パイン大作戦
クリスティーさんの短編集「黄色いアイリス」を読みました。
短編は良いテンポで事件の骨格が読めるところが小気味いいですね。トリック当てに特化して浸りたい場合は短編がオススメ。
長編になると、ほんと推理するの途中で忘れて一読者になっちゃいますから。
あらすじ【黄色いアイリス】
☆レガッタ・デーの事件
宝石盗難事件を『ひとりスパイ大作戦パーカー・パイン』が解決。物体の消失と見せかけた視点のスキをついた好トリック。
☆バグダッドの大櫃の謎
既読の「マン島の黄金」にも収録されてますし、やはり既読の「クリスマスプディングの冒険」に拡大版の「スペイン櫃の秘密」が収録されてますし。正直カブリすぎ。とりあえず今回はスルー。
☆あなたの庭はどんな庭?
毒殺の毒の出ドコロと犯行後の隠蔽術がキモ。しかし一般人にはなかなか初読であのトリックは見破れないでしょう?というクリスティさんのウスラ笑いが聞こえそうな、自信満々のタイトル命名作品。
ポアロ物なんですが、なんとなくマープルさんの方がお似合いな気が。
☆ポリェンサ海岸の事件
やった!
キタゼ!
これぞパーカー・パイン!読んでる途中で、来るぞ来るぞ!妖艶悪女のサラ嬢くるぞ!とワクワクできる傑作(ちと言い過ぎましたスミマセン。でも良い短編です)。
☆黄色いアイリス
ポアロ物ですが、確か別主人公で長編化されてるはず。長編のほうが味わいがあるはず。
☆ミス・マープルの思い出話
ほぼマープルさんのひとり語り。マープルさんの短編はもっとカタマリで見たい!
☆仄暗い鏡の中に
いいですね!世にも奇妙なクリスティー!
あと、JoJo4部のトンネルの中のような味わい。
途中でアレコレ考えずにオチまで一気に読むのが作法でしょうね。
☆船上の怪事件
ポアロさん、船嫌いなのに、よく船の中で事件に遭遇しますね。ナイルに死すを極度に単純化したような作品。トリックは江戸川コナン風。
コナン「真実はいつもひとつ!ヘイスティングズはいつもヒドイ!」
☆二度目のゴング
よくよく読んでみれば、前回読んだ「死人の鏡」の廉価版でした。
なんだか全体的に、いろんな中編~長編の縮小版を集めました的な1冊ですね。
『ポリェンサ海岸の事件』は良い拾い物でした。
『仄暗い鏡の中に』は面白い試みの作品。結局殺人は起きるの?起きないの?というところで引っ張る♪
『二度目のゴング』と聞いたおよそ100億人の人がほぼ全員「ボクシング物ですか?」と思いそうなタイトル名ですが、ボクシングのボの字も出て来ません。もちろんプロレスのプの字もです。
せめてタイトルを二度目の銅鑼にしてほしい。
ごもも~~ん
・・・ごもも~~~ん
『レガッタ・デーの事件』を読んであらためて一言。パーカーパインはひとりじゃダメだよ。パーカー・パインとその仲間たちで長編があったら、何を置いても読むんだけどなあ・・・
短編が続いたので、そろそろ長編が読みたいところ。
続きを読む以降は書店で私が確認するための備忘録。
未読タイトルに『バグダッドの秘密』というのがあるんですけど、バグダッドの大櫃の謎とスペイン櫃の秘密をあわせたような内容ってことは無いですよね?もう櫃の中にコキュ男の死体は結構です。
残り34本。
06:邪悪の家
09:三幕の殺人
12:メソポタミヤの殺人
14:もの言えぬ証人
15:ナイルに死す
22:ホロー荘の殺人
28:鳩のなかの猫
29:複数の時計
30:第三の女
31:ハロウィーン・パーティ
33:カーテン
46:スリーピング・マーダー
50:運命の裏木戸
53:謎のクィン氏
55:死の猟犬
56:リスタデール卿の謎
60:ヘラクレスの冒険
61:愛の探偵たち
62:教会で死んだ男
68:蜘蛛の巣
70:海浜の午後
73:チムニーズ館の秘密
74:七つの時計
75:愛の旋律
77:未完の肖像
78:なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?
83:死が最後にやってくる
84:忘られぬ死
85:さあ、あなたの暮らしぶりを話して
88:バグダッドの秘密
89:娘は娘
90:死への旅
91:愛の重さ
96:フランクフルトへの乗客
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