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2007年11月27日 (火)

リコなのか、リタなのか

結論を最初に書きますが、結論は出ません。

とある企業の営業さんとお話する機会がありました。
その企業の代表者さんは、社是として「利他の心」を大事にしたいそうです。

矛盾してる気がするんですよ。

誤解しないでください。
間違っていると言いたいわけでは無いんです。
会社のトップというのは、会社を大きくしていくことを優先しなければならないように思います。

それは極論すれば、利己主義なのではないか?
自分のところにお金が大量に入ってこないと、従業員の生活すら守れない。
ビジネスチャンスを他社の誰かに譲っている場合じゃ無い。

私はその時、この人(先の営業マン)ならこの矛盾に答えを出してくれるかもしれないと思い、かなり長い時間議論致しました。

何度も言いますが、誤解しないでください。「利他の心」というのは大事な考えなんです。
否定したいわけじゃ無いんです。肯定するための答えが知りたいんです。

世の中自分さえよければ良いという人間が結構、います。
大小ありますが、人間は皆そうだといっても言いすぎではないはず。

他人を蹴落とさなければ、自分がトップに立つことは出来ない。
B社の営業マンに手柄を譲っている場合じゃないわけです。
それは確かにそうなのだけれども、そればかりでは、人間は滅亡してしまうでしょう。

「情けは人のためならず」

という言葉があります。他人を助ければ、いつか自分を助けてくれる人も現れる。
善意が連鎖していけば、地球一周して善意が自分のところに帰ってくる理屈はわかります。
しかし、連鎖を停める人はいるはず。
それでも僕達は、利他の心を胸に行動しなければならない。

すばらしい考えなんですが、はたして社是に向いているのだろうか?
会社を大きくするには、必ず限界があるはずです。
「確かに限界は来ます」
と、その営業の人も言ってました。
つまり、私の期待する答えは得られなかったわけです。

それがホントウに残念だった。誰か答えを出せる人はいないのでしょうか?

今日の文章はグダグダ。

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コメント

これは千差万別の利他の心のとらえ方があるわけで、その人の利他に第三者が結論を見いだすことはできないのではないかと思われます。
せめて、かの社長さんが、ありとあらゆる事象、艱難辛苦にさえ「ありがとう」というお気持ちで接することができる方でしたら、僕はその社長さんの利他の心は活きているものだと感じます。
限界は、とりあえず限界と言うより、目標到達点として、棚上げー。

しかしなんですね。
エースのメッセージというのは、こういうときに脳裏に蘇ってきます。

投稿: 雷蔵 | 2007年11月27日 (火) 21時15分


企業っていうのは
理想と利益のせめぎ合いが永遠のテーマですものねぇ。

『社是』ってと
ウチは製造業なのですが
「創造」「奉仕」「協力」なんですね。
奉仕(ボランティアでは無く、社会に付加価値を提供する事)する為に創造する。
その為に皆で協力しよう!って事ですね。

利他の心程純粋では無く、利益は社会的付加価値を提供した結果なので「儲ける」ではなく「儲かった」がベストの考えですね。

まぁ現実的には問題はありますが
ウチの社是の考え方自体は好きです(^^)。

投稿: カモタロー | 2007年11月27日 (火) 22時45分

極論ですが、すべての利他は利己につながるのではないかと思います。ただ、社是や目標に利己を掲げるのは憚られるので利他、社会貢献をうたうのかなと思います。

こういう見方しか出来ない私って、寂しいよなぁ~(^_^;)(笑)

投稿: りょーこ♪ | 2007年11月28日 (水) 12時12分

雷蔵さん今晩は。
そうですねえ。人それぞれ、解釈に差はありますよね。
代表者が目指している所が1番・奉仕、2番・利益追求なら「利他心」は社是として充分にアリだと思います。
両方1番で実践している人にいつか出会えるでしょうか・・・

ウルトラマンエースまで行ってしまうと、もう、「あいみつを取る」なんて時点で背信行為のような気がして、バリバリ働く人はエースに見つめられるとさぞかし冷や汗出るのではないかと思います^^。

投稿: 早瀬五郎 | 2007年11月28日 (水) 19時25分

カモタローさん今晩は。
そう、永遠のテーマです。
で、多分ずっと平行線なんじゃないかなあ?と思います。
カモタローさんのところの社是は、
1、儲けて
2、社会貢献
ですよね?これは判りやすいんですよ。
だいたい多くの企業さんがそうだと思いますし。

でも、
1、謙譲
2、儲けよう

は、なかなか実現が難しいですよね。
これを実現してしまった会社は、多分歴史に名を残すんじゃないかと思います。
私には答えが出ません^-^;/

投稿: 早瀬五郎 | 2007年11月28日 (水) 19時33分

りょーこ♪さん今晩は。
それもひとつの考え方なんじゃないかと思います。
ただ社是をよく見せたいために偽って「利他の心」を掲げる代表者は従業員にも、取引先にもあっさり見破られ、事業継続は不可能であろうと思います。

この記事に出てきた企業の代表者さんは、ずっと能力評価制度の会社で営業トップでやってきて、特別賞与、臨時賞与、褒賞としての海外旅行など栄華を「ありとあらゆる人を蹴落として」ほしいままにしてきた人なのですが、あるときそれに限界を感じ、退社し、真逆の社是を掲げて会社を興した人なんです。
その営業マンも「私も転職組で、給料もガックリ下がったのですが、今は人として仕事をしている気がします」と仰ってました。
営業トークをさしひいても(コラ!)その目はウソをついてはいないと感じました。
で、ウチなんて太刀打ち出来ない従業員数と年商を叩き出しているんです。

だから、私の期待する、「よく判らない何か?」をもっているはずなんですが、答えは聞けませんでした。いや、答えは無いんだと思います。
答えが有るのなら、「利他の心」で教えてくれても良いはずなんです(笑)。

そこが矛盾してるんですよねえ。限界は来るはずなんです。
長々とごめんなさいm(_ _)m

投稿: 早瀬五郎 | 2007年11月28日 (水) 19時49分

最近、お邪魔したある企業さんで
社是に「人間的成長」「誠意を尽くす」「感謝の心を忘れない」
といったことを掲げられていたのを見て非常に感動したばかりなので、
ちょっと考えさせられました。

自分のとこだけ儲かればいいという考えも限界があるだろうから、
いつも過度に欲張りすぎず、(森林の伐採をするときに植樹も行うような?)
社会に貢献することを忘れなければ、
それが広義の利他の心に含まれるのかな…?などと思うのは都合よすぎですかね。

ちなみに、うちの社是にも「地域貢献」ってのはあります。

あー、真面目な話は弱いんだよなぁ。
まとまりませんね。
支離滅!裂!ウイングマンって感じです…(-_-

投稿: noirquilt | 2007年11月28日 (水) 21時51分

noirquiltさん今晩は。

>自分のとこだけ儲かればいいという考えも限界がある

ああ!いいこと言いますねnoirquiltさん。
そこなんですよ。世の中金だけじゃない!って言いたいですよね。

一度に大きなことを考えずに、少しずつ、自分に出来る範囲の思いやりの気持ちさえあれば、それは立派に利他の心で良いと思います。

この話は、まとまりようがないんです。
万が一、間違って、まとまってしまったら、全員
「悟り」を開いちゃいますから。

グダグダと議論しているのがいいんです。
この記事は、本文自体もグダグダなんですが、皆さんの素直な気持ちが聞けて、大事な記事になりました。
ありがとうございます。

投稿: 早瀬五郎 | 2007年11月29日 (木) 19時08分

上手く伝えられなかったようなので、ちょっと補足しときます。
利他を偽っているとかでは無くて、「情けは人のためならず」じゃないですが利他と利己は同一線上にあるように思います。表裏一体というか、利己の途中に利他が存在する、或いは第一ポイントが利他、第二ポイントが利己というような感じでしょうか。利他が“手段”、利己が“結果”とも言えるかもしれません。手段や第一ポイントも社是等の目標になりえます。どのポイントを目標に掲げるkはその時々の状況や各々の見解・視野によって違ってくるでしょう。
的確な例とは言い難いですが「寄付をして控除をうける」という一連の活動において、寄付をする事を目標にもできるし、控除をうけて税金を抑える事をも目標にも出来るというような感じでしょうか。

すいません。結局、上手く言い表せてませんね(^_^;) こういう時だけは、私も微妙にイメージ先行の“うう脳”なのかも?!と思います(笑)

投稿: りょーこ♪ | 2007年12月 1日 (土) 00時55分

りょーこ♪さん今晩は。ありがとうございます。
言わんとするところと伝えたい思いは理解できているつもりです。
同一線上に利他と利己が存在するのは、この記事中の営業さんと長い時間かけてお話したテーマなんです。
「片方を突き詰めていくと、やがて同一線上の二つが乖離していきませんか?」
という私の問いに、その人は(記事中にも書きましたが)
「確かに限界は来ます」
という回答だったのです。
両方を並び立たせて頂点を目指して行くのは限界があると思うのですよ。でも答えを持っている人がいたら、出会ってみたい。そう、思ってます。

現時点で私の中にあるこの問題の答えはものすごーーーく極論すれば、
「人それぞれ」
でしか無いと思うのです(それが正解だとは思ってません)。
そういいきってしまうには勇気がいるし、誤解が生まれるのですが、「利他の心」にはおそらく限界が無いから、皆、落とし所に迷い、説明していくにつれ煩悶が生まれてくるのだと思います。

本来、限られた文字数のコメント欄で話すには難しい問題ですよね。私は本当はコメントいただいた皆さんと同じテーブル上で顔を見ながらお話したいくらいなのです。それでも多分、コレという答えは出ないと思うのですが。
でも大事なテーマだと思います。

投稿: 早瀬五郎 | 2007年12月 1日 (土) 23時33分

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