被害者のいまわの際の一言が無ければ、犯人当てはもっと難航したと思われ
クリスティーさんのホロー荘の殺人読み終えました。ポアロ物なんですが、ポアロはほとんど添え物で、あまり活躍はしません。
どうなんでしょうこれ・・・犯人わかっちゃいました。クリスティーさんの小説を読みすぎた弊害かもしれません。犯人がバレたからといって面白さが減るわけではありませんので、そこに失望感は無いのですが・・・犯人がどうこう以前に、この小説は普通に読み物として面白いですよ。
なぜだろう?今まで読んできたクリスティーさんの小説の中でも上位に来る面白さだと思います。
あらすじ【ホロー荘の殺人】
ホロー荘のあるじ夫婦は週末に親戚、関係者を呼んでホームパーティーを行う。
参加者で医師のジョンはそこで昔の恋人ヴェロニカと偶然出会い、妻ガーダをそこに置いたまま、ヴェロニカを送って行った。
帰ってきたのは深夜。見守る人影。
翌日ただひとりプールサイドでくつろぎながら「昔の恋人との関係は清算できた」と確信していたジョンだが、
背後で撃鉄を上げる音に振り返る。
意外な表情のジョン。
銃声。
集まってくる人々の目には、瀕死のジョンと拳銃を握り締めた彼の妻ガーダの姿が。ジョンは「ヘンリエッタ・・・」と、現在の不倫相手の名をつぶやいて息を引き取る。そのヘンリエッタは放心のガーダに駆け寄り拳銃を取り上げ・・・
いつになくあらすじ長くなりました。これくらいは説明しておかないと、良さが伝わりにくいッス。
ポアロが一番悩むのは、犯人が知恵者なのか愚者なのか、判別つけにくいところ。
狡猾で何重にも策を講じている割には、大きなところでスッポリ抜けていたりと、捜査陣とポアロを悩ませます。
うーん、小説の流れで犯人がわかってしまいますね。読んでいてクリスティーさんより後に書かれているあの作家のあの作品やあの作品が思い浮かんで、そうなると犯人はおのずと絞られて。
岸辺露伴みたいに、「かつての自分の記憶を一時的にでも消す」といった能力があれば、どんな小説でもはじめての感動で楽しんで読めるんですけどねえ。多読の弱みと言えるでしょう。
何冊かストックがたまってますので、引き続きクリスティーさんの作品読んでいきます。
次は以前から長いタイトルが気になってた「なぜエヴァンズに頼まなかったのか?」を読んでいて、実はほぼ読み終わってるんですが、ここにきてまさかのメイドのグラディス祭りに出会おうとは・・・出てきたとか出てこないとかそんなチャチな問題じゃなく、祭りですよ今回は・・・
ところでホロー荘の殺人って、フランスで最近映画化されてますね。フランス用に名前など変えられてますが。日本公開は去年の夏とのこと。覚えてないなあ。
続きを読む以降は備忘録。
残り33本~♪
06:邪悪の家
09:三幕の殺人
12:メソポタミヤの殺人
14:もの言えぬ証人
15:ナイルに死す
28:鳩のなかの猫
29:複数の時計
30:第三の女
31:ハロウィーン・パーティ
33:カーテン
46:スリーピング・マーダー
50:運命の裏木戸
53:謎のクィン氏
55:死の猟犬
56:リスタデール卿の謎
60:ヘラクレスの冒険
61:愛の探偵たち
62:教会で死んだ男
68:蜘蛛の巣
70:海浜の午後
73:チムニーズ館の秘密
74:七つの時計
75:愛の旋律
77:未完の肖像
78:なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?
83:死が最後にやってくる
84:忘られぬ死
85:さあ、あなたの暮らしぶりを話して
88:バグダッドの秘密
89:娘は娘
90:死への旅
91:愛の重さ
96:フランクフルトへの乗客
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