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2009年3月18日 (水)

肩ごしの視線

アガサクリスティーさんの「カリブ海の秘密」を読みました。
編み物好きで噂話好きの善良なおばあさんミス・マープルが探偵役のミステリーです。

あらすじ【カリブ海の秘密】
西インド諸島にて静養中のマープルは、懐古話ばかりでまわりからケムたがられているパルグレイヴ少佐から「殺人犯を見た」という話を聞いていたのだが、少佐はマープルの背後の人影を見て話をやめてしまう。あきらかに何かに気付いてしまった少佐は翌朝死体となって発見される。
あの時マープルが振り返ったとき、自分の背後にいたのはあの人とあの人と・・・

最初の被害者が出るとともに複数の人間が同時にそれぞれの思惑で動き始め、ラストの謎解きまで、テンションは高いまま突き進んでいきます。
登場人物が少なく、また犯人の性別が限定されるにも関わらず、巧妙に真犯人は隠されています。読んでいてありがたいことに全員アヤシイですし。

探偵物に必ず必要なワトソンの役割(ある意味読者目線)を偏屈な老人ラフィール氏がつとめているのもかなり面白い。
頭ごなしに怒って文句ばっかり言ってるのに、ラフィール氏、ちゃんとマープルさんの推理を補助したり次の疑問を上げたり整理したりと大活躍です。

前にも言いましたが、私はポアロ物は何本か読んだのですがマープル物はとんと読んだことがありませんでした。
なんだか「田舎の噂話好きの老婆が事件解決」というのがあまりにも牧歌的で、「奇想天外なミステリ」、「残虐な犯人」みたいな展開は期待できないだろうな~と勝手に思っていたのですが、意外や意外、先に読んだ「予告殺人」も、「カリブ海の秘密」もポアロ物よりサスペンスフルな内容でした。

今のところでは

被害者の少ないポアロ物

連続殺人者を追い詰めるマープル物


そんな印象です。

引き続き「終わりなき夜に生まれつく」を読んでます。
叙情的なタイトルですね。

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