大長編にがえもん
ナルニア国物語の4章「銀のいす」を連休中にとっくに読み終わっていたのですが、遊び呆けておりましたので、記事にするの忘れておりました。
これは、早く映画化して欲しい作品です。
あらすじ【銀のいす】
前回のお話で、航海王カスピアンのお供をして男を上げたユースチス・クラレンス・スクラブはイギリスに帰ってきてから退屈な暮らしをしていたが、前回冒頭のユースチス以上に性格のゆがんだ女の子ジルと共にまたしてもナルニアに迷いこんでしまう。今回の冒険は、カスピアン王の一人息子で絶賛行方不明中の「リリアン王子」を探し出すこと。メソメソしているジルと、案内役にネガティブが服を着て歩いている沼人「泥足にがえもん(原文ママ)」を加え、谷底へ一人転落していくユースチスの明日はどっちだ。
いやいや、意外に面白かったですよ。第1章からの4英雄がついにナルニアに来なくなり、3章から突然加わったユースチスが主役になるのですが、あらすじにも書きましたとおり、女の子ジルは常に「あれはやりたくない、これはできない、もう帰りたい」を連呼するダメ人間。前回のユースチスはスネ夫のイヤミ具合に出来杉の知性をあわせたような存在でしたが、今回参加のジルはスネ夫のイヤミ具合にのび太のメゴメゴした感じをミックスしたような、読者の共感ゼロの人物造形。地理に不慣れなふたりをいやいや案内するのがカエルを引き伸ばして筋張らせたような泥足にがえもん(和名もうちょっとどうにかなりませんか?)という人物で、この人が何かというとまず否定的な意見から入る人。
あの金髪の美少年カスピアンはすでにヨボヨボのじいさん。頼りになるはずのトランプキンも耳が遠い。ここ一番で武勇を示す英雄王ピーターはいない。毎回名調停ぶりを見せる正義王エドマンドも前回で引退。射掛けて仕損じなしのスーザンもおらず、アスランをかならず導いてこちらの勝利を確実にするルーシィもいない。
私がユースチスの立場だったら、投げて帰りたいw
旅の途中で出会う美しい謎の女性「緑の貴婦人」。
それに付き従う好戦的で独善的な金髪の騎士は、何者かに掛けられた呪いにより、日が落ちると狂人になって暴れだすらしい。だから夜はずっと銀の椅子に縛り付けられたままなのだ。
「君たちも、私の恐ろしい呪われた姿を見て欲しい。狂っているときの私はあらゆる甘言で戒めを解けと言うだろう、しかし絶対夜の私を解放してはいけない」
と懇願されるのだが銀の椅子に縛り付けられた騎士の口から出た驚愕の言葉は・・・
なんとなく、うすうす気付く展開ですが、一気に価値観が転換する、面白いギミックの物語です。
ラスボスがカワイラシイ美少女というのも、なかなか他に例が無くて、斬新。
銀のいすっていうタイトルはいいタイトルだと思います。ちょっと旅の部分が冗長ですが、トータルでは悪くない作品だと思います。
続けてナルニア5章「馬と少年」を読んでます。
なんとなくですが、大ヒットドラマのスピンオフ10作目!といった趣きの作品(さすがにもう広げようがないだろう的な)。
「少年と馬」じゃなくて「馬と少年」というのがミソですな。
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