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2008年12月12日 (金)

主物と従物

弁護士さんと著作権についてお話をしていて、興味深いことを聞きました。
たとえば「人面ライダー」というヒーロー番組があったとして、そのキャラを使用した肉まんを作るとします。
人面ライダーの権利を持っているのが甲、肉まんを作ろうとしているのが乙。
肉まんに人面ライダーの似顔絵を入れるのは当然として、乙会社はそれ以前から自社肉まんに自社デザインのフォントで通し番号を入れている。
とうぜん人面肉まんにも番号を入れるのですが、甲が成果物の全てにおいて著作権を主張してしまうと、その番号の入ったこれまでの乙社製品すべてに遡及して権利を取られちゃうのか?という問題になってくるわけです。
双方にそんなつもりが無かったとしても。
その場合、乙は肉まんに打った番号は肉まん主物、番号従物ではなく、その番号すらも主物ですよと主張しなければならない。
この手の契約書がアヤフヤだと、昔のとんち童話のような、
「牛肉をお前にすべてやると言ったが、血液までやるとは言ってない。
きちんと血をながさず解体できるのなら、うちの牧場の牛の肉を持って行け」
みたいなややこしいモメ事になるわけです。

・家はお前にやるが、玄関はやらない
・車はお前のものだが、タイヤとハンドルは置いていけ

こういうものは、その時々により微妙に変化していくわけです。
契約書というものはお互いが丁寧に読まなきゃならない。そこを怠らなければ、だまし、だまされという事件もなくなるだろう。どちらかに一方的に不利益がある契約書はもはや契約書ではない。
と、弁護士さんはいつも私に熱く語ります。
それはじつは物凄くアタリマエのことなんですが、つい忘れがちになる。フリーソフトをダウンロードする際全文逐条検討したりせずに「同意します」にチェック入れたりしてしまう。

スピード重視の昨今とはいえ、一度立ち止まって考えることもしていきたいです。

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