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2010年5月 7日 (金)

続・ギリシャ神話の快足の美女アタランテ

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クリスティーさんの「ゴルフ場殺人事件」をGW東京旅行の帰りの新幹線で読みました。
「アガサ・クリスティー前期型の傑作」だと思います。
なんでこの傑作があまり知られてないのかが不思議です。
(私が知らなかっただけ??)
ちなみに作中にゴルフ的な描写はいっさい出て来ません。
「なぜA氏はあの6番ホールでアイアンを使わなかったのか・・・そうか!」
みたいな展開は無いです。

あらすじ【ゴルフ場殺人事件】
ポアロはフランスに住む富豪ルノー氏から「命を狙われている。助けて欲しい」という手紙をもらって駆けつけるが、一足遅く、ルノー氏はゴルフ場建設予定地で刺殺されていた。ご丁寧に墓穴まで掘られて遺体を打ち捨てる念の入り様だ。妻の証言によると、ふたり組みの男が押し入り、自分を固く縛り上げたあと、夫は連れ去られた。と言い、遺体になってしまった夫を見て信じられないといった表情で気絶する。
秘書(イケメン)は夫婦仲は良かったと証言するが、

妻「夫は隣の家の未亡人と不倫していた」
秘書「ルノー氏は隣の家の未亡人に恐喝されていた。不倫の関係などとんでもない」
ルノー氏の息子「隣の家の未亡人の娘との交際を認めてもらえず、父とは大喧嘩の最中だった」

パリ警察のジロー刑事に勝手にライバル視されながら、ポアロはありえなかった事件の全体像を解き明かす。

面白かったですね。心理的推理を認めない超現実主義のジロー刑事のキャラは好きです。他作品には出ないのかな?

☆富豪はなぜ連れ去られたのに近所のゴルフ場で殺されていたか?
☆犯人はなぜ時間も無いのに手間のかかる墓穴まで用意したか?
☆隣の未亡人はなぜ人によって印象が変わるのか?
☆隣の未亡人も数年前にふたり組みの男に夫を殺されているが同一犯か?
☆ヘイスティングズはなぜ「やっちゃいけないこと」を次々やるか?
☆ヘイスティングズはどうしてこうも惚れっぽいのか?バカなのか?
☆被害者は本当に被害者で、加害者は本当に加害者か?

といった要素が惜しみなくつぎ込まれて、読み始めたら途中で止められません。
ヘイスティングズはダメ人間ですねえ。
ちなみに隣の家の未亡人の娘は・・・
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おかしいなあ。ゴルフ場殺人事件はクリスティーさんの初期の作品で、杉の柩は結構あとに書かれたもので、それらをひっくるめてランダムで買いあさっているのに、なぜ快足の美女アタランテがカブってしまったのか?
信じてもらえないかもしれませんが、偶然です。
もしかしてクリスティー劇団に「快足の美女アタランテ枠」を新設しなきゃならないほど今後出てきますかこの描写?

読書班超快調につき、引き続き「春にして君を離れ」「青列車の秘密」を読みます。

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