さあ、お前の罪を数えなくていいから暮らしぶりを色々と話して聞かせろ
出張の移動中にクリスティーさんの「さあ、あなたの暮らしぶりを話して」を読みました。
「さあ!」てはじまるとどうしても「お前の罪を数えろ」と、仮面ライダーWを連想してしまうのですが、仮面ライダーWとは何も関係なく、アガサ・クリスティーさんが再婚相手である考古学者マックス・マローワンさんの発掘事業に付き合ったエジプト行の雑多なまとめ記録になります。そう、ミステリー小説でも無いんです。
あらすじ【さあ、あなたの暮らしぶりを話して】
タイトルの意味は「発掘調査で出土した当時の生活用品に『その当時の暮らしぶりを教えてください』とたずねるクリスティーさんの姿勢」
ビフテキってやっぱり死語かなあ・・・
読み始めるまでは正直『どうなんだ?』と思ってたんですが、一応私も「クリスティー作品・全読破の旅」のつもりでやってますので、そりゃ読まないわけにはいかないよねと、なかば捨て作業的に読み始めたわけですが、これが意外と面白い。
訳者の文体なのか、もともとのクリスティーさんの原文が面白いのか、かなり奇想天外なドタバタ紀行文です。
そもそも失礼ながらクリスティーさんが考古学に興味があるようには思えないじゃないですか。
ラブラブの年下彼氏の事業を、(多分)経済的に支援しながら、劣悪な発掘環境にも耐えて同行しているように見受けられます。
ただそのまとめが、不平不満の愚痴日記だったら読んでて面白いわけは無いのです。
ひどい寝所、ひどい食事、ひどい移動の車中、ひどい使用人たち、ひどい現地人発掘従事者たち、これらのエピソードひとつひとつの記述に愛が込められ、微笑ましいエピソード群として読ませます。
事実だけを列記していったら、結構ヒドイ内容ですw
ひどい環境に耐えつつ物事を進めていく様は、なんとなくポアロさんのエピソードにいくつか見受けられ、自身の経験の不満を多少なりともポアロさんに代弁してもらってるような気もしなくは無いですしね。
そしてまた、いうに及ばず「ナイルに死す」、「アクナーテン」、「メソポタミアの殺人」、「バグダッドの秘密」、あるいはパーカーパインの短編や、転地療養のマープルさんなど、あらゆる作品に自身の経験が生かされており、しょっちゅうエジプトに行っちゃうマックスさんとはベストカップルだったんだなあと感じます。
冒頭で、仮面ダイダーWとは関係無いて書きましたが、「地球の記憶」とか「発掘事業」とか、意外に共通点ありましたか。たまたまなんでしょうけど。
お次はポアロさんの「第三の女」行きます。「カーテン」を早く読みたいですし。
続きを読む以降の未読リストを上から読み上げてるとどうしても欽ちゃんの仮装大賞の合格者読み上げが脳内に勝手に入り込んでくる。
というわけで今回だけ仮装大賞風。
「さあ勝ち残った作品はごらんの30組」
6番、邪悪の家
12番、メソポタミヤの殺人
14番、もの言えぬ証人
15番、ナイルに死す
28番、鳩のなかの猫
29番、複数の時計
30番、第三の女
31番、ハロウィーン・パーティ
33番、カーテン
46番、スリーピング・マーダー
50番、運命の裏木戸
53番、謎のクィン氏
55番、死の猟犬
56番、リスタデール卿の謎
60番、ヘラクレスの冒険
61番、愛の探偵たち
62番、教会で死んだ男
68番、蜘蛛の巣
70番、海浜の午後
73番、チムニーズ館の秘密
74番、七つの時計
75番、愛の旋律
77番、未完の肖像
83番、死が最後にやってくる
84番、忘られぬ死
88番、バグダッドの秘密
89番、娘は娘
90番、死への旅
91番、愛の重さ
96番、フランクフルトへの乗客
欽ちゃん「各賞の発表です!」
蜘蛛の巣とか七つの時計、ハロウィーン・パーティーなんかは、仮装風景すら目に浮かんでくるw
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