余談をはさまないことに定評のあるミスレモン
クリスティーさんの「クリスマスプディングの冒険」と東野さんの「聖女の救済」を読みました。東野さんのほうはカテゴリが変わりますので別日にでも記事にします。
クリスマスプディングの冒険の方は中編3本短編3本という内容で、ポアロ物5本にマープル1本という、なんだか他の短編集のワリを喰ったようなラインナップですが、味わい深い作品が集まったんではないかと思います。
あらすじ【クリスマスプディングの冒険】
1:クリスマスプディングの冒険
先に読んだ「マン島の黄金」中の「クリスマスの冒険」のパワーアップ版。別名水増し版。物語の内容、人物構成にほぼ変化は無い。あれ?これ読んだっけ?という既視感に襲われたい人にオススメ。
プディングを落としてダメにするメイドの名前がグラディスから変更になって残念。
2:スペイン櫃の秘密
やはり「マン島の黄金」中の「バグダッド大櫃の謎」のパワーアップ版。別名水増し版。
トリック、人物構成にまったく変化は無いがヘイスティングズが出てこないのが唯一残念。あの「いらんことしいのいらんこと言い」がいないと、ポアロ物がいかに寂しいものになるかを味わいたい人にオススメ。ヘイスティングズのかわりに有能な秘書ミスレモンがポアロの相棒になりますが、違和感のあるバディ物として面白い試み。
3:負け犬
タイトルがすべてを物語ってますが、なかなか他のポアロ作品ではお目にかかれない怪作。けっこう好きです。
1本目の表題作で降ろされたと思ってたグラディスがここに!
4:二十四羽の黒つぐみ
短編向きですねえ。トリックは小粒なんですが、それが露見する流れは綺麗。
5:夢
ピストル自殺の夢を見続けることに悩み、ポアロに相談を持ちかけていた因業ジジイが夢の通りにピストル自殺してしまう。
あらすじで書くと胸踊る内容のように見えますが、トリックは期待ほどでは無い。
6:グリーンショウ氏の阿房宮
いいですね。味わい深い作品です。ホームズのワトスン、ポアロのヘイスティングズにあたる、マープルの甥レイモンドが、珍しく活躍するお話。
短編なんで、やはりトリックに大きな期待はできない。
長編とくらべて短編集は自由度が高いですね。多少の無理設定も、「ん?」と思っている間に読み終わってしまうので、あまりストレスも感じないですし。
短編とか戯曲とかももっと読んでいこうっと。
冒頭にも書きましたように、ガリレオ先生の「聖女の救済」はまた改めて読書記事にします。個人的な感覚ですが「容疑者Xの献身」よりはこっちのほうが好き。
続いてブラックコーヒーを読みます。
残り38本。
06:邪悪の家
09:三幕の殺人
12:メソポタミヤの殺人
14:もの言えぬ証人
15:ナイルに死す
22:ホロー荘の殺人
28:鳩のなかの猫
29:複数の時計
30:第三の女
31:ハロウィーン・パーティ
33:カーテン
34:ブラック・コーヒー
46:スリーピング・マーダー
50:運命の裏木戸
53:謎のクィン氏
55:死の猟犬
56:リスタデール卿の謎
58:死人の鏡
59:黄色いアイリス
60:ヘラクレスの冒険
61:愛の探偵たち
62:教会で死んだ男
65:ブラック・コーヒー(戯曲版)
68:蜘蛛の巣
70:海浜の午後
73:チムニーズ館の秘密
74:七つの時計
75:愛の旋律
77:未完の肖像
78:なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?
83:死が最後にやってくる
84:忘られぬ死
85:さあ、あなたの暮らしぶりを話して
88:バグダッドの秘密
89:娘は娘
90:死への旅
91:愛の重さ
96:フランクフルトへの乗客
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