わかりやすい推理小説
宮部みゆきさんのR.P.Gという小説を読みました。
実はもう随分前に読んだのですが、凄まじすぎて、これは記事に出来ないなと思い、今日まで放置しておりました。
(日々書くことがあったので、後回しにしていたのも事実です)
小説の内容を説明するために何かを書こうとすると、書いていく端からネタバレになる・・・そんな感じの小説でした。
ちなみに犯人は、推理小説慣れした人には、わりとわかりやすい人物です。
犯人がバレやすいということと、面白い面白くない小説とは別次元なんだなあ、と「火車」、「理由」、「R.P.G」と読んできてわかりました。
タイトルのR.P.Gというのが、すでに、ものすごいネタバレというか、そのものズバリを突いているんですが、小説の内容が面白すぎて、そのタイトルのことをウッカリ忘れて読みふけるわけですよ。
で、犯人も動機もわかったというのに、最後のところで
「え?マジデ?」
と、なるわけです。いっぱい食わされるわけです。
これを、うまくオチバレせずに「この記事を見る人の興味を引く内容」にするのはやはり無理だった・・・orz
とにかく一見の価値があります。伝説のドラゴンは出てきません。
読み物というものは、分かりやすくないとお話にならないのですが、推理小説というジャンルは簡単にそうとは言い切れないですね。はき違えるとエライ事になりますよね。
A「わかりやすい推理小説」
物語が整理されていて、登場人物の相関図もわかりやすい。
最後の謎解きもわかりやすい言葉で語られ、しかもどんでん返しの犯人。
B「犯人の正体がわかりやすい推理小説」
小説の半分も読まないうちに、だいたい犯人の予想がつく。
トリックもありきたりでわかりやすく、変化球いっさい無し。
C「わかりにくい推理小説」
登場人物が500人くらいいて、全員その時間に犯行が可能だが、まずそれを読み解くのに多大な労力を要する。
1000ページくらいある小説の半分くらい読んだ時点で
「ああ、1ページ目で殺されていたのはこの人か。まだ生きているのかと思ってた」
とか、
「凄腕探偵だと思って読み進めていた人物がただの通行人Aだった。」
等々ミスリードが多すぎ。
最後の謎解きも50ページくらいあり、しかも何回読み直してもわからない。
犯人の動機も
「耕田永年私財法を読んでいるアイツと、御成敗式目愛読者の私とでは、こうなるのは目に見えていた」
など、メタファーになっているのかいないのかも理解不能。
D「犯人の正体がわかりにくい推理小説」
絶対にこの人は犯人じゃないと思うような人が実は犯人。
え?なぜその人が・・と思うが、犯人の生い立ちが語られると、得心が行き、目頭も熱くなる。
A,BもC,Dも「」の中だけ見るとそれぞれ同じようなことを言っているはずなのに、なぜかBとCはあまり読みたくない気がします。
「わかりやすい表現」が好きです。
パソコンといえば、DOSプロンプト・緑文字ですよね
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