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2008年1月13日 (日)

ミセスロビンソン

昨日、「犬神家の一族」を読み始めました・・
という記事をアップしている最中に、何か重大なことを忘れている気がするなァと考えていたのですが、今頃になって思い出しました。
犬神家より先に「支那扇の女」を読み終わっていたのでした。
ほんとは昨年末に読み終わっていたのですが、なにかと他事が多く、忘れておりました。
1冊の中に、

支那扇の女(しなおうぎのおんな)
女の決闘(おんなのけっとう)

の2本が収められています。どちらも中長編て感じ。
女の決闘のほうは・・・んー。タイトルが正直すぎという感じがしないでもないですね。

在日外国人ロビンソン夫妻がイギリスに帰国するので「さよならパーティー」が催され、ご近所さんだった金田一も御呼ばれしていたのですが、その招待客の中で毒殺未遂事件があり、さらに後日同様の手口の毒殺事件が発生。

この、近所だったので、パーティーに呼ばれていたという金田一のかかわり方がすき。
アメリカ生活が長かったので、外人さんとも普通にコミュニケーション取れるという、意外な特技を披露しています。

解決編は、心残りのまま帰国したミセスロビンソンに金田一が手紙で解決を告げるという、変わった締めくくりの小説です。

横溝作品全般の特徴として、「登場人物が少ない」というのがあります。
いや、まあ少ないてことは無いのですが、事件に関係ありそうな人を絞っていくと、容疑者は3人とか、もっと極端だと、AかBのどちらか?くらいしか選択肢の無いときがあります。
無駄な人物が少ないわけです。もちろん例外はあって、無駄に登場人物多いときもあります。悪霊島なんか、そ(ry
つまり犯人がバレやすいわけですが、それでも横溝さんは、毎回かなり意外な犯人を用意しております。
最終ページののこり10行くらいで急に出てきた人物が犯人なんてことはまずありません。
(そんな推理小説見たことないですが)

その前提から言って、このタイトルは不利ですよ。パーティーにたくさん出席者がいても、性別を絞られると・・・というか、決闘しなけりゃならない間柄の女性て、もう、2人しかいないですからね。
ただ、まあ2重構造にしてありますので、やはり意外な犯人といえばそうなんですが。
うーん。中の中の下くらいですね。
ミセスロビンソンの怯えぶりがカワイソス。

支那扇の女の方も、極端に登場人物少ないので、犯人はわかりやすいかもしれません。それでもやはり意外といえば意外な、
「え~~やっぱりアンタがぁーー」
という、意外な犯人です。
シロウト判断ですが、犯人を無理やり意外な人物にしようとした感じがあり、読後スッキリしません。

絶版なので、古書店などでしか、入手の機会は無いかもしれませんが、あまり無理に探し出してまで読むほどでは無いように思います。

それにしても探している「不死蝶」見つかりませんねえ。昨年末、東京に行った時、仕事の合間に神田の古本屋街を散策したのですが、見つかりませんでした。
というか、回り切れませんでしたというのが正解ですが・・・

続きを読む以降は個人的備忘録の読破リストなので、放置でお願い致します。

続き

【現在までの読了数】
まだまだ未読作品ありますよ!

01:獄門島(ごくもんとう)
02:夜歩く(よるあるく)
03:百日紅の下にて(さるすべりのしたにて)
04:八つ墓村(やつはかむら)
05:睡れる花嫁(ねむれるはなよめ)
06:湖泥(こでい)
07:蜃気楼島の情熱(しんきろうとうのじょうねつ)
08:蝙蝠と蛞蝓(こうもりとなめくじ)
09:人面蒼(じんめんそう)
10:悪霊島 上・下巻(あくりょうとう)
11:悪魔の手毬唄(あくまのてまりうた)
12:本陣殺人事件(ほんじんさつじんじけん)
13:車井戸はなぜ軋る(くるまいどはなぜきしる)
14:黒猫亭事件(くろねこていじけん)
15:悪魔の寵児(あくまのちょうじ)
16:生ける死仮面(いけるしかめん)
17:花園の悪魔(はなぞののあくま)
18:蝋美人(ろうびじん)
19:首(くび)
20:貸しボート十三号(かしぼーとじゅうさんごう)
21:堕ちたる天女(おちたるてんにょ)
22:迷路荘の惨劇(めいろそうのさんげき)
23:悪魔の降誕祭(あくまのこうたんさい)
24:女怪(にょかい)
25:霧の山荘(きりのさんそう)
26:仮面舞踏会(かめんぶとうかい)
27:支那扇の女(しなおうぎのおんな)
28:女の決闘(おんなのけっとう)

※読んだ順です。

不死蝶、読みた~~~い!

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読書班-金田一耕助を読む」カテゴリの記事

コメント

ご無沙汰しております。
横溝の文字を見て思わずコメントです。
不死蝶、特に出版社やハードカバーにこだわっておられないならアマゾンで文庫が出てましたよ。
私も結構読んだと思ってたんですが、忘備録拝見してみると読んでなさそうなものがいくつか…
是非読んでみようと思います。
早瀬五郎さんが横溝好きとは嬉しいな~。

投稿: puriri | 2008年1月17日 (木) 16時50分

puririさん今晩は!おひさしぶりですね~!
もしかして・・いやもしかしなくても、puririさんも横溝マニアですか?
これはちょっとうれしいですよ。
私の所の記事は参考にならないかもしれませんが、どれかお読みになる機会があれば、参考にしてください。

不死蝶、状態にはまったくこだわりがありません。読みたいだけなんです。
アマゾンにあるんですかー!気付きませんでしたよ!
ググってみても、古谷さんのDVD情報しか出てこなくて・・・こまめに探してみます。
ありがとうございます。m(_ _)m

投稿: 早瀬五郎 | 2008年1月17日 (木) 19時19分

 「支那扇の女」は、同名の短編と初期作品をベースに、内容を一部変えて長編に書き直したそうですが、変に意表を突こうとして、肝心の部分が浮き上がってしまったのが欠点。ストーリーを変えずにいた方が無理がなかったのに。

 長編、短編バージョンのどちらにしても、八つ墓村の典子みたいなのがヒロインにあったら悲劇は避けられたのに。典子も似た境遇(詳しくはネタバレになるから言えないけど、ある意味、「支那扇」より悪い)だけど、精進を重ねて元祖「萌えキャラ」になりました。


 

投稿: ルミナス | 2009年2月 6日 (金) 23時11分

ルミナスさん今晩は。
お返事が遅くて申し訳ありません。
インフルエンザの後遺症でなんだかグルグル回って考えがまとまりませんので、きっちりしたお返事はもうしばらくお待ちください。
近日中には、必ず・・

投稿: 暫定の早瀬五郎 | 2009年2月 9日 (月) 18時26分

あらてめてルミナスさん、コメントありがとうございます!
横溝さんは良く短編を長編化して物語を発展させるのを好んでおられたようで、大作に化けたものもあれば怪作になってしまったものもあるようです。
支那扇の女はそれでもそんなに長くしたわけでもないのに、犯人の設定には短編なみのとっぴさが感じられて残念ですよね。
支那扇のヒロインは「前へ前へ」出すぎた感があり、あまり萌え要素も無いのが残念ですし。

因習を絡められない都会モノの難しさであろうと思います。

それにしても丁寧な分析、読み込んでおられますね?また色々、教えてください。m(_ _)m

投稿: 早瀬五郎 | 2009年2月11日 (水) 22時52分

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