言葉の持つ引力
少し前にアガサクリスティさんのポアロ物の1冊、「白昼の悪魔」を読みました。
※ネタバレするわけに行きませんので、なんだか毎度ぼんやりした書き方ですみません。たとえボンヤリ情報でもネタバレはダメという人は以降の文章スルーでお願いします。
まあまあの作品てとこでしょうか。トリックとか犯人像とかに目新しさは無いのですが、それは私が2009年の現在から見てるからであって、この作品が発表されたのが1941年ということを考えると、それなりにインパクトのあるミステリー作品だったのではないでしょうか。
あらすじ【白昼の悪魔】
陸地から少しはなれた島にあるジョリー・ロジャーホテルで静養中のポアロは、同じく静養に来ていた元女優アリーナ・マーシャルの殺害事件に遭遇する。
アリーナは夫がありながらホテルの他の滞在客と不倫の関係にあり、夫の連れ子に良く思われていない。当然不倫相手の妻にも良く思われていない。また夫は夫でこの元女優が死ねば、莫大な遺産を代わりに相続することになる。
しかし全員に確固たるアリバイがあった・・・
ミステリーを読みまくっている人には、もしかしたらわかりやすい犯人かもしれません。
基本的に、「誰もが思い描く犯人像」に一番遠い人が犯人でしょうね。著者も意識的にそういう描写をしますよね。だから逆にわかりやすいかもしれません。
ただ、犯人の動機自体は物凄く意外な事なので、そこまで読みが当たる人はいないかもしれません。
それよりも今回痛烈に思ったのは「翻訳がロコツすぎる」ということですね。
さらっと流さなきゃならないあの重要なセリフを、あんなに強調してはいけません。
「注意してね!ココ試験に出ますよ!」
という感じがあまりにも・・・
さらに言わせてもらえば、この作品は、クリスティさんの別作品にかなり似ています。こっちの作品の方が後発なんですが、やはりあっちの作品のほうが大作で名作ですよねえ。
そんな感じなんで、クリスティさんのあの作品はもう少し後に読もうと思います。今はマープル物の「カリブ海の秘密」を読破中。
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