深紅の秘伝説
「ジョジョの奇妙な冒険」という漫画がありまして。
結構有名な漫画だと思うのですが、作者の荒木さんがあまりエンターテインメントを目指していない(多分)ので、取っ付きにくい漫画であると思います。
私は何を置いてもこの漫画のファンで、どれくらいファンかと言うと、「コミックスを全巻持っているのに文庫版も全巻買う」というくらいファンです。
画集も全部買いました。
しかしジョジョマニアといわれる人たちからすれば、そんなのはまだまだ全然素人同然といえるでしょう。
仙台まで行ってJoJo立ちする人達にはかなわない。
ジョジョを良く知っている人達に宣伝しても仕方ありませんので、「ジョジョって何?」という人達へ向けて記事を書いてみましょう。
物語は1880年、英国紳士を目指すジョナサンの物語「第1部」から始まって延々2011年のジョリーンの物語「第6部」まで続き、ちょっと色々あって
また1880年代のアメリカで馬レースをする「第7部」が現在も連載中。
が、しかしこれを本気モードで説明し始めると、またいつもの如く凄い長文になってしまうので、大胆にも各部1行で説明します(ムリだろうなあ)。
第1部 世界名作劇場「吸血鬼」
第2部 全編トリックの連続
第3部 この作家にして異色の超娯楽作
第4部 都市伝説短編集
第5部 定められた運命
第6部 幸福の意味
第7部 技術を極める
こんな感じです。
各部の登場人物の名前がジョナサンジョースターとか空条承太郎(くうじょうじょうたろう)とか、かならずジョジョになるくらいで、毎作お話のテンポや温度に差があります。
第3部がファンの間での好き嫌いの分かれ目のような気がします。「1部2部だけで良い」と言う人もいれば、「3部からが最高」という人もいます。
私は「全部スキー」なのですが、どうしてもどれか一つと言われると、「4部」。
上で「都市伝説短編集」と書きましたがもう少し加えると、「覚悟を決める人達」という説明がつきます。
イヤなやつだった「重ちー」、話の通じない「ミキタカ」、他人を犠牲に生き延びようとした「噴上裕也」ですら一線を越えた悪を前に、「町を守る男」に変わっていく。
その姿にシビれる憧れる。
何を考えているかわからない気持ち悪い少年だった「川尻早人」の物語終盤の台詞
「ぼくも、父さんが帰ってくるまで、待ってるよ」
は、連載当時も泣けたが、自分に子供が出来た今みると、もっと泣ける。
エントロピーの法則を無視した主人公「仗助」の能力も面白い。
ダメダ、やっぱり長くなりそうなんで、このへんで。
結構批判されがちな5部や6部も3回4回と読み返していく内に、登場人物一人一人の考えが・・・あーもうやめておきます。
画像はスタ(ry・・・ ハズカシー!
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コメント
1,2部あたりは
ハリウッド映画のように
もう、見せ場がバーンとあって
少年漫画の王道でとっつきやすいのですが
4,5部あたりは、
ちょこっと読んだだけだと
「おもしろいのか?」という感じを受けたのですが
じっくり読んでみると
とても味わい深い、何度読み返しても
飽きない感じです。
休日の教育番組の
午後からたまにやっている
映画のような
なんともいえない味わいがあります。
投稿: Moonface | 2006年12月 8日 (金) 21時07分
荒木先生はバオー来訪者からのファンです(^^)。
ってJOJOは1~3部しか読んでないけど(おい)。
荒木先生のファンは濃厚な方が多いよーな(笑)→http://atmarkjojo.org/
今度出るゲームを買うと
あの「石仮面」が当たるかも?らしいです(^^;。
http://journal.mycom.co.jp/cgi-bin/print?id=38168
投稿: カモタロー | 2006年12月 8日 (金) 22時14分
Moonfaceさん今晩は。
1~3部はエンタメだったですね。
でも作者さん自身が敵Aより強い敵B、それより強い敵Cという当時の作劇に嫌気が差して今の心理戦スタイルになったと聞きます。
5部なんて、最近やっとジワジワ来るようになりました。
そうそう、「たまたまチャンネル合わせたらやっていた映画を、何気なくみていたら結局最後までみたっつー感じッスか」by億康
静かだけど深い。5部や7部はそんな感じがします。
投稿: 早瀬五郎 | 2006年12月 8日 (金) 23時39分
カモタローさん今晩は。
確かにジョジョマニアの人たちは濃い人が多いですね。
私的には、カモタローさんには4部は読んで欲しいですねー。
記事中に書き漏らしましたが、4部のサブテーマは「家族の再生」です。
「兄弟の」、「父と子の」、「母と子の」絆を再確認する物語です。
もう、泣けるセリフがいっぱい出てくるんですよ。
ジョセフ「カッコつけたかったんじゃよ おまえの前で」
隠し子仗助の前で父親の強さを見せたかった男
杉本鈴美「あなたたち生きている人間が町の『誇り』と『平和』を取り戻さなければ、いったい誰がとり戻すっていうのよッ!」
町に潜む殺人鬼(ラスボス)に殺されて以来、町を見守りつづけてきた幽霊の少女。
重ちー「『パパ』と『ママ』を・・・守るど!」
ラスボスの正体に真っ先に辿り着いた中学生の決意。
康一「おまえはバカ丸出しだ!地獄でおまえが来るのを待っているぞ」
ラスボスに瀕死の重症を負わされながら、本名を探り当てたひ弱な少年の断末魔の叫び。
承太郎「尊敬するぜ康一くん・・・成長したな」
康一に命を救われた形になる承太郎から、瀕死の康一へ向けて。
未起隆「『ぼくだって少しはやるんだぜ、ちょっとは見直したかい』って思ってもらうためにやったんです」
自称宇宙人で、誰からもウザがられていたミキタカの覚悟のセリフ。
噴上裕也「てめーや『吉良吉影』をこの町で生かしておくのはカッコ悪いことだぜー」
大きな悪の前で、善に目覚める小悪党。
承太郎「康一くん・・・気味は本当に頼もしいヤツだ・・・」
文字通り康一がいなければ4部主要キャラは全員爆死していた。
ああ、書いてるだけで、泣きそう・・・。
投稿: 早瀬五郎 | 2006年12月 9日 (土) 00時10分
自分、ビーティーの頃から荒木飛呂彦は大ファンだッ!!!「バオー」の小さい「ッ」の数友達と数えたりしましたよ。やっぱりあの誰も真似できない独特の台詞廻しが魅力でしたね。一番好きだったのは対決マンガに知略戦を持ち込んだ第二部かな。第四部は当時はイマイチ(主人公が回復系ってのが緊張感を削ぐ気がして)と感じてたんですが、何年か前にコンビニ本で読み直したら、エラく面白かったっス。今のマニュアル化されたジャンプ漫画じゃ太刀打ち出来ないパワーがありますね。
投稿: misodrill | 2006年12月 9日 (土) 00時32分
misodrillさん今晩は。
どうもmisodrillさんとは趣味嗜好においてシンクロ率が高くて、一人密かに喜んでおります。
バオーは当時、友人間で技の名前がちゃんと言えるかを競い合っておりました。
コミックスもちろん持ってますが、そんなもの引っ張り出さなくても、
「バオーリスキニハーデンセイバーフェノメノン」「バオーシューティングビースススティンガー」
など、サラリと出てくるあたり、私も荒木ワールドにヤラレタ人間です(笑)。
4部以降はズバっとハマるんじゃなく、ジワジワ来る感じですので、機会がありましたら再読オススメしますよ。
5部のボスに初めて出会った後、船着場でボートに乗るのか乗らないのかのシーンは、かなりジワッと来ます。
投稿: 早瀬五郎 | 2006年12月 9日 (土) 00時54分
ご無沙汰してます。
JOJO話と聞いて湧いてきました。
私もJOJOは早瀬さんと同じく4部が好きです。3部の最後であんなに強い敵を出しておきながら続く4部で「弱さを力に換えた奴ほど恐ろしい」というコンセプトを見事に打ち出されたのは凄いと思います。
私が泣けるのは仗助の祖父が亡くなるシーンの承太郎の台詞
「人間は何かを破壊して生きているといってもいい生物だ。その中でおまえの能力はこの世のどんなことよりもやさしい。だが…生命が終わったものは もう戻らない。どんなスタンドだろうと戻せない…。」
ここと3部のイギー死亡の場面、5部のアバッキオ死亡の場面はご飯3杯分くらい泣けます(TT)
投稿: あっかー | 2006年12月 9日 (土) 15時35分
あっかーさん今晩は。
いえいえ、こちらこそ、ご無沙汰しております。
CG関係がなかなか進展しないもので、あっかーさんの所の掲示板に
「手土産も無しに書き込みは・・・」
などと勝手に思ったりしている小心者なんです。でも毎日通ってます!!(←必死か!)
それにしても・・・
やった!4部スキー発見!
なかなかいないんですよ4部良い!っていう人。
3部イギーと5部アバッキオも先に言われちゃってるし!(笑)
4部~6部は明らかに週間連載に向いてないと思われるのに、ちゃんと結末まで持っていける構成力は脅威ですよね。
私もイギーの死の間際の「ニヤリ」とアバッキオがカフェのテーブルの下でガラス片を拾う警官に会うシーンでご飯3杯楽勝で行けます!
(見た事無い人にはまったく意味の通じない説明ですね・・・)
投稿: 早瀬五郎 | 2006年12月 9日 (土) 22時18分