犯人はこの中にいません!
クリスティーさんの「NかMか」を読みました・・・随分前に。
トミー&タペンスはやはり良い。なんとなく、60年代のシットコムって雰囲気が、自分の琴線を刺激しまくります。
厳密に言うとミステリー小説ではなく、冒険スパイ物という趣きです。
殺人事件が起きて犯人はこの中の誰?
というのではなく、
敵国のスパイがこの集団の中に紛れ込んでいる。それは誰?
という物語です。
あらすじNかMか
年代は第二次世界大戦真っ最中。かつては組織に属して夫婦で諜報活動をしていたトミーとタペンスも今や40代後半。子供達もトウに独立し、職探しに明け暮れる退屈な毎日。そこへかつての上司の同輩から諜報活動の依頼が入る。
イギリス内部にドイツのスパイが潜入し、自国の情報を漏洩している。そのスパイ2名を暴き出さねばならない。
凄腕スパイN(男性スパイ)とM(女性スパイ)はとある別荘に潜伏中とのこと、トミーもタペンスも身分を偽って潜入するが、そこはスパイという言葉とはあまりにも距離感のあるたいくつな別荘で、住人もありきたりな人達ばかりだった・・・
時間的にはこの後の作品になる「親指のうずき」では、敵陣のド真ん中で真相にたどり着いたタペンスが後ろから何者かに殴り倒されて場面転換!というのが、盛り上がりポイントでしたが、今作で敵スパイの正体に最初にたどり着くのはトミーのほうでした。
とある人物の部屋で敵国スパイとしか思えない通信機器を発見
↓
振り返るとそこには今までの温厚な表情とはガラリと変わったその人物
↓
徹底した愚者を装い、苦しい言い訳をして辞去するトミー
↓
距離的にも時間的にも危機を脱してほっとしたトミーは後頭部に重い一撃をくらって昏倒
読んでて手に汗握ります。
五郎「ウワー!やっぱり誤魔化せてない!敵スパイ怖ェー!」
トミーとタペンス以上に私がその活躍を期待しているアルバート(初登場時15歳)も家庭持ちのオッサンになってますが活躍ぶりが衰えるどころか冴えまくってます。
トミー&タペンスシリーズは10本くらいあってもいいのになあ・・・
続けてポアロさんの「満潮に乗って」を読みます。
続きを読む以降は備忘録
_
※ナンバリングはハヤカワ・クリスティー文庫に準拠
☆:読んだ ★:昔読んだ 無星:読んでない
01:スタイルズ荘の怪事件:☆
02:ゴルフ場殺人事件
03:アクロイド殺し:★
04:ビッグ4:★
05:青列車の秘密
06:邪悪の家
07:エッジウェア卿の死
08:オリエント急行の殺人:☆
09:三幕の殺人
10:雲をつかむ死
11:ABC殺人事件:☆
12:メソポタミヤの殺人
13:ひらいたトランプ:☆
14:もの言えぬ証人
15:ナイルに死す:★
16:死との約束
17:ポアロのクリスマス
18:杉の柩
19:愛国殺人:☆
20:白昼の悪魔:☆
21:五匹の子豚:☆
22:ホロー荘の殺人
23:満潮に乗って
24:マギンディ夫人は死んだ:☆
25:葬儀を終えて:☆
26:ヒッコリー・ロードの殺人
27:死者のあやまち:★
28:鳩のなかの猫
29:複数の時計
30:第三の女
31:ハロウィーン・パーティ
32:象は忘れない
33:カーテン
34:ブラック・コーヒー
35:牧師館の殺人
36:書斎の死体:☆
37:動く指☆
38:予告殺人:☆
39:魔術の殺人:☆
40:ポケットにライ麦を:☆
41:パディントン発4時50分:☆
42:鏡は横にひび割れて:☆
43:カリブ海の秘密:☆
44:バートラム・ホテルにて:☆
45:復讐の女神
46:スリーピング・マーダー
47:秘密機関
48:NかMか:☆
49:親指のうずき:☆
50:運命の裏木戸
51:ポアロ登場
52:おしどり探偵:☆
53:謎のクィン氏
54:火曜クラブ:☆
55:死の猟犬
56:リスタデール卿の謎
57:パーカー・パイン登場
58:死人の鏡
59:黄色いアイリス
60:ヘラクレスの冒険
61:愛の探偵たち
62:教会で死んだ男
63:クリスマス・プディングの冒険
64:マン島の黄金
65:ブラック・コーヒー(戯曲版)
66:ねずみとり
67:検察側の証人
68:蜘蛛の巣
69:招かれざる客
70:海浜の午後
71:アクナーテン
72:茶色の服の男
73:チムニーズ館の秘密
74:七つの時計
75:愛の旋律
76:シタフォードの秘密:☆
77:未完の肖像
78:なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?
79:殺人は容易だ:☆
80:そして誰もいなくなった:☆
81:春にして君を離れ
82:ゼロ時間へ
83:死が最後にやってくる
84:忘られぬ死
85:さあ、あなたの暮らしぶりを話して
86:暗い抱擁:☆
87:ねじれた家:☆
88:バグダッドの秘密
89:娘は娘
90:死への旅
91:愛の重さ
92:無実はさいなむ
93:蒼ざめた馬
94:ベツレヘムの星
95:終わりなき夜に生れつく:☆
96:フランクフルトへの乗客
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