名探偵ルーシー・アイルズ「バーロー」
・・・今日の時点で、バーローでグーグル検索すると高山みなみさんのwikiが3番目でした。しかもwikiの説明文中にバーローなんて出てこないのに・・・かつて書かれてて、今は削除されてるんでしょうか?不思議です。
探偵といえば「フィリップ・バーロウ」というのもいますねゲフンゲフン。
どうでもいい前置きですみません。
クリスティーさんの「パディントン発4時50分」を読みました。
マープル物なんですが、驚くなかれ、
今回は冒険小説です。
・・・冒険小説は少し言いすぎました。でも、今回のマープルさんは、いつもの村を出て、敵地に乗り込んで事件を解決します。美人メイドをリモートコントロールしながら。
※今回も、ほんの少しもネタバレダメナノヨという方は以下読まないでください。「ちょっとくらいならネタバレもいいじゃない、御菓子を食べればいいじゃない」という方のみお読みください。
あらすじ【パディントン発4時50分】
マギリカディ夫人はパディントン発4時50分の列車の窓から、並走する列車内の個室で男がこちらに背を向けて女性を絞殺している現場を目撃する。夫人は車掌にも警察にも問い合わせるが、それらしい死体は発見されない。死体は動く列車内から意外な場所へ移されており、マギリカディ夫人の友人マープルはそれを追いかけるため、有能な若いメイド「ルーシー・アイルズバロウ」を雇い、とある屋敷に潜入させる。
いいですね。あらすじが支離滅裂ですねw
・冒頭の並走する列車内の殺人目撃
↓
・後ろ姿の犯人は高身長・黒髪
↓
・列車沿線にふとある屋敷
↓
・屋敷の当主は金持ち因業親父
↓
・後ろ姿で登場する高身長・黒髪の息子3人!
↓
・問題の屋敷から雇用依頼が来るまで粘り強く他を断り続け採用を決めるルーシー
↓
・潜入したルーシーはやがて敷地内の納屋の石棺のフタを空け・・・
もう、怒濤のごときスペクタクルです。隠すほどのギミックでは無いので、バラしてしまいますが、犯人は列車から死体を投げ捨ててます。
何度か自分も同じ車両に乗り、付近の地図を眺めて
「この屋敷周辺に死体を遺棄、当然屋敷に出入りできる人物が犯人」
と序盤で仮定していくマープルさんの冴え渡る推理。
金持ち当主もクリスティー劇団の伝統的な因業ジジィでいっさいブレがありません。
息子3人+妹婿も「放蕩絵描き」、「神経質な金融界の大物」、「半分裏社会にいる優男」、「夢想家の退役軍人」とオールスターキャストのわかりやすいラインナップ。
そんなおいしい登場人物オンパレードの中、遠隔地にいるマープルさんの期待通りの任務を遂行しつつ、メイドの仕事も120%の出来栄えでこなすルーシーが、魅力にあふれていて素晴らしい。
唯一、惜しいなと思うのは、「犯人の動機が軽い」ということです。
悪くないんですけどね・・・長々読み続けてきて、いよいよのところで明かされる真相というのはそれなりにカタルシスが欲しいわけです。
これは私個人がフーダニット(誰が殺しえたか)よりホワイダニット(なぜ殺さなければならなかったか)が好きだからなのかもしれません。
続いて「魔術の殺人」を読みます。
マープルの1ダースコンプリートまであとわずか!
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