ベストテンに入るか?
やはり1日で読んじゃいました・・・
クリスティーさんの「5匹の子豚」。
今日仕事だというのに、3時頃まで読んじゃった・・・
今日は早く寝ます。
あらすじ【5匹の子豚】
16年前、画家アミアスが創作活動中、ビールに混入された毒で殺される。
ビールを運んだ妻カロリンは捕らえられ、裁判で有罪判決を受け獄死。
当時5歳だった夫妻の娘は21歳に成長し、「私は無実」という母の遺言をたずさえて、ポアロに再調査を依頼。
ポアロは当時の関係者5人を訪ね、誰もがカロリンの有罪を信じて疑わなかった事件の真犯人にたどりつく。
ちなみに「5匹の子豚」というのはまたしてもマザーグースの中の歌らしいですが、日本人の私にはなじみがありません。
この子豚はマーケットへ行った
この子豚は家にいた
この子豚はロースト・ビーフを食べた
この子豚は何も持っていなかった
この子豚はウィーウィーと鳴く
と、子供を寝かしつけるときに歌うらしいです。
すでにお気づきのことと思いますが、上記の当事者5人というのが、それぞれの子豚に例えられています。
「見立て殺人」ではなく「見立て容疑者」ですね。
この子豚はマーケットへ行った
→画家の親友フィリップは株式市場(マーケット)で財を成し
この子豚は家にいた
→フィリップの兄メレディスは当時も今も室にこもって草花(毒草含む)の研究をし
この子豚はロースト・ビーフを食べた
→当時画家が描いていた絵のモデルであり浮気相手でもあったエルサは別な金持ちと結婚し
この子豚は何も持っていなかった
→家庭教師のウィリアムズ先生は職を失い
この子豚はウィーウィーと鳴く
→加害者とされる妻の妹アンジェラは当時幼すぎてまともに証言させてもらえなかったが、今はじめて多くの事実を語る
面白かったですねえ。
プロローグである依頼に来た娘の訴えからはじまり、当時担当した弁護士、検察を経て、5匹の子豚の歌の順番にポアロが一人ずつ訪ねていく物語は、非常に簡潔でわかりやすく読みやすい。
5人の証言は9割9分真実なのですが、真犯人のついた小さな嘘により、うまく誤解を呼ぶように出来ています。
今回は「読めた!犯人は○○」と思ったのですが、盛大にはずれました。クリスティーさん上手いなあ。
犯人の心情も特筆もので、ここに書いてしまうと犯人バレにつながるので書けませんが、「哀れな犯人」を示唆する記述は意外なほど最初の方から文中に多めに出ています。
クリスティーさんの作品の中でもそんなに知名度高くないように思うのですが、私的には「名作」でした。
クリスティー作品にはまだまだ金鉱が隠されているようです。
ベスト5に入るんじゃないでしょうか?好きな作品を並べてみましょうか。
1.そして誰もいなくなった
2.オリエント急行の殺人
3.ABC殺人事件
4.終わりなき夜に生まれつく
5.親指のうずき
6.5匹の子豚
ベスト5からあふれたww意外と好きな作品が多くてあせったww
でもまあ、ベストテンには間違いなく入るでしょう。
あとこれから読むものでベストテンに入りそうなものというと・・・
「ナイルに死す」(名作中の名作)
「カーテン」(ポアロ死亡!)
「スリーピングマーダー」(ラストマープル)
「運命の裏木戸」(トミー&タペンス、80歳手前!)
ぼんやりと内容を知ってるとか再読作を考慮に入れるとすぐベストテン埋まっちゃいますね。
そこに今回のような5匹の子豚とか終わりなき夜に生まれつくみたいな「知らなかった名作」がどんどん入ってくるんですよねえ。
ベストテン作りにくいなあ。
さて、今度こそ本当に「鏡は横にひび割れて」を読みますが、今日はさすがに寝ます。
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