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2011年7月30日 (土)

最後の夢、はじまる

全百回の西遊記を読んで、まとめ記事にしようってのは実は長年の夢です。ブログはじめるまえからの。

ちなみに
「ファイアーエムブレム全員レベルMAX旅レポート」
「ファイナルファンンタジー黒魔法使い4人でクリアレポート」
このふたつも十数年来の夢。

この3つがかなったら、もういつブログやめてもいいくらい(いや、やめないですけどね)。

だからこれが最後の夢です(FE日記半分残ってますけど『やりたいテーマに着手』という意味ではこれが最後)。

結構何回も読んでるんですが、さすがに第三十八回ってどんな話?と急に振られると思い出せません。
なので、百回を手短にまとめて行きたいなと。

西遊記に興味ない人には全然面白くない日記ですので、ご注意ください。
これ読んで「西遊記って殆ど知らないけど読んでみようかな?」と思う人が現れたらハッピーです。

最初に言い切ってしまいますが、西遊記の登場人物で誰が好き?と言われたら、ソッコーで

沙悟浄

です。沙悟浄ってカッパですよね?って言われるとちょっとムカっと来ます。そう思っているのは日本人だけです。

次点が

二十八宿※(とくに奎木狼)

※28人の星の将軍
 
だから、まとめ日記といいつつ、それらのキャラが出てくると無駄に描写が厚くなる可能性もありますが、そのへんも生暖かく見守っていただければと。

逆に悟空なんかは私の中で全然順位が低いです。まだ3つの鈴を振るオオカミ妖怪賽太歳とか、虎力大仙、羊力大仙、鹿力大仙の3兄弟の方が好き。


そんなわけで、まず1巻目。
Zm110729

第一回
霊根を孕み源流が出ずること
心性を持し大道が生じること

石から産まれた石ざるは花果山水簾洞の猿の王になるが、不老長生を求める旅に出て須菩提祖師に弟子入り。何度読み返しても水簾洞の滝の構造が理解出来ないのは秘密。

第二回
妙理を悟り菩提を得たること
妖魔を断ち元神に合すること

祖師から名を貰い、仙術・きん斗雲・不老長生等を学ぶが増長から破門。故郷に帰るが混世魔王が暴れており、これを真っ二つ。

第三回
四海も千山も手を拱き伏すこと
冥界で十類の名を尽く除くこと

花果山の守りを固めたい悟空だが混世魔王から奪った刀がショボイ。老ザルの知恵で東海龍王から如意棒、北海龍王からクツ、西海龍王(こいつのせがれはいずれ三蔵一行の馬になる)から鎧、南海龍王から冠を強奪。四竜王内心ムカムカ
悟空は六大魔王(牛魔王含む)と義兄弟の契り。
ある日冥界に引き立てられ冥府十王から寿命ですよと通達されるが、十王を散々脅し付け閻魔帳に書かれた自分とその眷属の項を塗り潰して(二度目の不死ゲットだぜ!)無事生還。
これらの悪行はことごとく玉帝の耳に。玉帝は怒り、討伐を検討するが太白金星は懐柔策を思い付く。

第四回
弼馬の官など面白からぬこと
斉天の名にも満足できぬこと

天界に連れて来られた悟空は弼馬温の職を拝命し、天馬の世話を真面目にやるが、官位など無いに等しい木っ端役人と知り、大暴れの末、故郷に逃走。追っ手として以後、取教の旅のさい何かと世話になる「手のひらの上に塔を乗せた男・托塔李天王」とその三男「火輪車に乗った哪吒三太子」が迫る。托塔李天王の先峰の巨霊神をコテンパンにし、続く三太子と三頭六臂どうしの対決。押され気味の托塔李天王と哪吒三太子は玉帝に半ギブの相談。玉帝はやむを得ず、悟空が斉天大聖と名乗るのを許し、天界蟠桃園のそばに斉天大聖府まで作ってやるが・・・

第五回
大聖 蟠桃を乱し丹を偸ねること
諸神 天宮に反く怪を捉えること

西王母の言いつけで蟠桃園に蟠桃勝会用の桃を取りに来た七仙女だが、熟れた桃はあらかた桃園の管理をサボる悟空自身に食い尽くされていた。仙女から宴会情報を聞いた悟空はこっそり会場に忍び込み、準備中の料理、酒をガッツリ。千鳥足で兜率宮に迷い込み太上老君の作り置きの金丹をポリリズム。先の宴会場から酒瓶奪ってまた逃走。
もうガマンできない玉帝は、天界から托塔李天王、哪吒太子、九曜星官、二十八宿、十二元辰、六丁六甲、五方掲諦、四値功曹、東西斗星、南北二神、五岳四涜ほか全天の星官で花果山を包囲。待ったなし。

先鋒の九曜星たちは軽くヒネられ敗走
続く四大天王と二十八宿は午前8時から日暮れまで善戦。
双方痛み分けで翌朝へ。

第六回
観音 会に赴いて原因を問うこと
小聖 威を施して大聖を降すこと

話変わって観音菩薩。蟠桃勝会が開かれてないことを不審に思い、弟子の恵岸と玉帝のところへ。玉帝から窮状を聞いた観音は恵岸とともに陣中見舞い。
観音&恵岸は、営門で二十八宿の4人虚日鼠、昴日鶏、星日馬、房日兎すなわち四日禽星に取り次ぎの申し入れ。※昴日鶏(ぼうじつけい)はいつかまた、単独で出てクルヨ。この人ウスラとぼけてるけど本性現したら強いよー!
四日禽星から報告を受けた托塔李天王はすかさず恵岸を悟空の元へ。ちなみに恵岸は托塔李天王の2子。哪吒三太子の兄貴。
しかし期待させた恵岸は早めにギブ。「ぼく、参りました」など「それがし」だった一人称が「ボク」になってしまう腰くだけぶり。考えた観音は顕聖二郎真君を推薦。真君は悟空と互角。がっぷり四ツの様子を、武闘派じゃない天界の住人たちは雲の上から高みの見物。
 
観音菩薩「盛り上がってキタワァ・・・私、あの猿めがけてペットボトル投げつけようと思うんですが(ウソです甘露水の入った浄瓶です)
 
太上老君「それ割れちゃうともったいないんで、わしのゴールドアクセ投げつけてやりますよ」

ヤジ馬いや、太上老君が金鋼琢を投げ付け悟空の脳天に命中。
悟空よろけたところにジロー真君の犬が噛み付いてついにお縄。
犬コロ、強ェエのかよ!

第七回
八卦炉の中より大聖が逃れること
五行山の下にて心猿を鎮めること

天界に引っ立てられ、斬妖台に据えられた悟空を刀、斧、槍、剣、炎、雷でさんざん打ちすえても、かすり傷一つつかない。太上老君は八卦炉で四十九日焼き続け、「さてさすがの妖怪も灰燼に帰したか」とフタを少しあけた瞬間悟空は飛び出しざまに炉を蹴り壊し、ふたたび天界でおお暴れ。玉帝はついに釈迦如来に助けを求める。
ここから有名な流れ。
釈迦「お前は何ができる?」
悟空「俺様は何だってできる」
釈迦「では私の手のひらの上から(以下略)

釈迦により悟空は五行山に押し潰され、御札を貼られて封印された。

第八回
仏陀 経典を造り極楽を伝えること
観音 聖旨を奉じ長安に来たること

南瞻部洲の荒廃ぶりがヒドイ。
釈迦「ここにある三蔵の経があれば、平和なのになあ」
観音「じゃあ、私が今から長安の都まで行ってお坊さんをスカウトしてきます」
釈迦「ルートを正確に逆走でお願いします。ひとッ飛びで行かず、道のりの困難さを確認してください」
観音「了解です。恵岸、ついてらっしゃい」

観音&恵岸は多分道中いろんなものを見たんですが、読んでる人へのネタバレを恐れてウヤムヤとしたまま広大な河、流沙河に到着。
水中から青膨れの妖怪が現れた!恵岸と青膨れはしばし打ち合う。
青膨れ「あの上空にいるお方は?」
恵岸「アホかお前、あれが観音様だぞ」
青膨れ「へへーorz」
青膨れの水怪は実は捲簾大将という名の玉帝のお側役だったが(御簾(高貴な人の前に下がってるスダレのこと)を巻き上げる役だから捲簾大将。ほんとはもっと色んな仕事も同時にこなす高官)、蟠桃会の時、宝の器を割って天界からこの河に落とされ、ウィークリーで何百という剣が降ってきてわき腹を刺される(上空から振ってきてわき腹を突く剣の軌道を考えたら負け)。ひもじいので、ここで取教の坊主を襲って食べ、骨は河に捨てていたが9人の坊主だけは頭蓋骨が沈まないので、首からかけることにした(←ここ超重要)。
蟠桃会の時、器を割ったのは悟空が暴れた際のドサクサか、普通の蟠桃会の時ウッカリで割ったかは不明。マチャアキの西遊記では悟空大暴れのドサクサで割れてる(←原因は悟空w)。

諸説あるそうですが、取経の9人の坊主とは死ぬたびに転生する三蔵法師という説があります。長安をスタートしてこの流沙河まで来たものの、捲簾大将の成れの果て妖怪に殺され、転生してまた長安で生まれてからスタートという説。1回目から9回目までの三蔵にしてみれば、捲簾大将の成れの果て妖怪がラスボスですね。めでたく10回目の冒険でここを突破できたのは、多分10回目の冒険でやっと「不老不死の魔王にして妖怪ハンター」の悟空が加わったからなのだろうと思います。思うだけの個人的な推測です。
この西遊記という物語自体が10という数字に特別な意味を持たせたいようです。全10巻だし、1巻に収められる話も10回分だし。だから10回目の旅が成功の旅。いきなり最凶魔王が味方になり、龍王の息子(当然龍)が馬の代わりになり、読者代表のような八戒が入り、ここでラスボス沙悟浄が加わる。これで成功しないわけが無いという布陣です。

長くなったのでササッと行きますが、観音は妖怪に沙悟浄と名付け、取教の僧侶が来るまで待ちなさいと言い置いて次へ。
次に襲って来るのは豚のバケモノ。やはり恵岸に「コラッ」と言われて観音へ服従。トン怪も天蓬元帥という水軍の将だったが、エロ行為で罰を受け、魂だけ地上に投げ落とされた際、雌豚の口から体内に飛び込み、子豚として生まれてしまうという、ちょっと想像つかない下落ぶり。天界の将軍(それも結構高位)から子豚妖怪ですよ。エリートサラリーマンからニートどころじゃないですな。
やはり観音から猪悟能(のちに八戒というアダ名がつく)という名前をもらい、取教の僧侶待ち。

観音「そろそろシンドイんで空飛んで行きますか」
と言っていると、中空に龍がぶら下げられていて泣いている。
泣きの龍「西海龍王の息子なんですが、宝の玉を焼いてしまい、今処刑待ちなんです」
ひらめいた観音は玉帝のところへスッ飛んで行き、助命嘆願。許してもらった龍の子を鷹愁澗という河に放流し、取経の僧侶が来たら、馬に変じて共をするようにと。

ほぼスタート地点(あくまで観音菩薩ちゃんの距離感で)の五行山で、シュンとしてるあれから500年間生き埋め悟空をもうちょっと待ちなさいと諭して長安に到着。

第九回
袁守誠 算は妙なるも私心は無きこと
老龍王 計は拙にして天条を犯すこと

 
あのですね。

この第九回と、続く十回は、長安の太宗皇帝の身にふりかかる、死と再生の物語なんですが、西遊記と100%関係無い話なので割愛。
九回冒頭の漁師と猟師の掛け合いはラッパー対決みたいな感じで、当時の人達は楽しめたんでしょうね。
私は作業のように読みましたが。

第十回
二将軍 宮門にて鬼を鎮めること
唐太宗 地府より魂が還ること

同上。多分、全百回にこだわった編者が組み込めそうな他の伝承を入れ込んだ感が強いです。

 
第一巻は以上です。

短くまとめたかったんですが、やはり二郎真君が出る第六回と観音・恵岸コンビがルート逆走で長安へ行く「ある意味三蔵を除くレギュラー陣の顔見せ」第八回は長くならざるを得ないです。実はフルメンバーそろって旅にでるあたりからの方が中身は薄いと思われ。

次回2巻でいよいよ三蔵登場!!

ちなみに、PC上はともかく、私の骨董品のような古い機種の携帯では哪吒太子(なたたいし)の「なた」の漢字が表示されません。

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