木を見て森を見ずor木を隠すなら森の中
最近、ほぼ書評ブログと化してますが、気にせず、「やってて自分で面白い」ということを念頭に更新続けたいと思います。
昨日少し書きましたが、クリスティーさんの「ABC殺人事件」を読みました。
エルキュール・ポアロのシリーズです。
※例によって、注意して書いておりますが、「ちょっとでも内容に触れちゃダメ」という人はスルーでお願い致します。
ポアロ物(そりゃミス・マープルもそうなんですが)は基本的に閉ざされた空間・人間関係の中で意外な犯人を突き止めるという作品が多いのですが、今回めずらしくポアロは、様々な土地で発生する連続殺人犯を追いかけます。その殺人狂アレクザンダー・ボナパート・カストとの終盤における対決も、今作の見所のひとつ。
※この小説を既読のひと、↑を読んでニヤリとしてください。私、ウソはついてません。
あらすじ【ABC殺人事件】
ポアロ宛に届いた殺人予告状の通り、アンドーヴァーという町でアリス・アッシャーという老婆が撲殺され、警察とポアロが捜査を続けるなか、次の予告状が届き、ベクスヒルの町でベティー・バーナードが絞殺体でみつかる。
そして3通目の予告状どおり、チャーストンの海辺で、カーマイケル・クラーク卿が殺害された。
予告状が指定する次の町はドンカスター。ポアロはアルファベット順に犯行場所と被害者を決めていく殺人狂アレクザンダー・ボナパート・カストを止めることが出来るか?
とまあ、ウソ偽り無くあらすじを書いたのですが、皆さんこのあらすじに騙されてはいけませんよ。
どういう風に考えていけば、このような大胆な2重構造のミステリーが書けるのか私のような凡人にはまったく理解できません。クリスティーさん凄すぎです。
2冊のまったく趣きの違う推理小説を足して2で割らないような物語となってます。
面白いですねえ。
再読ですので、やはり細かな伏線というか、「ああ、ここでポアロは気付くのか」というのが読みとれます。初見時のインパクトこそ味わえないものの、各所にちりばめられた伏線や犯人のミスを確認していく作業は再読ならでは。満喫しました。
ポアロ物の中で何がオススメ?と聞かれると、私は真っ先にこのABC殺人事件を薦めます。
「オリエント急行の殺人」とか「ナイルに死す」とかは確かに名作で大作なんですが、映画化されてますので人の目に触れる機会も多いと思います。私なんかが薦めるまでもなくすでに評価も高いと思います。
ミステリーファン以外にはあまり知名度ないかもしれませんが、ABC殺人事件はもっと評価されていいはず!
そう思うんです。
サア!ぞくぞくと次の作品を読んでいきますよ!
| 固定リンク | 0
「読書班-アガサ棚」カテゴリの記事
- お笑い用語で言うところの天丼というやつ(2021.03.23)
- フジにしては渋いところをついてきた(2021.03.05)
- 怪作登場(2019.04.17)
- テレアサ春のアガサまつり(2019.03.14)
- 未読の人の視点が理解できました(2018.04.23)
コメント