ムカデブラリ
VS三大仙の後半戦はじまるよー~!
西遊記全100回中でも、44~46回は原作を読んで欲しいと切に願う、早瀬五郎なのでした。
多分、↓の記事より数百倍オモシロイです。目立ちませんが、実は3大仙よりも、国王こそがコメディリリーフです。
そして全100回中、唯一じゃないかってくらいの「三蔵が積極的にバトルに参加したがる話」です。
あーーーあと、前回も言わねばならなかったのですが、食事中の方や、気分がすぐれない方は今日の記事流し読みにした方がいいです(どんな注意だw)。
第四十六回
外道 下策を弄して正法を欺むくこと
心猿 聖性を現じて妖邪を滅ぼすこと
前回の雨降らしに感動した国王は、もはや三蔵一行を送り出す気マンマンですが、虎・鹿・羊の3大仙が許しません。
虎力大仙「三蔵殿は素晴らしい法力の持ち主と見た。ここは『雲梯顕聖(うんていけんせい)』で対決させて頂きたい」
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雲梯顕聖
テーブルを50個積上げ、手もハシゴも使わずに登ってその上で座禅を組む。精神が乱れるとテーブルが崩れ落下死は免れない。
~民明書房「僧侶とテーブルクロスと堺正章」より~
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間違っても顕聖二郎真君がTシャツ半ズボンで学校のグランド隅にある「うんてい」してるとこを想像してはいけません。
虎力大仙の挑発にめずらしく悟空はだんまり。
八戒「アニキ、なんで相手してやらねえんだ」
悟空「八戒、おれは『頭を砕く』とか、『内臓を取り出す』とかは全然平気なんだが、『ひとつところにじっとしてる』なんて、できると思うかこの俺に?この勝負は負ける」
三蔵「悟空、座禅なら私は3年くらい平気でできるが」
悟空「お師匠さんがこんな勝負に乗ってくるとはねwでも3年もやる必要はないですよ」
てことで、三蔵と虎力大仙はそれぞれ、積みあがった50のテーブルに座して(三蔵は悟空にそっと運んでもらって)座禅を開始。
このままでは本当に3年かかりそうだと、下で見ていて判断した鹿力大仙が、自分の毛を抜くと南京虫に変え、三蔵の頭部まで飛ばしてガブリ。
なんだかモゾモゾしはじめた三蔵の異変に気付いた悟空は姿を消したまま近づくと頭に南京虫。すばやく南京虫をひねり潰しながら、
悟空「ははあ、そういうことやってもOKなんだったら、こっちもやるよ」
と、悟空本人が30センチくらいの大ムカデに化け、虎力大仙の鼻の頭にぶら下がり、思い切りガブリ。
ギャアアーーーー!という絶叫の尾を引いて虎力大仙落下。
雲梯顕聖、三蔵の勝ち。
腹の虫が収まらない鹿力大仙、今度は、『隔板猜板(かくばんさいばい)』で勝負しようと。
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隔板猜板("かくばんさいばん"ではなく、"かくばんさいばい")
挑戦者と、巨大な箱の間に大きな板を立て、そちらを見ずにおいて箱の中に何が入っているのかを当てる遊戯。いわゆる「箱の中身はなんじゃろなゲーム」。つい最近までバラエティー番組などでよく見られた遊びだが、最近のバラエティー番組は、ネットで拾ってきた動画に、ひな段の芸人達が一言コメントするだけのものが大半で、鹿力大仙はおおいに嘆いている。バリエーションとして箱の中に手を入れて触って当てるゲームもあり、鹿力大仙はおそらくこれも得意なはずである。けして生ダコにさわって「ヒヤーwww」などと言ったりはしない。
~民明書房「鹿力大仙、バラエティー番組を語る」より~
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三蔵「悟空よ、私は透視の術も知らないし、カンも鈍いほうだぞ」
悟空「なに本気で当てようとしてるんですか。私が言った通りのことを言いなさい」
さて、ここに来て突然ノリノリの国王が、皇后から綺麗な衣装をもらってきて、箱の中にセット。悟空は羽虫になって箱の中に忍び込み、中で元に戻ると衣装をクシャクシャにして息を吹きかけオンボロマントに変え、ついでに放尿しておき、三蔵の耳元に羽虫で戻ってきて『小便くさいオンボロマントと言いなさい』と伝言。
鹿力大仙「皇后様の見るも鮮やかな御衣装です」
三蔵「いいえ、小便くさいオンボロマントです」
国王、カンカンに怒って、箱のふたに手をかけると、
国王「乞食坊主め、バカを言うな、見ろこれを!」
箱が開けられた!
国王「正解は皇后の、見るも・・・・・・小便くさい、オンボロマントでした・・・」
国王「ええい、次の問題です!」
それにしてもこの国王ノリノリである。
国王は、今度は庭でもぎたての桃を入れますが、桃食い王・悟空に箱の中で当然のように食われてしまいます。
鹿力大仙「お庭でもぎたての桃でございます」
三蔵「いいえ、食いたての桃のタネです」
国王「正解は、・・・・・・まさに食われたばかりとおぼしき桃のタネじゃ・・・」
鼻にデルモベート(むかで特効薬)を塗りながら復帰してきた虎力大仙が国王に耳うち。
虎力大仙「唐僧は中身を入れ替える術を使っている様子。しかしモノを入れ替えることは出来ても、人間は入れ替えられますまい。今度は私が子供の道士を入れて、自ら答えます」
いよいよ大仙側も、恥も外聞もかなぐりすてた自分で入れて自分で答えるマッチポンプ大作戦を展開。盗み聞きの悟空は箱の中に忍び込んで虎力大仙に化け、
虎力大仙(悟空)「おいお前、箱の中に入るときに、あの悟空に見られてしまったぞ。今からお前の頭を剃り、衣装も小坊主に変えてやるから『小坊主です』と言われたら箱を押し開けて出てくるのじゃ」
虎力大仙「子供の道士が入っておる。さあ、出てきなさい」
箱「・・・」
虎力大仙「子供の道士!どうした!道士よ!」
箱「・・・」
三蔵「いいえ、中にはお寺の小坊主が」
箱は即座に開き、中から適当な経を上げる小坊主が出てきて、三蔵チーム完全勝利。
国王はうすら怖くなり、さっさと出立させようとしますが、3大仙もねばります。
虎力大仙「首を切られても平気かどうかという勝負をしましょう」
もうヤケクソです。法力比べでもなんでもない。
悟空「やっと私の得意種目になってきましたね。まず私から行きましょう」
斬首台にて悟空は首切り役人に首を切り落とされ、生首はポーンとけり転がされます。
切り落としてポーンとけり転がすところがポイント。
首の無い悟空は血も出さずに、首の切り口から「首よ来い来い」と、生首召集。
虎力は土地神に念じ、悟空の首をガッチリロック。
首なし悟空はしばしジタバタしたあと首の切り口から「伸びよ!」と叫ぶと、新しい首が生えてきました。
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五郎疑問
落とされた頭と新しく生えた頭のタガは、どっちがホンモノ?また耳の如意棒はどっちがホンモノ?
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悟空「さあ、こんどは大仙の番ですぜ」
虎力大仙もさすがの剛の者です。首を切られてポーンとけり転がされて「首よ来い来い」のところまでは同じ流れ。
悟空は自分の毛を抜くと赤犬に変え放出。犬は「ワン!」と一声吼えて、虎力大仙の首をくわえたままどこかに行ってしまいました。
いくら呼んでも首は来ず、悟空のように頭を生やすことまでは出来なかった虎力大仙は、パッと血を噴き出して、首なし虎死体になって終了。
国王はもはや真っ青。すぐに三蔵一行を旅立たせようとしますが、鹿力大仙がウンと言いません。
鹿力大仙「こいつら兄者を虎の死体に変えて嬲り者にしおって、今度は私が『切腹しても大丈夫勝負』を挑みます」
悟空は勢い良く自分のおなかを切り開くと、手を突っ込んで内臓を全部出し、太陽にかざしてまんべんなくあぶってから、満足そうに元に戻しておなかを撫でると、はや切り口も無い。
鹿力大仙も同様に内蔵を取り出して、太陽にあぶろうと掲げたところ、餓えた鷹(ご存知、悟空の毛)が飛んできて、五臓六腑すべてつかんでどこかへ飛んで行ってしまいました。
残されたのは内臓の無い白鹿死体。もう我慢できない羊力大仙。
羊力大仙「煮えたぎった油釜に何秒浸かっていられるかの勝負をしましょう」
あー、今書いてて気付きました。基本、実写化を好みませんが、やるなら
虎力:肥後
鹿力:ジモン
羊力:上島
で実写化可能ですな。国王:桑マン、悟空:志村けん、悟浄八戒:タカ&トシ、三蔵:優香。
※敬称略
バカ殿様メンバーで行けますな。
話戻します。
悟空は煮えたぎる油釜に入ると、ジャブジャブと体を洗い、顔も洗ってさっぱりとした顔で出てきます。
そしてお次は羊力大仙。
羊力大仙「いいか、押すなよ?お前ら押すなよ?」
てなことは言いませんでしたが、やはり普通に煮えたぎる油釜に入ってます。不審に思った悟空がそっと釜に手を突っ込んでみると水のように冷たい。
悟空「さては龍王のうちのどいつかが、あの釜を冷やしてやがるな?」
龍王、大ピンチ!
悟空はやはり身代わりをそこに残し、空中に飛び上がると北海龍王(本日2度目)を呼び出し。
※熱いものを冷やすというので北海だと断定するあたり、悟空はやはり、頭いいですね。
悟空「~あまりに口汚く罵ってるので省略~だぞ、コノヤロウ!」
北海「たた大聖、どどどうか怒りをお静めになって。あれは羊力大仙が冷龍を作って釜に離して温度調節しております。私がどうこうしているわけではけして御座いません。しかし、呼ばれて来たからには始末をつけて参ります」
北海は、そういうと誰にも気付かれぬように、釜の中の冷龍を捕まえて、海へ帰っていきました。
さあ、困った羊力大仙、いきなり釜の温度が元に戻ってしまい
羊力「ア゙・ア゙ヂィ゙!ア゙ッヂィ゙!待゙っで!熱゙い゙!」
と、出川先生も恥じ入る素晴らしいリアクション芸を見せながら、必死で釜から出ようとしますが、釜は油でツルツル滑って出られません。
あんまり活躍しませんでしたが、羊力大仙は羊のから揚げになって死んでしまいました。
3大仙倒して、あともう少しなんだからこの46回に全部入れ込んでしまえばいいのに、解決編は次回47回です。
まあ、「暗愚だった国王も目が覚め、隠れてた500人の僧侶も呼び寄せて、万事解決で旅路に戻る」ってだけなんですけどね。
47回のメインである、霊感大王のお話はそれほど見所無いのでササーっと行きます。その直後に控えている、ドッカクジ大王こそが、オールスターキャストのバカ話です。
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