あふれる型おもい
週末に向け、スパイメガトロン造形の下準備です。
先日私はオーバーフロー方式などとサラーと書きましたが、
この絵だけでは何のことやら造形関係以外の人には伝わりにくいと思いますのでフォロー記事。
※造形に造詣の深い方々にとっては退屈な記事であろうと思いますがサラリと流し読みしてください。
ヘルメットやガンプラのバーニアといった「お椀型」のパーツを複製するのに、伏せたお椀状態に対して型を左右あわせにすると完成後型が外せなくなります。そのためのオーバーフロー(あふれさせ)方式なのですが、文章で説明するのは難しいので、大半を絵で説明致します。
まず原型であるお椀を伏せるまえに空洞部分に粘土を詰め込んでおきます。でスチレンボードに垂直に立つように固定。粘土と原型の境目がパーティングラインになりますので、なるべくエッジ部分で粘土をならすのがいいです。
まわりにスチレンボードの板を立て、シリコンを何度かにわけて流し込みます。
1層目は原型に直接触れるので、気泡に注意しながら慎重に流します。
貧乏性なので、2層目でシリコンクズの細切れを混ぜた「かさ増し」シリコンを流します。
1層目ですが、筆でシリコンを塗りつけると、わりと気泡を逃がすことが出来ます。筆はラッカー系の薄め液で洗浄できますが、筆寿命は短くなりますね。
無事、流し終え、固まりました。
枠をはがし、180度ひっくり返して原型の土台になっていたスチレンボードも取り外します。
最初に詰め込んだ粘土もほじくり出します。ウッカリ原型をはがしてしまわないよう、注意が必要です。
てっぺんの段差ぎりぎりにスチレンボードを小さな枠として立てていきます。
両面テープなどで貼っておけば、あとではがすのが楽です。
とにかく私の工作は適当です・・・
シリコン流しましょう。流す前に剥離剤を塗っておかないと、シリコンにシリコンを流していくので、2度とはがせないほど結着してしまいます。上記写真のごとく、いつも私はラッカーの銀を塗ります。
シリコンはさほど流動性が無いので、適当な枠でもそんなには漏れたりしません。
固まりました。
このでっぱりが無いと、上型を引き抜いたり押し込んだりするとき、掴む場所がなくてえらい苦労することになると思います。
上型をはがします。原型もこの時点で不要になりますので、はずします。
原型をはずしてみて、シリコン側に壊滅的な気泡やシリコン抜けがあったら、残念ながら最初からやりなおしです。
シリコンはとにかく1層目が命です。
銀の塗料のせいで、見た目は汚いのですが、きれいにはがれます。
予断ですが、シリコンをペリペリッてはいでいる感触はけっこうハマリます。
まっっったく造形趣味のない嫁さんにまで「ペリッてやらせて~」とせがまれるほどの感触。怪人20面相が変装をはがすときってあんな感じでしょうか?
いよいよ注型。
下図ほどなみなみとそそぐ必要もないですが、抜けができるとすべてがパーになるので、余裕持ってそそいでおきます。
そしてフタ!!!
あふれるし、熱も持ってますので気をつけましょう。
そして・・・
ヘルメット、いい感じ。
パーティングラインの位置も悪くない。
かぶってみましたメガトロン。
手作業じゃここまで同じもの作れませんね。
スター「今日からオレ様が・・・
サンダー「てめえは黙ってな!」
いいですねえ。
これはいいですよ。どんどん複製していきましょ。
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コメント
コンバンハ
イラストをみて気が付きました。
なみなみと注いであふれてるのは
キャストですよね??
ひとつ質問なのですが
一連の作業は専用の小部屋かなにかで籠って
されてるのでしょうか?
普通に
居間とかで作業すると
年中、心地よい気分になっちゃいますよね?
投稿: Moonface | 2009年9月11日 (金) 00時48分
>キャストですよね
オオ!Moonfaceさんありがとうございます。
修正させていただきました!
シリコンの話をえんえんしておりましたので、そのままの流れで「あふれるシリコン」などとエライ嘘を書いておりました。さすが深夜脳。
けして、へんな空気を吸い込んだわけではありません(滝汗)。
そう、作業場は結構重要ですよ。
実は我が家には子供立ち入り禁止の倉庫のような母屋のようなバラックのような作業場のような夏は暖房、冬は冷房(死ぬww)といったテイの場所がありまして、いつもそこで作業しております。
パテ盛ったりプラ板削ったりは居間でやるときもあるんですが、シリコンとキャストだけはちょっと怖いので生活空間ではできないんですよねー。
Moonfaceさんも作業する場所には充分ご注意ください。
投稿: 早瀬五郎 | 2009年9月11日 (金) 01時07分