コーフーカイがコーフー吹いた
西遊記全100回読んでまえシリーズ・・・手短にまとめるの、諦めつつあります。それでも頑張ってコンパクトに行きます。
本カテゴリーに関しては、完全に個人的な備忘録なので、ご興味ないかたには申し訳ないことですが、ご容赦ください。それでも全然興味ない人が見てもナニカの足しにはなるような、そんなまとめを目標に。
実写映画とかテレビとかは予算の問題で多くは期待できませんが、今やるなら観音菩薩は綾瀬はるかさんあたりにやって欲しい。悟空を罵るの上手そう。
てなわけで3巻。
第二十一回
護法伽藍 荘居を設けて大聖を留めること
霊吉菩薩 飛龍を投じて風魔を定めること
前回、八戒が虎先鋒を倒した勢いを得て、悟空は洞窟門にて黄風怪を呼び出す。例によってヤジり倒されて出てきた黄風怪と、最初は棒とサスマタでやり合うが、互角と見た黄風怪は悟空に向けてシーホースのバイアンばりのゴッドブレス!
この威力について4ページ説明がありますがこれは面白いんで少し抜粋。
その内容は・・・
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黄風怪の吹いた風の威力はすさまじく、
天地が変わり黄砂がめぐり、木々を倒して山を崩す
黄河は濁り、湘江の水も覆る
天界の斗牛宮が揺れ、森羅殿すら吹き倒れる
五百羅漢は右往左往、八大金剛わめきたて、
文殊菩薩の青ライオンが逃げて行き(あ!伏線?)
普賢菩薩の白ゾウも見つからない(え?伏線?)
真武大帝の亀と蛇は離れ離れ、
梓木童のラバは下鞍を飛ばす
太上老君は八卦炉どころじゃなく、寿星も扇子隠す
西王母は蟠桃会へ行く途中スカートがめくれ、
二郎真君は帰り道に迷子になり、
ナタ太子は剣を取りそこない、
托塔李天王は手の塔をなくし(←大ピンチ)
魯班はキリを落っことし、大雷音寺の柱も倒れる
雌雄はつがいを裂かれ、母子は離れ離れにされ、
龍王は夜叉が見つからず、十代闇王は判官を探し
牛頭は馬頭を追いかけ、
観音の持つ、観音経1巻は吹き飛んで
菩薩の12院も吹き倒した
盤古より今まで、多くの風が吹いたが、
こんなにヒドイ風が吹いたことはない
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・・・という、凶風の直撃を受けて、悟空は目の中に大量に砂が入り退散。
悟空、目が見えず手探りでよろけていると八戒と合流。
八戒「アニキ、杖をお探しで?」
悟空「この大食らいの役立たずのボケナスめ!俺様をアンマさん扱いしやがって!」
↑少し後の伏線です
八戒に手を引いてもらい、二人で眼科を探していると急に現れる一軒の荘院。
悟空「たのもう」
老人「どなたさんかな?」
八戒「取経の旅の一行だが、師匠を怪物に取られた。明日出直すにしても今夜の宿を借りれないか?」
悟空「ひどい風を吹かす妖怪で、目をやられた。目薬はあるかね?」
老人「あー、黄風怪ですな?あやつの『三昧神風』くらって、良くそれで済みましたな。さァこの三花九子膏を塗りなさい」
悟空は目に薬を塗って就寝。翌朝はやくも目が全快。
しかし老人はおろか家もない。枯れ草を寝床に八戒と二人野宿状態。
近くの木に貼られた書き付けをみると
書き付け《家も老人もすべてこの護法伽藍が化けた姿。目も治ったでしょう。大聖殿、元帥殿!怪物を下すのに躊躇なさるな》
悟空「手の込んだ助っ人しやがって、そんなに悟空様の目の前に素で出るのがイヤか」
西遊記にまったく興味の無い皆さんにも、そろそろ見えてきたかと思いますが、三蔵一行の前に老人が現れたら、それは間違いなく天界の神将の誰かです。
変装好きなんでしょうか。手の込んだ助け方をしてくれます。
さあいよいよ決戦の洞門前!悟空はハマダラ蚊に化けて潜り込むと、黄風怪と部下の会話を盗み聞き。
部下A「あの猿がまだ生きていて、神兵なぞ呼びにいったらどうされます?」
黄風怪「心配ない。ワシの吹く風を平定できるのは、この世の中でも霊吉菩薩だけよ、(゚∀゚)ハァハァ/lァ/lァ/ヽァ/ヽァ ノ \ア !」
悟空、(しめた!しかも今回はウザ観音じゃない!)とばかりに飛んで戻って八戒に黄風怪の弱点を話していると、
街道から朦朧とした枯れ木のような老人が・・・(ほぼ原文ママ)
フラフラの老人「霊吉菩薩様ならここから2千里。このくねくねした道をいきなさい」
悟空が道筋を確認し振り返ると、老人は影も形もなく、清らかな風に乗ってヒラヒラと落ちてきた紙切れに、四句の詩。
「大聖に教えたのはねえ
太白金星なんよー
須弥山に昔、飛龍杖があったんよー
今は霊吉っちゃんが持ってるんよー」
キント雲を飛ばして悟空は早くも霊吉菩薩の荘庵前にて、門番代わりの寺男に挨拶。
悟空「東土大唐、玉帝の御弟三蔵の弟子斉天大聖孫悟空行者と申す。お願いの儀あり、菩薩さまにお目どおりを」
寺男「長いよ行者さん、覚えきれんよ」
悟空「じゃあ『トウソウデシ・ゴクウ・キタ』と伝えろ」
中に通されて待っていると霊吉菩薩登場。
霊吉「いまお茶とブルボンルマンドを用意してますんで」
悟空「いや、茶を飲んでるヒマは無いんですわ、是非、お出ましいただいてご法力で黄風怪という妖怪を」
霊吉「チッあいつ一回フルボッコにした後、許してやったのに、懲りてないなあ・・・ところで大聖、ご飯食ってく?」
悟空「友達の家に遊びにきたときのカーチャンかよ!もう行こうよ」
霊吉「大聖、あいつは私を怖がっているので、私は気付かれんよう隠れているから、やつをおびき出されよ」
さあ、引き返してきて洞門前、悟空と黄風怪は数合やり合うが、黄風怪はやはり飛び下がってあの風を吹こうとする。
天界の将軍さんたち、何かにつかまってなさいよw
黄風怪が大口をあけたその刹那、霊吉菩薩が上空から飛龍杖を投げ落として呪文。杖はゴールドドラゴンに変化し黄風怪の頭をつかんで2、3度崖にぶち当てる。ヒデェwww
(八戒の「アニキ、杖をお探しで?」という軽口は多分ここへの伏線)
黄風怪はついにテン(いたちの一種)の正体現して気絶。
とどめをさそうとする悟空を押し止めて気絶テンを菩薩がもといた霊山へ連行。
三蔵も戻り、一件落着で次回へ
次回、とうとうサゴジョーです。
第二十二回
八戒 浪を踏み流沙河に戦うこと
木叉 法を奉じ沙悟浄を降すこと
いよいよ流沙河にやって来ました。
ちなみに余談ですが、五行で悟空は火、八戒は木、悟浄は土にあてはめられてます。
悟空が火にまつわるエピソードが多いのはこのためですし、サブタイで八戒のことを木母・木龍、悟浄のことを刀圭・二土・土母などと呼んでたりするのもこのためです。
同じ木でも木叉は恵岸。
なので、
木の文字を分解して十と八→だから八戒は十八回に登場しなければならず。
同じように悟浄は二土を分解して二十一回に出なければならないのですが、八戒の話で、編者がノリノリすぎて2回で書いてしまったため、次の話が押して悟浄は二十二回登場になってしまったそうです。
だだっ広い流沙河(河幅800里らしいです)に来た一行。
悟空・八戒は雲で飛んでいけるし、白馬だって龍に戻れば潜ろうが飛ぼうがお手の物。しかし人間のお師匠さんだけ、どうにもならない。
思案しているところ河から醜い青膨れ妖怪が出てきて、三蔵をさらって行こうとする。
この水怪、青黒い顔体、赤い髪、黄色の衣。配色は完璧なヒーローロボカラーですね。
慌てて悟空、八戒で防ぎとめるが、半分水中にいるこの妖怪に悟空、八戒ともに苦戦。
水中深く潜られるとなかなか手が出せない。
☆作戦その1
もとは水軍の指令長官だった八戒に、水怪をおびき出させ、上から悟空が棒で殴る
→悟空がフライング棒で逃げられ、八戒に「せっかち猿」と罵られる
☆作戦2
もっと水怪を岸まで上げておいて捕まえ脅して、三蔵を向こう岸へ送らせる
→さっきの強襲を恐れて、水怪はあまり水上まで出てこない。八戒もそろそろ疲れてきて不平が多い。
いい加減、策が尽きてきて困った状況なのですが、さすがの悟空もこの物語のからくりが、メタ理解できてきました。
「八戒、こりゃ取経の旅に与えられた試練のひとつだ。となればあの妖怪を静めて、河を渡れるようにしてくれるのは一人しかいない。ちょっと観音のところへ行ってくるぞ」
言うが早いか悟空は雲を飛ばして普陀山、紫竹林に到着。
二十四路の諸天がさっとさえぎり、
諸天「大聖殿なにゆえあってのお越しかな?」
悟空「いつものごとく師匠に難がふりかかって、困っておる」
諸天「そのままお待ちを。お呼びしてきます」
観音は捧珠龍女とふたりで宝蓮池にて欄干にもたれて花見中。知らせを聞き、ヤレヤレと悟空の前へ
観音「アンタまたきたの?」
これに対し悟空にしては珍しく真摯に流沙河で難儀していることを告げると
観音「このサルめが!取経の話をしなかったろう?」
観音は恵岸を呼びよせ、袖のなかからヒョウタンを出して、こまごま伝えて悟空もろとも送り出す。
多分このあとまた池に行って金魚にエサをやったりしたはず。
悟空&恵岸は、はや流沙河の前。
恵岸はヒョウタンもったまま水面で大喝。
恵岸「悟浄、取経の唐僧はここにおられるぞ!はや帰順せよ」
悟浄「こ、これは尊者様!ではこちらの方々が!」
悟浄は一転素直になり、恵岸からヒョウタンを受け取ると、ガイコツネックレスと合わせて法船を作り出します。
一行が船で河を渡ると、恵岸はヒョウタンを収め、南海へ帰宅。
晴れて、天竺への旅の一行が全員そろいました。ここがスタートラインです。
第二十三回
三蔵 根本を忘れぬこと
四聖 禅心を試みること
フルメンバー揃ってさあ旅を急ごうと思っていると、一軒の豪邸があり、寄ってみると未亡人宅。
未亡人「私は独り身、娘が3人。そしてお坊様方も4人、田畑は広く作物豊富、屋敷も豪華、取経の旅などやめて、ここで入り婿になってもらって面白おかしく暮らしてはいかが?」
三蔵「(∩゚д゚) アーアー 聞こえない」
悟空「( ´_ゝ`)フーンフーン」
悟浄「(・A・)イクナイ!イクナイ!! 」
八戒「(゚∀゚三゚∀゚)ホントニー!イイノー? 」
かくして未亡人家族の申し出をただ一人受け入れようとした八戒は、別室にて目隠しされ娘3人の「キャッキャウフフ」の声を聞きながら「鬼さんこちら、手のなるほうへ」状態。
悟空「お師匠さん、あの色ブタ置いてもう旅を急ぎましょうや」
三蔵「そうはいかん、あやつを説得して明日ここを発とう」
悟浄「八戒の兄貴が入り婿富豪になってくれりゃ、旅の路銀をはずんでくれそうなんだけどなあ」
翌朝・・・
枯れ草の上で目が覚める三蔵一行w
三蔵「悟空や、これはいったい」
悟空「さあ?今回はどこのどいつのイタズラかそれはともかく、ブタがどんな目にあってるか見に行きましょうや」
あわれ八戒は、林の奥で捕縛状態。
付近に書置き
《めったに山を降りない黎山老母が観音に誘われ、わざわざやって来ました。観音、普賢、文殊の3菩薩もさぞかし美人娘に見えたことでしょう。まじめに旅を続けなさいよ》
ドッキリボサツ作戦!大ー成ー功ー!
テッテレ~♪
なんというか、ドッキリの定番中の定番ですが、こんな昔からあったんですね。身を律しなさいよという教訓話でした。
林の奥で縛り上げられている八戒を助け出し、よこしまな心を捨てて天竺へ再出発。
観音ちゃんのニヤニヤ笑いが透けて見える内容でした。
次回、人参果の話が予想に反して長い!
しかも人参果の話が終わると白骨夫人を挟んであの黄袍怪!
いかんですな、人参果はサーッと行きましょう・・・いけるかな?
ちなみに人参果エピソードが第24回スタートなのには意味がありました。
冷静に全100回を見返していくと、こういう数字遊びもっとあるんだろうなぁ。直近では黄袍怪初登場が第28回とか。
次回で3巻全部終えられるか??
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コメント
そういえばそんなキャラいたな~、とか、あー確かにそんなセリフ言ってた!とか、このシリーズ楽しませてもらってます。無理に短くまとめなくても、もう、めいっぱい書いてもいいんじゃないでしょうか!
投稿: 夏侯 | 2011年9月13日 (火) 22時54分
私に西遊記全100回の面白さを教えてくれた夏侯さん今晩は。
そうですか!短くしなくても大丈夫ですかね?
……イヤイヤイヤイヤ、甘やかすと私は際限なくやっちゃいますので、はしょれるところははしょっていきたいと思います。
間違いなく太上老君の青牛が吸い付ける輪ッかで襲ってくるところは長くなりますからw
とりあえず、どうでもいい話のところは駆け足でいきます。
といってどうでもいい話を今、思いつかないんですが・・・
投稿: 早瀬五郎 | 2011年9月14日 (水) 00時19分