我ながら季節はずれな時に読んだものです
クリスティーさんのポアロのクリスマスを読みました。オーソドックスな登場人物構成に、わかりやすい順番の尋問。非常に読みやすい作品です。それだけに真犯人の正体はクリスティー作品中でもトップクラスの反則ぶりでした。
わかんなかったーーー。
あらすじ【ポアロのクリスマス】
金持ちの老人が死んだ。現場は完全な密室。部屋の中で激しい格闘の様子と老人の断末魔の叫び声。即座に駆けつける家族が厳重な扉を破壊して中で見たのは、おびただしい血の海で横死する老人。叫び声から1分としないうちに、家族全員が駆けつけたにも関わらず、犯人は完全密室から煙のように消え、金庫の中のダイヤモンドもすべて持ち去られていた。
そもそも犯人は、身体的に弱っていた老人となぜそこまで格闘しなければならなかったか?ダイヤモンドはどこに隠したか?
おかしいなあ。なんでこんな奇想天外な傑作が、あまり人々の噂になってないんだろう?
・お金持ってるけどあまり家族に好かれてなかった老人
・老父に従順で神経質な長男+まじめな妻
・金が欲しい政治家次男+金が欲しい若妻
・家に寄り付きたくない芸術家三男+押し出しの強い妻
・放蕩息子で独り身の四男
・老人の昔の友人の子供
・老人の一番末の娘の娘(孫)
まさかねえ、こういうクリスティー作品ではオーソドックスな登場人物の配置で犯人がアノ人とはねえ・・・
思わず最初から読み返してしまいました。
ええ、確かに伏線が張ってありましたよ。
でもこれは反則でしょうwww
『どれ、ひとつ私も今からミステリー小説を読もうかな』と思っている人は読まないほうがいいです。
この犯人はトラウマになる。
ところで我らがアイドル『メイドのグラディス』ですが、ついに女中頭に昇格。
次男はジョージ、召使はグラディス。徐々に鉄板になりつつあります。
参考までに『反則だなあと思う(が、キライではない)クリスティ作品ベスト3』
1位『終わりなき夜に生まれつく』
2位『アクロイド殺し』
3位『ポアロのクリスマス』
アクロイド殺しと本作ポアロのクリスマスは共に○○や□□が犯人という反則で、とくにアクロイド殺しは全世界を巻き込んで論争中です。
しかし個人的意見を言わせてもらうとこの2作にはポアロがいるんですよ。最終的に犯人に向かって「あなたが犯人ですね」というのはポアロ。
そういう意味で、
ポアロも登場せず、終始マイケルの独白で語られる『終わりなき夜に生まれつく』は反則中の反則で、それでもなお大好きな作品なんですよ。
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