました。
第24回小説すばる新人賞の受賞作の発表と、審査員5人の方の選評。編集部から選外の人たちへのアドバイスなどが載っておりました。
応募総数1,341で、最終選考に残ったのが3作品とのこと。
なんかの今後の参考になるかなと、考えつつ読んでみたんです。
まあ、結果として、頭文字Dの藤原君の助手席に乗った池谷先輩の気分を味わったわけですがw
締切が3月末で、審査日が9月中頃。
なるほど、千数百の内から「下読みさん」と呼ばれる人たちの選定があり、何割残るかわかりませんが、そこから編集部さんの熟考を経て、絞られて残った3本が「5人の審査員」といわれる方のところに届くのに半年くらい要するわけですね。
で、選評、読んでみたんですが、応募したひと、心折れるだろうなあ・・・
応募とか関係ない門外漢の私でも(うわ~)て思いますもん。
とくに、今回は5人の審査員の方々の間でも合意点がなかなか出せなかったようです。
以下超抄出(選評原文はもっと長大で厳しく優しい)ですが、
※ここまで書いておいて、選者と作品名を伏字にする意味なんて無いんですが、まあ、なんとなく。
阿○田高さん
A作品:結末が取ってつけた家族愛で、泰山鳴動して…の感がぬぐえない。
B作品:完成度高く、そつがない。しかし1作だけを選ぶということで、別作品を推した。惜しい。
受賞作:欠点が多く弱点もある。読みにくいところもある。が、他にない独自性を推す。しかし一層の研鑽をお願いしたい。
キビシー^^
五○寛之さん
A作品:キャラが立っていない。
B作品:文体、会話の呼吸、プロの水準。理解不能な部分がまったくない美点が仇になったか。
受賞作:破壊力を評価した。次作がどうなるかも楽しみ。
キ・キビシー^^
北○謙三さん
A作品:構成がちぐはぐに見えた。人物に情念も欲しい。
B作品:相当に高い完成度。私は「新人賞における完成度」をあまり評価しないがそれでも良作と思わせた。しかし2作受賞まで行けず涙を呑んだ。
受賞作:力業。私のようにその世界を詳しくない人間をも楽しませた力量を認める。弱点を排除して、次作に挑んで欲しい。
ハードボイルドな怖い人というイメージですが、なんか、他の選者より優しいイメージ。
ご存知!宮○み○きさん
A作品:複雑な筋書きを、懸命に追いかけた結末にしては肩透かし。
B作品:センスがいい、普通に読むならこれが一番面白い。しかし既視感の集大成のようで、遠慮なく言えば「優れたコラージュ」。独自性を出して欲しい。
受賞作:「今回は該当作無し」を一瞬考えたが、他の選者の論考を聞いているうちに見方が変わってきた。
おそらく、3作品どれもお気に入りではないご様子・・・さすがキビシイですねえ。
村○由佳さん
A作品:人の悪意の凄みが感じられないし、結末に興醒め。小説ではなく、壮大なあらすじ。
B作品:完成度は高いがすべてが平均点の枠内。破れてもいいから、大きなものをねじ伏せる作品を書いて欲しい。
受賞作:大きな構造的欠陥を持つ作品。書き手だけが見ることのできる世界を「どうだ」と我々の前に見せた才を買う。
一番キビシイーー!
抜き書きなのに、この5人の作家さんのハードパンチャーぶり(笑)
1,341本から選ばれた3本でもこの千本ノックぶり。壮絶。
でもしかし、書いてあることはなんか、いちいちごもっともで、目からウロコ落ちますね。
このタイミングでこういうのが読めるのは、ありがたいことです。色々とためになります。
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コメント
私は、こういう選評で(もちろん自分に対してのものではないですよ)あまりに書き方がひどいので嫌いになってしまった作家がいます^^;
いくらそういう世界とはいえ、小馬鹿にした感じが我慢できなくて、以後その作家の本は手に取ったことがないです。。。
本当キビシイですよね・・・。
投稿: かもねぎ | 2011年12月 6日 (火) 14時38分
こんばんはかもねぎさん!
厳しいですよねえ…ただ見方を変えると「何も行ってもらえない予選落ち作品群」よりは、何か次への手掛かりはもらえてイイのかなと…
キビシイですけどね^^;
受賞作は小説化されるので、いずれのうちには読めると思うのですが、惜敗の2作も非常に気になるところです。選評と照らし合わせて「あー、こういう部分には手厳しいのかー」等など確認してみたいところです。
あと、もうひとつ思ったのは1341本あって、上位3本がこの評価だと、あとの1338本はどんな感じだったんだろうかと。
とりあえず、選評読んでてキュッと身は締まりましたw
投稿: 早瀬五郎 | 2011年12月 6日 (火) 23時19分