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2007年12月24日 (月)

クリスマスの金田一

クリスマスイブなので、金田一モノもクリスマスを扱った事件を読んで見ます。
(ウソです。偶然です。)

読んだ本は「悪魔の降誕祭(あくまのこうたんさい)」

降誕祭=クリスマス

ですね。お恥ずかしい話ですが、私もこの短編集を読むまで「降誕祭」という言葉を知りませんでした。
そう短編集なので、他にも収録作があります。

悪魔の降誕祭(あくまのこうたんさい)
女怪(にょかい)
霧の山荘(きりのさんそう)

すみません。あとの2本はまだ読んでません。
「迷路荘の惨劇」もとっくに読んだのですが、これは記事にするのに、少々整理が必要ですので、クリスマスのうちに、降誕祭の方の記事を書いておこうと思いまして。

「悪魔の降誕祭」は、中編ながら良作でした。
下手な長編より、数100倍面白かった。

最初の死体が12月20日に金田一の事務所で発見されるというのがカッ飛んでます。
さらに犯人は4日後のクリスマスに事件を起こすことを金田一の事務所内に予告を残して去って行きます。

大胆な犯人です。で、その約束のクリスマスの日、どう考えても人目につきやすいパーティー会場の控えの狭い廊下で2人目を殺害。

登場人物はさほど多くも無いのに、金田一も読んでいる私も、どうしても犯人を特定出来ない。

最初の犠牲者は自分を殺害しようとする人物が誰だったから、そのように驚愕の表情で死んでいたのか?

2人目の犠牲者はなぜ、死の間際のわずかな力を振り絞って、犯人のアリバイを作ろうとしたのか?

調子に乗った犯人は3人目の標的を金田一の目の前で殺そうとして、ギリギリのところで見破られる。
中編でここまでスリリングな作品は、今まで無かったですねー。

正体の意外さと救いようの無い凶悪さも、金田一作品中、上位ランクに来るであろう壮絶な犯人です。

本文を抜粋すると、
「人間の皮をかぶっていた化け物の、その皮がべろっとひと皮むけて、世にも醜怪な正体がむきだしになった」
「世にも醜怪で、おぞましく、見るひとをしてゾーッと鳥肌の立つ思いをさせるような不気味で猛烈な痙攣だった」

と、横溝さんヒドイ言いようです(笑)。今まで読んだ中で、ここまで悪し様に描写されてる犯人はいなかったでしょう。

作品は全体を通してかなり良いんですが、最後の最後、犯人に対して金田一が取った行為は、正義では無い気がします。
「私立探偵の自由さ」というやつでしょうか?

そこがひっかかるので、少し減点。

しかし「おでん屋に顔を出したあと、アイスクリームを食い、ビヤホールにも行ってジョッキをあおる」という金田一のむちゃくちゃなクリスマスの過ごし方が見られるのもなかなか面白くて、やはりトータルで良い作品であろうと思います。

さて、女怪と霧の山荘、読みます。

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