« ベネ | トップページ | シームレス »

2011年9月29日 (木)

その時、世界は暗黒の闇につつまれた

突然ですが、無理そうな漢字表示テスト。
1.妖孽
2.鼉龍
3.擒まる

どうでしょうか?2番とか無理っぽい。私の携帯では多分ムリ。

哪吒太子(ナタタイシ)はロ那吒太子で表現しないと、私の携帯はムリ。

Zm110929_01 4巻続きからでーす!

第三十二回
平頂山にて功曹 便りを伝うること
蓮花洞にて木母 災いに逢いしこと

でかくて平らな山、平頂山に来るや、三蔵一行はキコリに話しかけられます。
キコリ「悪いことは言わん、ここは通らないほうがいい。西に行く僧侶だけを選んで食らう魔物がいる」
悟空「なあに、私が成敗してみせますよ」
キコリ「あんたはイカレ坊主だな?ダメダメゼッタイダメ!」

さんざんキコリに脅されビビる三蔵をなだめ、さあ進もうというと先のキコリがもういない。
悟空が得意の火眼金睛で見渡すと、空のかなたにコッソリ逃げる日値功曹。悟空、雲で追走。

悟空「やい臆病幽霊!どうして正面きって言わない!キコリなんかに化けやがって!」
日値功曹「大聖かんべんしてくださいよ。ここの妖怪は本当にヤバイんです。ただ強い上に5つの宝を持っているんです。大聖が知恵をめぐらし、注意深く師匠をお守りするに留めてください。相手しようとか、少しでも気をぬくようなことがあったら天竺へは行けないものと思ってください」

日値功曹を叱り飛ばして帰らせたが、念のため慎重を期してものすごく嫌がる八戒を偵察に行かせる。

一方こちら噂の魔物、金角大王と銀角大王の巣食う蓮花洞。
金角「弟よ、どうやらここに唐から来た坊主一行が差し掛かったらしい。お前見回りにいってこい」
銀角「兄ちゃん、人間喰いたいなら俺がいくらでも捕まえてきてやるよ」
金角「そこらの人間といっしょにするな。俺たちが天界を出るときに聞いた話だが、あの唐僧は十世に渡り修行して(9回は悟浄が食べちゃったテヘ)しかも年齢=彼女イナイ暦らしいんだ」
銀角「そんなやつの肉を食えば俺たちも不老長生間違いなしだな!ようし子分どもと見回りに行ってくるぜ!」

(あ!十世にひとつ足りないとはいえ、悟浄は9回も食っておいて不老長生じゃないのかなあ・・・)

そして鉢合わせの八戒と銀角軍。
八戒「あ!」
銀角「ビンゴ!」

あわれ八戒は銀角軍に引きずられていきました。
 

第三十三回
外道 真の性に迷れること
元神 本の心を助けること

銀角「兄ちゃん!捕まえてきたぜ!」
金角「バカ銀!これは豚弟子のほうじゃねえか。白面のポッチャリ僧侶を捕まえてこないか!黒ポッチャリはいらねえんだよ」
八戒「兄さん方、人違いなら早めに釈放といこうや」
銀角「まあまあ兄ちゃん、こいつだって塩漬けにして裏庭に干しておけば、雨で狩りに出れない日の酒の肴にはなろうじゃねえか」
八戒「まいったなベーコン売り兄弟に捕まったらしい」

銀角は再び出かけ、今度こそ後詰の三蔵一行を発見。

慎重に一行を観察しますと、やはり馬の前にいるエテ公がかなりやっかいそう。
銀角「よし子分ども、お前らは一回洞窟へ帰れ。ここは力押しはやめよう」

子分を帰らせると銀角は老道士に化け、三蔵一行の目の前に。

ニセ道士「と、虎に襲われて、足を、足を怪我しました。どうか、家まで背負って送っていってくだされ」
三蔵「馬にお乗りなさい」
ニセ道士「内股をやられて、馬は無理です」
三蔵「じゃ悟浄、背中を貸してやりなさい」
ニセ道士「お坊様、虎に襲われさらに陰気くさいお坊様に背負われたのでは」

悟浄苦笑い。銀角は最初から悟空狙い。

悟空「はいはい、おいらが背負っていきますよ(このボンクラ妖怪、孫様の目がフシアナだとでも思っているのか)」

銀角を背負った悟空はわざとノロノロ歩き、三蔵たちと距離を取ります。銀角もそれは望むところ。
先を行く三蔵が見えなくなったあたりで悟空は銀角を谷底へポイ捨て。銀角は空中に留まり悟空の背中に「山移動の術」を使って須弥山を投下。
悟空がなんのなんのと担いでいるのを見て、今度は峨眉山投下。それでもまだ持ちこたえているので最後に脳天めがけて泰山を投下。

さすがの悟空も下敷き。

銀角はすかさず三蔵を追いかけて、空中から悟浄を左脇にかかえ、三蔵を右脇に掴み上げ、荷物を足先で引っ掛けると馬のタテガミをくわえて風に乗って蓮花洞へ。
(キッチンから料理皿、飯茶碗、湯のみ茶碗、漬物皿、きゅうすなどを一度に茶の間に持って行こうとしてる一人暮らし男のようですな)
銀角「兄ちゃん!唐僧、捕まえてきたぜ!」
金角「弟よ、お前は重大なミスをおかしている。一番手ごわい孫行者を捕まえてないのはなぜだ!御簾を巻き上げてた捲簾大将なんかいらないんだよ」

銀角「あいつは3つの山で押しつぶしたよ。念のため2つの宝『赤銅のひょうたん』と『琥珀の浄瓶』のどっちかで吸い込んだあと溶かしてトドメをさそう」

金角、銀角はふたりの子分精細鬼(せいさいき)、伶俐虫(れいりちゅう)を悟空の後始末に派遣。

三蔵、悟浄は先につかまってぶら下がっている八戒の横に仲良くぶら下げられしばし出番無し。

三蔵一行を影で見守る金頭掲諦は山につぶされた悟空を見て、この地方の山神、土地神と五方掲諦を呼び出して質問。
金頭掲諦「この山はお前たちがやったの?」
山、土、五「はい、そうです。魔物の妖術(ようするに要請)で」
金頭掲諦「この山の下敷きになってるの、誰か知ってる?」
山、土、五「いえ、存じませんが」
金頭掲諦「斉天大聖殿だよ、クズ妖怪の要請をうけてやったのか知らんけど、すぐ山取らないと100回くらい殺されちゃうよ。あの棒で軽くコツンで轢死体だよ」
山、土、五「あの・・・お言葉を返すようですが、多分、山を取っても我々は殺されるのでは?
金頭掲諦「ものすごく上手に謝りなさいよ。そこまで面倒見切れないよ。正直とばっちりはゴメンだよ」

3山の下敷き悟空前。
山、土、五「大聖様、山神、土地神、五方掲諦まかりこしました」
悟空「まかりこしたがどうしたってんだ」

山、土、五「す、すぐに山を取り払います。なにとぞ不敬の罪をお許しください」
悟空「山をどけるなら許してやろう」
山、土、五「(セェェェェェェーーフ!)」

山はもとの位置にもどり、悟空は無事脱出。

悟空「よし、3人とも頬げたをこっちに向けな。2回ずつ棒でぶっ叩くからな」
山、土、五「大聖様、約束が違いすぎますよ(号泣)」

山神、土地神も結局、金角・銀角にいいようにこき使われている様子。ワーワー言ってますと向こうからザコ妖怪2匹がやって来るのが見えたので、山神たちを帰らせ(セェェェェェェーーフ!)、悟空は道士に化け、待ち伏せ。

言葉巧みにザコ妖怪、精細鬼、伶俐虫と仲良くなり、2宝『ひょうたん』と『浄瓶』の話を聞くと、欲しくて欲しくてたまらない。後ろにまわした手で自分の尻の毛を一本ぬいて、大きなひょうたんに変えると、
悟空道士「人を飲むなど安いひょうたんだ。わしの天を飲むひょうたんと変えてやろう」
精細鬼「じゃあ試してみてくださいよ」
悟空、うつむいてまじないを唱えるふりで「ウニャムニャ・・・近くにいる貧乏神共、今すぐそっと来い」と日遊神、月遊神、五方掲諦(またボクですか・・・)を呼びだし「(いそいで天上界に行って天を隠す方法を考えろと伝えろ!ダメとでも言おうものなら今すぐに天界に乗り込む)」と無理押し伝言。

聞いた玉帝「あいつホントに食えんヤツ。天を飲むなどできるわけが無い」
ナタ太子「あ!思いつきました。北天門の真武君(蛇と亀を踏んづけてる神様)から黒旗を借りてきて、南天門で広げれば、地上は真っ暗闇になるはず」
玉帝「しょうがない・・・やるか・・・」

ナタはハタを取りに北天門。
真武君「いいですよ、黒旗取ってきますんで、蛇蔵君と亀山君を持っててください」
ナタ「ムリですよ、踏んづけたまま取りに行ってくださいませ」

・・・

悟空「むにゃむにゃアイツらまだかよむにゃむにゃ」
精細鬼「さすが天を飲むというだけあって、まじないが長ぇーな」
とそのとき、悟空は耳元に『デキマスヨ』のささやきを聞いて、ひょうたんを天へ投げ上げ。
それを合図にナタ太子黒旗掲揚。

世界は暗黒の闇につつまれた。

悪の組織ではなく、正義の組織の手によって。

精細鬼、伶俐虫大慌てで「まいりました。どうかこの2宝とお取替えください。あと、天を戻してください」

悟空、5宝のうちの2宝ゲットだぜ!

精細鬼、伶俐虫を見送った悟空はナタ太子に礼を言い置いて中空から再び精、伶の2匹を監視。というところで次回へ。

金角、銀角は2回に分けます。本当は子分のくだり、短くまとめたかったんですが、思いのほか面白くて^^
次回、第三十四回は、そこだけ読んでも「西遊記っていいなあ」と思える抱腹絶倒ジェットコースターストーリーです。

期待していいと思うんですよ。

| |

« ベネ | トップページ | シームレス »

読書班-西遊記」カテゴリの記事

コメント

まだ西遊記を読み始めて無いときには
「早瀬さん、どんだけ面白く話を盛ってくるんだよー」と思ってた訳なのですが

実際、西遊記を読み始めてみると
そんな事ない、本当に面白過ぎますね

しかし、読んだこと無いと「西遊記」ってなんだか敷居が高くてとっつき難そうなイメージがあります。

早瀬さんの記事で、面白そう、読んでみようと思う方が結構、いるような気がしますね

「西遊記」読んだ後、こちら記事を読むと
物語の世界がさらに楽しめるのもポイント高いですね

投稿: Moonface | 2011年9月30日 (金) 01時29分

Moonfaceさんありがとうございます。
まとめを書いてていつも悩むのは、
「どうやって話をふくらませようか」
ではなくて、
「どの部分を泣く泣く削らなきゃならないか」
であったりしますw
気持ちの上では全文掲載したいくらい。
八戒のセリフが常に面白いのは当然なのですが、悟浄もたまにピカピカに磨きこまれた最高のセリフを言ってたりして、しかもだいたい本筋に関係なくて、断腸の思いで切ってます。
Moonfaceさんの読まれた西遊記でカットされてた妖怪達の活躍にご期待ください。

投稿: 早瀬五郎 | 2011年9月30日 (金) 18時27分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: その時、世界は暗黒の闇につつまれた:

« ベネ | トップページ | シームレス »