高反発まくら
宮部みゆきさんの「チヨ子」を読みました。
現代物の短編集ですが、ガチリアル物では無く、少し異界に入りかけのSF、ホラー、ファンタジーなどの作品集です。
とりあえず、宮部さんの作品はいつもそうですが、おもしろくてイッキです。
あらすじ【チヨ子】
・雪娘
雪の日に無くなった小学6年生の女の子。年月がたち、それぞれ大人になった主人公達の回想で女の子の死の真相が明らかになっていく。
・オモチャ
玩具屋の老主人が無くなって以降、商店街に起きる不思議な出来事。
・チヨ子
着ぐるみを着ての風船配りのアルバイトを引き受けさせられた女子大生が、着ぐるみののぞき穴から見た世界。
・いしまくら
公園の池に女子高生の死体が浮かぶ。犯人はすぐに捕まるが、女子高生の生前の行いにある事ない事噂を立てられて義憤に駆られた彼女の出身中学の女子中学生が、正義のためにルポをまとめようとするが。
・聖痕
神とは誰のことか?
神が現れると預言した預言者とは誰のことか?
出発点はものすごくありきたり(殺人事件がありきたりなわけは無いですが、SF作品としてはという意味で)な事件からはじまり、やがて予想外の展開に持っていくのは、さすがの宮部さんという感じで、「聖痕」などは後半の世界観の爆発的な転換ぶりは、寒気がするほどでした。
「雪娘」とか、「オモチャ」などは北欧民話のようで、しっとりとしてて読みやすく、読後の後味の悪さもありません。
「いしまくら」もシンプルな構造ですが、趣きがあってさわやかな読後。
宮部さんの小説は文章を書く上で、色々と勉強になります。
で、問題の表題作の「チヨ子」なんですが、
まさか、宮部みゆきさんの小説で、ガンダムやターボレンジャーの名前を目にするとは・・・
これが一番度肝を抜かれましたw
ちと思い立って「そのキャラが絶対に言わないセリフ」を言わせるテスト。
金田一耕助「ではそのときスケキヨ君はガンプラを造ってたとおっしゃるんですね?」
等々力警部「うむ、そうだね。ZZのクィンマンサで、素組みまでは出来ておったらしい」
ポアロ「そうですモナミ。wiiのコントローラーは一人の人間にしか握られてないのです」
ヘイス「ですがポアロ、ジョージ氏は慣れない3DSで3D酔いしたと言ってたはずでは?」
マープル「ねえバンドル、先週のヤンマガは頭文字D休載だったかしら?」
バンドル「いやあね、マープル、休載はプレボの彼女のカレラの方だわ」
まいどおふざけですみません^^
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コメント
ポアロとヘイスティングスが、絶対に言わない台詞を使いつつ、ちゃんと推理してるのに笑いました!
もし現代が舞台なら、こういう展開も普通にありえますよね。
マープルさんは現代にいても、漫画はせいぜい新聞の4コマしか読まなさそうですね^^;
投稿: かもねぎ | 2011年8月 2日 (火) 13時54分
かもねぎさんこんばんは!
ふたりのセリフしか無いんですが、すでにヘイスティングズはあさっての方向に行きかけてて、読者から「いやこの段階で3DSは無いって、wiiに絞らないと」とか言われてそうですよね。
マープルさんは、たしかにおっしゃるとおりですね。読売新聞その他を紅茶飲みながら熟読してて、「あらコボちゃんは今日休載ね」と言ってそうです^O^
そんなことを書いてて、20代トミー&タペンスの現代バージョン猛烈に読みたくなってきました。
タペンス「だからねトミー、わたしこっそりUSBメモリ抜いてきちゃった」
トミー「やれやれ。君に大手IT企業のログ管理というものをいちから教えなきゃならないなんてね」
クリスティさんご存命ならやってくれるはずです♪
投稿: 早瀬五郎 | 2011年8月 2日 (火) 19時43分