カテゴリー「読書班-西遊記」の18件の投稿

西遊記とピノキオは別格

2011年10月31日 (月)

本当はこういうのをやろうと思ってたんですが…

宮部さんの本読んでたんで、少し休んでましたが、西遊記も引き続き読んでいきます。

シングルタスク人間なので、複数の本を同時に読めません。西遊記読み終わってからまた、クリスティーさんのシリーズに戻っていきます。

ふと不思議に思ったんですが、テレビドラマを一週間に複数見るのは可能なのに、小説を複数同時に読むのはなんで出来ないんでしょうか?

あ、できる人もいるのか・・・私は出来ないですねえ。1冊読み終えてからじゃないと、次の1冊に行けません。

 

で、話を西遊記にもどしますが、ホントは西遊記まとめシリーズというのは、自分であとから見返して、「何回は何の話」というのがすぐわかる、早見表のようなものを作ろうと思ってましたが、すでに皆さんご存知のごとく、あのクドクドした長文まとめシリーズになっております。

反省の意味をこめて、以下、今まで読んでいるところまでを1行まとめにしてみました。

あらためてわかるのですが、牛魔王の話はアッサリ目なんですね。金角銀角や黄袍怪の方が長い。

あと、「大魔王、二大王、三大王」の話を昨日読み終えたとこですが、アノ話しつこいですねえw

 

01:石から猿が生まれ、花果山水簾洞の王になる
02:祖師から名前と術を授かり故郷に帰って混世魔王征伐
03:悟空、東海龍王から棒を貰い、冥王を脅して不死に
04:天界に招かれるが馬番が嫌で、桃園管理に
05:悟空VS天界
06:悟空VS二郎
07:悟空VS釈迦
08:釈迦、取経ルート確認と取経僧探しを観音に命じる
09:よみがえる太宗皇帝01
10:よみがえる太宗皇帝02
11:僧侶玄奘登場
12:玄奘、皇帝から三蔵の名をもらう
13:三蔵、太白金星に救われ、劉伯欽にも救われる
14:悟空加わるが、盗賊6人を殺して頭にタガはまる
15:龍太子加わる
16:錦襴の袈裟泥棒01
17:錦襴の袈裟泥棒02
18:八戒登場
19:八戒承伏
20:黄風怪01「虎先鋒」
21:黄風怪02「霊吉菩薩VS黄風怪」
22:悟浄登場
23:観音、普賢、文殊の「キャッキャウフフ作戦」に騙される
24:人参果01
25:人参果02
26:人参果03
27:白骨夫人が三度来る
28:黄袍怪VS八戒
29:黄袍怪VS悟浄
30:黄袍怪VS白馬
31:黄袍怪VS悟空
32:金角・銀角01
33:金角・銀角02
34:金角・銀角03
35:金角・銀角04
36:宝林寺到着
37:偽烏鶏国国王01
38:偽烏鶏国国王02
39:偽烏鶏国国王03
40:紅孩児01
41:紅孩児02
42:紅孩児03
43:勘違いヨウスコウアリゲーター
44:虎力大仙、鹿力大仙、羊力大仙01
45:虎力大仙、鹿力大仙、羊力大仙02
46:虎力大仙、鹿力大仙、羊力大仙03
47:通天河01
48:通天河02
49:通天河03「観念しろ金魚!」
50:独角兕大王01
51:独角兕大王02
52:独角兕大王03「観念しろ!こって牛!」
53:如意真仙
54:西梁女人国女王の求婚
55:昴日鶏VSサソリ女怪
56:悟空、盗賊を打ち殺して破門
57:悟空VSニセ悟空01
58:悟空VSニセ悟空02
59:VS牛魔王の嫁
60:VS牛魔王の愛人
61:VS牛魔王
62:三蔵の宝塔掃除
63:二郎真君VS九頭虫
64:VS松、柏、檜、竹、杏
65:VS黄眉大王01
66:VS黄眉大王02
67:八戒の道普請
68:賽太歳01
69:賽太歳02
70:賽太歳03
71:賽太歳04「観念しろ犬コロ!」
72:7人の女妖怪
73:昴日鶏&毘藍婆菩薩VS百眼魔君
74:大口の大魔王、鼻が長い二大王、頭のいい三大王01
75:大口の大魔王、鼻が長い二大王、頭のいい三大王02
76:大口の大魔王、鼻が長い二大王、頭のいい三大王03
77:大口の大魔王、鼻が長い二大王、頭のいい三大王04

引き続き、読んでいきます。

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2011年10月27日 (木)

着の身着のまま観音

西遊記読んでまえシリーズも、作中の距離で約半分の、通天河・霊感大王エピソードです。

・・・そもそも霊感大王て誰?と思う人も多いのですが、

「あの、いけにえになる男の子女の子の代わりに悟空と八戒が化けて潜入するやつ」

というと、まあまあの人が「あーあの話」てなる妖怪です。

同じように三蔵と八戒が妊娠する話は知ってても、そのとき闘う相手が如意真仙てとこまでは知らない人、多いかと。

つくづく、西遊記はエピソードありきのストーリー展開なんだろうなと思います。

ともかく通天河はサクサクいきたいです。

第四十七回
聖僧 通天河で行手を阻止されること
金木 小童等を救出し身替になること

3大仙にいい様に騙され、国を乗っ取られかけてた国王も目が覚め、隠れてた500人の僧侶も呼び寄せて、万事解決で、三蔵一行は旅路に戻る。

そして季節が寒くなってきたころにたどり着いた通天河。

河を渡る方法を思案しつつ、一泊の宿を求めて付近の民家を訪ねてみると法事中。

通天河に巣食う霊感大王の祭礼に捧げるため、毎年村の男の子と女の子を一人ずついけにえに出さなければならないとのこと。

まー必然的に、「悟空や助けておあげなさい」という話になりますわな。
こういうことに労苦を厭わない悟空が、いやがる八戒を従えて、まずは悟空が男の子に化けます。続いて八戒。

しかし、顔は女の子に似せたんですが、体がどうやっても巨漢のまま。

悟空「殴られたいか?はやく腹をへこませろ!」
八戒「殴らないでくれよ(;ω;)ガンバルよ」

とはいうものの、なんど呪文を唱えても、「ビール腹の女の子」にしか見えません。

悟空「・・・・・・」

八戒「・・・好きなだけ殴れよ(開き直ったw)」

悟空「しょうがないなあ。おまえ、ボックスステップ踏んでみろ(わ・り・と・・・原文を踏まえてます・・)」

~~参考:ボックスステップ~~

八戒「こうかい?アニキ」

ボックスステップを軽やかに踏んでいる八戒に、悟空がプッと息を吹きかけるとあら不思議、体も小さな女の子。

ようやくうまく化けたふたりをいけにえBOXに収め、祭礼の準備も整っていると言われる霊感大王廟へ出発!てなとこで次回へ。

 

第四十八回
妖魔 寒風をば弄び大雪を飄すこと
聖僧 拝仏のみ念じ層氷を履むこと

いけにえBOXで待機する悟空と八戒のところへ、さっそく霊感大王がやってきます。
霊感「さて、今年も例年通り男の子から食べようかな」
男の子(悟空)「どうぞどうぞ召し上がれ」
霊感「(ゲッ怖くないのかコイツ、気持ち悪いガキ)こ・今年は娘の方からいただくとするか」
女の子(八戒)「イヤイヤイヤ大王、へんな例外はやめましょうや。今年も男の子からどうぞ」
霊感「(こいつもガキにしては変に肝が座ってやがるな気持ち悪い)えーい、つべこべ言うな。お前から食う」

霊感大王が手を伸ばしますが、八戒、もうこらえられず、正体を現してまぐわでうちかかります。

カチンという音がして八戒が「ヨロイを打ち壊してやったぞ!」と弾けとんだ破片を見ると魚のウロコのようなものが2,3片。

霊感「なにモンだ貴様ら!」
悟空「なンにも知らないんだな田舎妖怪!俺たちゃ唐僧の弟子、悟空と八戒だ」

霊感大王はそれを聞くや、そそくさと通天河に飛び込んで逃げていきます。

悟空「八戒、追うな!明日ケリをつけようぜ」
というわけで、先に世話になった民家へ帰還。
三蔵「悟空や、祭りはどうだったかね(←のん気すぎじゃない?)」
悟空「魔物が来たんで、我々で脅してやりました。ソイツは逃げたんで、明日また様子を見に行きます」

というわけで就寝。

こちら霊感大王のアジト。

手下「例年の大王は祭り帰りは上機嫌なのに、今日はずいぶんご機嫌ナナメだ」
霊感「今日はダメだった。へんな坊主二人が子供に化けて、俺に襲いかかってきた。聞くと唐僧の弟子だとか。唐僧の肉は不老長生なので食いたいのはやまやまだが、あの一番弟子はヤバイ」

すると手下の中から「あいなめ姫」なる者が出てきて、
あいなめ「唐僧を捕まえることなど、簡単でございます。もし捕まえられたら、取り立ててもらえますか?」
霊感「おう、成功したら、兄妹扱いにしてやるぞ」
あいなめ「大王様が夜中の間にこの通天河を凍らせておくのです。夜が明け『なんだ河が凍ってるじゃん、歩いて渡ろうじゃん』となったとき、氷を割って唐僧だけ引きずり込めばいいのです」

霊感「それ、採用!」

霊感大王はさっそく通天河をカチカチに凍らせて、夜明けを待ちます。

さて三蔵一行、目覚めてみるとやけに寒い。
八戒「アニキ、寒いなあ(((・ω・)))」
悟空「バカッ!バカッ!バカッ!俺たち出家の身はな、暑さ寒さで文句など言うな!お師匠さんをミロ」

三蔵「悟空よ、寒いなあ…」

悟空「…」

一行が見ると、かの通天河も凍っている。
三蔵「しめた、これなら歩いて渡れる」
悟空「右に同じ」
悟浄「いやいや、4,5日待って、氷が溶けてから、船で渡ったほうが…」
(水怪とは思えぬ消極的な意見)

八戒がまぐわで叩いてみると、カーンカーンと、非常にいい音、しかも頑丈そう。

というわけで、一行が歩いて渡っていると、中程であいなめ姫の作戦通り氷はバリーンと割れ、慌てて空中に飛び上がった悟空をのぞく三蔵、八戒、悟浄、白馬はあわれ水の中。

霊感「あいなめちゃーん!唐僧食べるヨー。共に不老長生を分かち合おうぜ」
あいなめ「いや、待ってください大王。猿はすばやく空中に逃げ、他の妖怪たちも見失いました。ヤツらの襲撃を迎撃して、後の憂いを断っておいてから唐僧を料理しても遅くはないでしょう」

水が苦手ですかさず空に逃げた悟空はともかく、水に飲まれた三蔵以外の、

八戒はもともと水軍の長官
悟浄は水怪
白馬は龍王の息子

それぞれ水難を軽やかに脱して地上に戻りました。

再びあの生贄を出す予定だった民家に戻って来て、立て直し、巻き返しをはかったところで次回へ。

 

第四十九回
三蔵 災禍に遭い水宅に沈むこと
観音 危難を救い魚藍を示すこと

水が苦手な悟空もあんまりワガママ言ってる段階ではなく、八戒・悟浄とともに通天河の奥深く「海亀のやしき」と表札のある楼閣にやってきました。

悟空はエビに化けて屋敷に忍び込み、奥御殿の石箱の中に押し込められてギャン泣きしている三蔵を発見。

三蔵をなだめると、悟空はいったん引き返してきて、とりあえず、水の妖怪の時のいつもの
「八戒悟浄がおびき寄せて、水上の悟空が葬式棒でお見送り作戦」

で行きますが、一回目で惜しくも失敗。

逃げ帰った霊感はあいなめちゃんから悟空の棒の恐ろしさを聞いてもう出て来ません。
八戒悟浄が入り口でどんなに口汚く罵り倒しても霊感の「れ」の字も出てこない。

悟空は「困ったときの観音頼み」で普陀山までひとッ飛び。

入り口では二十四路の諸神、守山大神、捧珠龍女、善財童子がお出迎え。

善財童子(元紅孩児)「大聖、先日はお手数をおかけして申し訳ありません。今では私もホレ、この通り」

などと久闊を叙すふたりに諸神が割って入ります。

諸神「大聖、観音様をお訪ねと存じますが、残念ながらその観音様は早朝より竹林に入ったまま、出て来ません」
悟空「イイヨ、俺が竹林まで行くから」
守山「ちょ・・観音様はまだ、お化粧もしておられず、失礼にあたるかと」
善財「まだ蓮台に登るどころか、ネグリジェ姿のままだし」
捧珠「寝ぐせも尋常じゃないし、きっと頬っぺたに布団の縫い目跡なんかもついてますよ」
悟空「いんだよ細けえことは」

というわけで、365日無礼講の悟空が竹林に入ってみると、

観音「猿よ、もう少し待て」

と、確かに観音は寝起きの姿のまま、竹ひごを削って何かを作っている様子。

おとなしく外で待っていると、やがて観音は竹かごを持って登場。相変わらず寝起き姿のまま。

スッピン観音「さあ、悟空、すぐに通天河に行くぞ」
悟空「え!その顔で?」

言うが早いかもう通天河。

やって来た観音を見て八戒恐れおののきます。

八戒「悟浄よ、アニキはいったい普陀山でどれだけ暴れまわったのか。観音様を下着姿のまま連れてきちまったぞ」

観音は河の上空に位置を占めるとネグリジェの腰紐をほどき竹かごに結わえて河に落とす。

セクシー観音「死せる者は去れ。生ける者は留まれ」

と唱えながらカゴを引き上げると中には立派な光り輝く金魚が。

チラリズム観音「あのねえ今朝、蓮花池を見たら、飼ってた金魚のキンくんがいつの間にかいなくなっててねえ。多分、アンタが血相変えて迎えにくるだろうと思って、竹カゴ編んで待ってたのよ」

悟空「結局アンタの仕業か・・・」

霊感大王が竹カゴに捉われて水揚げされている衝撃で、あのあいなめ姫以下水軍の悪武将達は死滅した模様。

あいなめ「ギャー!竹カゴがぁー!」
鮫将軍「カゴが横を通った衝撃でぇー!」

そんな感じでしょうか。

%%%
五郎疑問
あのー、ここに限ったことじゃないんですが、今まで霊感大王が召し上がってた子供たちはスルー?
%%%

とりあえず、通天河は平和になり、石箱の中の三蔵も助けだし、舟をこしらえて河を渡ろうかと思っていると、霊感大王が来て以来、虐げられていた超巨大な白い甲羅のウミガメが水中からゴボゴボと現れます。

ウミガメ「9年前、突如やってきた霊感大王に『海亀のやしき』を奪われました。取り戻して頂いてありがとうございます」
(てことは観音のところでは池から逃げて9日間てことね。あと、細かいこと言うと10に足りない(完全でない)という意味で9という数字を使ってるんだろうな・・・)

ウミガメ「お礼に向こう岸まで渡して差し上げましょう」
三蔵「なんとお礼を言ってよいやら」
ウミガメ「お礼は結構です。ただ西天に着いた際、仏祖に、『私はいつになったら人間になれるか』を聞いていただければ」
三蔵「お安い御用です」

※最終回付近への伏線超ロングパス。

一件落着ってことで次回へ。

次の50回で5巻が終わるので、そのまま行こうかと思ったんですが、やはりエピソードごとに分けます。

次回、ドッカクジ大王にご期待ください。

壮大なスケールのバカ話です。

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2011年10月18日 (火)

ムカデブラリ

VS三大仙の後半戦はじまるよー~!

西遊記全100回中でも、44~46回は原作を読んで欲しいと切に願う、早瀬五郎なのでした。

多分、↓の記事より数百倍オモシロイです。目立ちませんが、実は3大仙よりも、国王こそがコメディリリーフです。

そして全100回中、唯一じゃないかってくらいの「三蔵が積極的にバトルに参加したがる話」です。

あーーーあと、前回も言わねばならなかったのですが、食事中の方や、気分がすぐれない方は今日の記事流し読みにした方がいいです(どんな注意だw)。

第四十六回
外道 下策を弄して正法を欺むくこと
心猿 聖性を現じて妖邪を滅ぼすこと


前回の雨降らしに感動した国王は、もはや三蔵一行を送り出す気マンマンですが、虎・鹿・羊の3大仙が許しません。

虎力大仙「三蔵殿は素晴らしい法力の持ち主と見た。ここは『雲梯顕聖(うんていけんせい)』で対決させて頂きたい」

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雲梯顕聖
テーブルを50個積上げ、手もハシゴも使わずに登ってその上で座禅を組む。精神が乱れるとテーブルが崩れ落下死は免れない。
~民明書房「僧侶とテーブルクロスと堺正章」より~

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間違っても顕聖二郎真君がTシャツ半ズボンで学校のグランド隅にある「うんてい」してるとこを想像してはいけません。

虎力大仙の挑発にめずらしく悟空はだんまり。
八戒「アニキ、なんで相手してやらねえんだ」
悟空「八戒、おれは『頭を砕く』とか、『内臓を取り出す』とかは全然平気なんだが、『ひとつところにじっとしてる』なんて、できると思うかこの俺に?この勝負は負ける」


三蔵「悟空、座禅なら私は3年くらい平気でできるが」

悟空「お師匠さんがこんな勝負に乗ってくるとはねwでも3年もやる必要はないですよ」

てことで、三蔵と虎力大仙はそれぞれ、積みあがった50のテーブルに座して(三蔵は悟空にそっと運んでもらって)座禅を開始。
このままでは本当に3年かかりそうだと、下で見ていて判断した鹿力大仙が、自分の毛を抜くと南京虫に変え、三蔵の頭部まで飛ばしてガブリ。

なんだかモゾモゾしはじめた三蔵の異変に気付いた悟空は姿を消したまま近づくと頭に南京虫。すばやく南京虫をひねり潰しながら、

悟空「ははあ、そういうことやってもOKなんだったら、こっちもやるよ」

と、悟空本人が30センチくらいの大ムカデに化け、虎力大仙の鼻の頭にぶら下がり、思い切りガブリ。

ギャアアーーーー!という絶叫の尾を引いて虎力大仙落下。

雲梯顕聖、三蔵の勝ち。

腹の虫が収まらない鹿力大仙、今度は、『隔板猜板(かくばんさいばい)』で勝負しようと。

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隔板猜板("かくばんさいばん"ではなく、"かくばんさいばい")
挑戦者と、巨大な箱の間に大きな板を立て、そちらを見ずにおいて箱の中に何が入っているのかを当てる遊戯。いわゆる「箱の中身はなんじゃろなゲーム」。つい最近までバラエティー番組などでよく見られた遊びだが、最近のバラエティー番組は、ネットで拾ってきた動画に、ひな段の芸人達が一言コメントするだけのものが大半で、鹿力大仙はおおいに嘆いている。バリエーションとして箱の中に手を入れて触って当てるゲームもあり、鹿力大仙はおそらくこれも得意なはずである。けして生ダコにさわって「ヒヤーwww」などと言ったりはしない。
~民明書房「鹿力大仙、バラエティー番組を語る」より~

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三蔵「悟空よ、私は透視の術も知らないし、カンも鈍いほうだぞ」
悟空「なに本気で当てようとしてるんですか。私が言った通りのことを言いなさい」

さて、ここに来て突然ノリノリの国王が、皇后から綺麗な衣装をもらってきて、箱の中にセット。悟空は羽虫になって箱の中に忍び込み、中で元に戻ると衣装をクシャクシャにして息を吹きかけオンボロマントに変え、ついでに放尿しておき、三蔵の耳元に羽虫で戻ってきて『小便くさいオンボロマントと言いなさい』と伝言。

鹿力大仙「皇后様の見るも鮮やかな御衣装です」
三蔵「いいえ、小便くさいオンボロマントです」

国王、カンカンに怒って、箱のふたに手をかけると、
国王「乞食坊主め、バカを言うな、見ろこれを!」

箱が開けられた!

国王「正解は皇后の、見るも・・・・・・小便くさい、オンボロマントでした・・・」

国王「ええい、次の問題です!」

それにしてもこの国王ノリノリである。

国王は、今度は庭でもぎたての桃を入れますが、桃食い王・悟空に箱の中で当然のように食われてしまいます。

鹿力大仙「お庭でもぎたての桃でございます」
三蔵「いいえ、食いたての桃のタネです」

国王「正解は、・・・・・・まさに食われたばかりとおぼしき桃のタネじゃ・・・」

鼻にデルモベート(むかで特効薬)を塗りながら復帰してきた虎力大仙が国王に耳うち。
虎力大仙「唐僧は中身を入れ替える術を使っている様子。しかしモノを入れ替えることは出来ても、人間は入れ替えられますまい。今度は私が子供の道士を入れて、自ら答えます」

いよいよ大仙側も、恥も外聞もかなぐりすてた自分で入れて自分で答えるマッチポンプ大作戦を展開。盗み聞きの悟空は箱の中に忍び込んで虎力大仙に化け、
虎力大仙(悟空)「おいお前、箱の中に入るときに、あの悟空に見られてしまったぞ。今からお前の頭を剃り、衣装も小坊主に変えてやるから『小坊主です』と言われたら箱を押し開けて出てくるのじゃ」

虎力大仙「子供の道士が入っておる。さあ、出てきなさい」

箱「・・・」

虎力大仙「子供の道士!どうした!道士よ!」

箱「・・・」

三蔵「いいえ、中にはお寺の小坊主が」

箱は即座に開き、中から適当な経を上げる小坊主が出てきて、三蔵チーム完全勝利。

国王はうすら怖くなり、さっさと出立させようとしますが、3大仙もねばります。

虎力大仙「首を切られても平気かどうかという勝負をしましょう」

もうヤケクソです。法力比べでもなんでもない。

悟空「やっと私の得意種目になってきましたね。まず私から行きましょう」

斬首台にて悟空は首切り役人に首を切り落とされ、生首はポーンとけり転がされます。

切り落としてポーンとけり転がすところがポイント。
首の無い悟空は血も出さずに、首の切り口から「首よ来い来い」と、生首召集。
虎力は土地神に念じ、悟空の首をガッチリロック。
首なし悟空はしばしジタバタしたあと首の切り口から「伸びよ!」と叫ぶと、新しい首が生えてきました。

%%%
五郎疑問
落とされた頭と新しく生えた頭のタガは、どっちがホンモノ?また耳の如意棒はどっちがホンモノ?
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悟空「さあ、こんどは大仙の番ですぜ」

虎力大仙もさすがの剛の者です。首を切られてポーンとけり転がされて「首よ来い来い」のところまでは同じ流れ。
悟空は自分の毛を抜くと赤犬に変え放出。犬は「ワン!」と一声吼えて、虎力大仙の首をくわえたままどこかに行ってしまいました。
いくら呼んでも首は来ず、悟空のように頭を生やすことまでは出来なかった虎力大仙は、パッと血を噴き出して、首なし虎死体になって終了。

国王はもはや真っ青。すぐに三蔵一行を旅立たせようとしますが、鹿力大仙がウンと言いません。

鹿力大仙「こいつら兄者を虎の死体に変えて嬲り者にしおって、今度は私が『切腹しても大丈夫勝負』を挑みます」

悟空は勢い良く自分のおなかを切り開くと、手を突っ込んで内臓を全部出し、太陽にかざしてまんべんなくあぶってから、満足そうに元に戻しておなかを撫でると、はや切り口も無い。

鹿力大仙も同様に内蔵を取り出して、太陽にあぶろうと掲げたところ、餓えた鷹(ご存知、悟空の毛)が飛んできて、五臓六腑すべてつかんでどこかへ飛んで行ってしまいました。

残されたのは内臓の無い白鹿死体。もう我慢できない羊力大仙。

羊力大仙「煮えたぎった油釜に何秒浸かっていられるかの勝負をしましょう」

あー、今書いてて気付きました。基本、実写化を好みませんが、やるなら

虎力:肥後
鹿力:ジモン
羊力:上島

で実写化可能ですな。国王:桑マン、悟空:志村けん、悟浄八戒:タカ&トシ、三蔵:優香。
※敬称略

バカ殿様メンバーで行けますな。

話戻します。
悟空は煮えたぎる油釜に入ると、ジャブジャブと体を洗い、顔も洗ってさっぱりとした顔で出てきます。

そしてお次は羊力大仙。

羊力大仙「いいか、押すなよ?お前ら押すなよ?」

てなことは言いませんでしたが、やはり普通に煮えたぎる油釜に入ってます。不審に思った悟空がそっと釜に手を突っ込んでみると水のように冷たい。

悟空「さては龍王のうちのどいつかが、あの釜を冷やしてやがるな?」

龍王、大ピンチ!

悟空はやはり身代わりをそこに残し、空中に飛び上がると北海龍王(本日2度目)を呼び出し。
※熱いものを冷やすというので北海だと断定するあたり、悟空はやはり、頭いいですね。

悟空「~あまりに口汚く罵ってるので省略~だぞ、コノヤロウ!」

北海「たた大聖、どどどうか怒りをお静めになって。あれは羊力大仙が冷龍を作って釜に離して温度調節しております。私がどうこうしているわけではけして御座いません。しかし、呼ばれて来たからには始末をつけて参ります」

北海は、そういうと誰にも気付かれぬように、釜の中の冷龍を捕まえて、海へ帰っていきました。

さあ、困った羊力大仙、いきなり釜の温度が元に戻ってしまい

羊力「ア゙・ア゙ヂィ゙!ア゙ッヂィ゙!待゙っで!熱゙い゙!」

と、出川先生も恥じ入る素晴らしいリアクション芸を見せながら、必死で釜から出ようとしますが、釜は油でツルツル滑って出られません
あんまり活躍しませんでしたが、羊力大仙は羊のから揚げになって死んでしまいました。

3大仙倒して、あともう少しなんだからこの46回に全部入れ込んでしまえばいいのに、解決編は次回47回です。

まあ、「暗愚だった国王も目が覚め、隠れてた500人の僧侶も呼び寄せて、万事解決で旅路に戻る」ってだけなんですけどね。

47回のメインである、霊感大王のお話はそれほど見所無いのでササーっと行きます。その直後に控えている、ドッカクジ大王こそが、オールスターキャストのバカ話です。

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2011年10月14日 (金)

また、虎の妖怪ですか

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どれも捨てがたいですね。しかし西遊記読んでると、悟空の(72通りといいながら)何にでも化けられる能力はいいなあと思います。

そんなブログネタ消費枕話はともかく、ざくざく行っとかないと、色々あとがつかえてる西遊記広めようシリーズです。

虎力大仙、鹿力大仙、羊力大仙の話は、44回、45回、46回と3回で終わりますが、スミマセン。46回は次回にまわします。

今回の44回と45回は(充分ボリュームあるんですが)あくまで前哨戦で、46回と一緒にするにはモッタイナイ気がしました。

46回自体がそれなりに長大ですしね。

実質、八戒や悟浄よりも貢献している4龍王の活躍にもご期待ください。

第四十四回
三蔵 車を曳く僧に逢うこと
悟空 真の気は体を運ること

三蔵一行は車遅国という国に到着。ここは道士が僧侶をこき使っている国。
偵察に出た悟空は500人もの僧侶をこき使って荷運びさせていた二人の道士から聞き込み(もちろん得意の老道士に変装済み)。
道士「20年前、この国がひどい日照りに見舞われたとき、僧侶たちが雨乞いをしたが、雨の一滴も降らなかった。しかしそこへ現れた3人の仙人『虎力大仙、鹿力大仙、羊力大仙』が雨を降らせ、国を救ったのだ。それ以来、3大仙は国王と昵懇である。そういうことで、この国は道士が偉く、僧侶は奴隷なのだ」
道士(悟空)「あの500人の僧侶は全員、私の身内です(←でまかせ)釈放してもらえませんか」
道士「ならん!」
道士(悟空)「そこをどうか!」
道士「ならん!」
道士(悟空)「よしわかった」

悟空は、耳から腕よりも太い棒を引き出すや、道士ふたりの頬をかるくなでると、もはやふたりの死体。
奴隷体質が身についていた500人僧侶たちは、ひどいことになったとあわてる。
僧侶「なんてこった、斉天大聖様が助けにきてくれるまでの辛抱だったのに」
道士(悟空)「何言ってんだ。俺が斉天大聖その人だ…いや待て、なんでお前ら斉天大聖のことを知ってる?」
僧侶「いや、アンタは斉天大聖の顔と違う。大聖の顔は太白金星という人が、皆の夢に現れて教えてくれた、そしてその大聖が今の奴隷状態から救い出してくれると…

 あのねー斉天大聖はねー
  目が充血してて光っててねー
   毛だらけの顔にむき出しの歯でねー
    棒を使うのが得意なんよー

  て、おっしゃった」

悟空、苦笑い。
「(あの太白金星のアホめ、こんな凡百どころか500人の凡僧侶に俺の個人情報をバラしやがって!」

悟空は変装していた道士の姿から元の姿に戻り、僧侶全員を納得させると、自分の毛を何本か抜いてこまかく噛み砕き全員にひとかけらずつ渡し、
「命が危なくなったらその毛を投げて斉天大聖!と叫べ。俺の分身がお前たちを守ってくれる。俺が今からその3大仙の化けの皮をはがしてくるから、いいというまで、おのおの隠れていろ」

僧侶たちを逃がしたあと、悟空は三蔵の元に戻り、やはり太白金星から夢のお告げを聞いたという僧侶がいる破れ寺・智淵寺に身をよせ、その夜10時。

笛や太鼓の音に気づいた悟空が外に出て様子を探ると7~800人の道士が祭殿で星まつりをしている模様。中の3人の道士がどうやら虎力、鹿力、羊力大仙とあたりをつけた悟空は、八戒、悟浄を呼びつけ、3人でコッソリ偵察。
悟空が祭殿にむけて息を吐くと、灯火いっさいが消え、あたりは暗闇に。
虎力大仙「弟子たちよ、神風により灯火も消えたので、今日は散会といたす」

悟空たちは無人になった祭殿に忍び込むと、祭ってあった3つの巨像にそれぞれが化け

(元始天尊→悟空、霊宝道君→悟浄、太上老君→八戒)

もとの像はトイレに投棄(原文通りです)したうえ、お供物をイタダキマース。

見回りに来た下っ端道士がこの喧騒を聞き、虎力大仙に注進。

虎力大仙「なに?曲者じゃと?」

というところで次回へ。
西遊記は乱暴に言うと主に「アクション話」と「バカ話」と「下品話」の3つに分かれますが、次回45回が「下品話+バカ話」、46回が「バカ話」です。

第四十五回
三清観に大聖 名を留めること
車遅国に猴王 法を顕わすこと

3大仙が様子見に来て、悟空たちは逃げる機会を失い巨像に化けたまま、じっとガマン。
お供物が喰い散らかされているのを見た3大仙は天尊が来られたのだと、いいように解釈して、再びお祭り再開。

虎力大仙「~言上は長いんでカット~どうか天尊殿、金丹と聖水を賜りたく」

と、巨像に向かって懇願。
悟空たち、どうにかしないと道士たちが散会しないので、適当に相手をすることに。

元始天尊(悟空)「今日は金丹も聖水も持ってきてない!あきらめてくれ」

虎力大仙、ついに巨像からお告げまで聞いてしまい、有頂天。
「いやいや、なにとぞ、不老長生の教えを賜りたく」

元始天尊(悟空)「(しょうがねえなあ、聖水やるか)」
太上老君(八戒)「(そんなもん、どこに持ってきてるんだよ)」
元始天尊(悟空)「(まあ、見てなって)では、聖水を授けよう。器を持て」
3巨像の前にカメや鉢が置かれます。
元始天尊(悟空)「天機が洩れてはならん、お前たちは正殿より出て、固く扉を閉めよ」

道士一同、ハハーと平伏して出て行くや、悟空はカメに向かって「いやーたまってたのよ」と放尿。
八戒「アニキよ、ようやくあんたと趣味があってきたよ」
八戒喜んで放尿。悟浄も続いて。

元始天尊(悟空)「虎力大仙たちよ!聖水を拝領せよ」

3大仙も道士たちも飛んできて、まずは虎力大仙がありがたく杯に受けて味見。

虎力大仙「うー・・・ん・・・まあ、正直、美味しくはないのぅ」
羊力大仙「なんだか、豚の小便のような味が(←ビンゴ!てか、豚の小便の味をなぜ知っているのかお前)」

悟空たち、もはやこれまでと、本性を現すと、打ちかかる一同をかわして空のかなたへ逃走。智淵寺に戻ってきて床に就く。

翌朝。そんな夜中の大騒動を知るはずもない三蔵は、弟子3人を引き連れて、通行手形に印鑑をもらうため車遅国国王の前へ。当然の如く、国王の側にはべる3大仙に悟空たちは見つかり、あやうく死刑を言い渡されるところで、全然別件で雨乞い依頼が舞い込み、なんかモメてるうちに、虎力大仙と三蔵で雨乞い対決をすることに

虎力大仙が壇上にあがり、護符を燃やしてなにやら唱え始めると、はや上空は風がびゅうびゅう吹きはじる。
悟空はすかさず自分の身代わりをそこに立たせ、自分は上空に飛び上がり大喝。
悟空「風を吹かせてるヤツはどこのどいつだ!」
大慌てで風婆々と息子の巽二郎(風神の母子。冠二郎では無い)が飛んで来て風が詰まった袋の口を閉じて平身低頭ご挨拶。
風婆々「大聖様、まさかおいでとは存じませんで」
悟空「挨拶はいい!あの虎野郎が呪文を唱えている間にそよ風の『そ』の字でも吹かそうもんなら、お前ら20回ずつ棒の餌食だ」
風婆々&巽二郎「へへぇーー!完全無風を貫きます!」

こちら地上。

八戒「よぉよぉ!大仙の旦那、少しばかりそよ風が吹いたらもう止んだぞ!辞めちまえ詐欺師ー!」

壇上の虎力大仙、「どうも今日は風の調子が悪いようですわい」とあぶら汗を流しながら2枚目の護符を燃やすと、上空にわかに掻き曇り・・・

推雲童子佈霧郎君が護符と呪文に誘われて、何も考えずに雲をあたりに撒いていると、ちょっとありえないくらいのキレ顔をした斉天大聖が目の前に

悟空「お前ら!あの虎力大仙の側に着くということは、斉天大聖様に喧嘩を売るのと同じことだ。さあ、この棒を20ずつ食らえ!」
推雲童子&佈霧郎君「めめめめ滅相もございません!すぐ雲を納めます!まさか、下界でそのようなことになっていようとは・・・虎力大仙が唱えている間は、快晴、ドピーカン、海水浴日和で、お届けします」

さて地上。

八戒「風も無風、空は抜けるような青空、あんた晴れ祈祷師かい!」

虎力大仙、目をシロクロさせながら、3枚目の護符を燃やしますと、いよいよ南天門から登天君雷公雷母とともにお出まし・・・するやいなや、目の前には怒髪天をつく勢いの悟空
悟空「今日は命のいらないやつが大勢いるらしいな!」
登天君「ままま、待ってください!ヤツらの術自体はホンモノで、これは玉帝も無視するわけにはいかず、私どもの仕事も、正式な辞令に沿ったことなんです」
悟空「まあ、怒りは納めてやる。だが、カミナリを鳴らすのは少し待て!」

そして地上。

八戒「早く雨をお願いしますよー大仙様ー。干物になっちまいますよー」

虎力大仙、生汗を5万ガロン出しながら4枚目の護符を燃やします。

ついに上空には、おなじみ東海、西海、北海、南海の4龍王がお出まし。
悟空「ドジョウ4匹!いよいよ俺様に喧嘩売りに来たか!」
東海「まじめに仕事してるだけなのにコレダヨ・・・いや、大聖殿、やつの術だけはホンモノです。しかし今だけは曲げて大聖殿の指示に従いますので、どうかご勘弁を」
悟空は素直に引き下がると、西海龍王に耳打ち
悟空「こないだは、あんたの息子のおかげで助かったよ!」
※前回の黒水河の話
西海「あの甥っ子はまだ海中に鎖で縛り付けております。大聖のご指示を頂いてから処分致します」
悟空「いや、処分はまかせるよw今回もよろしくな!」

地上は本当に雨のあの字も感じられない快晴。

八戒「引っ込めー『降る降る詐欺』のオッサンー!」

虎力大仙「きょ、今日は龍王の皆さんもお留守のようです・・・雨を降らせられず申し訳ない。ギブアップです」

変わって三蔵が登壇。事前に悟空から、「適当にお経を唱えておいてください。あとは全部こっちでやります」との指示通り、静に壇上で読経。

空に控えた悟空が風婆々と巽二郎を睨みつけると二人は力の限り風の入った袋を振りまくり。

地上は激しい暴風で、皆、まともに立っていられない。

悟空が推雲童子と佈霧郎君に指示を出すと、二人でありったけの雲と霧を発生させ、地上はほんの数メートル先も見えない濃霧と上空には厚い雲。

悟空の指示を待ちかねた登天君、雷公雷母が電光サンダーボルト作戦。

悟空「4龍王殿、お願いします」

上空には4匹の龍が現じ、怒涛の雨が地上に注ぐ。

龍の姿まで見られて国王以下居合わせた全員が天を仰いで大喜び(3大仙除く)。

悟空は、風、雲、霧、雷と4龍王に礼をいい、地上に戻ってきて知らぬ顔。

国王はもはや、通行手形に押印して、喝采とともに三蔵一行を送り出そうとしておりますが、3大仙、まったく面白くありません。「待て待て待てーい!」というところで次回へ。

トラ!シロジカ!ヒツジィ!の大仙コンボの活躍にご期待ください・・・といいたいですが、次回も3大仙は「真面目にやってるけどオマヌケ」というキャラ付けの魔力から逃れられません。

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2011年10月11日 (火)

Xメンで言うとサンファイアとか、サンスポットとか、パイロあたり

西遊記です。少しずつ、敵が強くなってきます。

今回は奇しくも「グレはじめた思春期妖怪話2題」そんな感じです。

第四十一回
心猿 火難に遭かること
木母 魔怪に擒まること

枯松潤、火雲洞前。
悟空はいつもの手でさんざん罵りヤジリ倒し、釣られて出て来た紅孩児は、火尖槍をたずさえ、部下には炎の車五台を引かせてます。
八戒「アニキ、やつら引っ越しのようだぜ」
悟空「バカのブタ!あいつら迎え撃つ気マンマンじゃねえか。いいか見てろ、何事も、からめ手というのがあってだな・・・」

悟空は500年前の牛魔王との義兄弟の関係を持ち出して、「坊や、お師匠さんをおとなしく返しなよ」と説きますが、

紅孩児「(`ロ´)ハァアアア?うるせえんじゃボゲ!このヤリをくらえ」

聞く耳持たない紅孩児と悟空は二十合ほど打ち合い。
打ち合いではかなわないと見た紅孩児は、手下が車を並べている場所まで戻り、鼻を二度叩いて、煙と火炎を吹いた。五台の車からも出火。

黄風大王の三昧神風も凄かったが、紅孩児の三昧真火もすさまじい。

あたりは炎しか見えない惨状となり、このすきに紅孩児は洞窟内に逃走。入り口を閉めて出てこない。

悟空「まいったなあの火は」
八戒「アニキでもまいることがあるんだな」
悟浄「^^ニヤニヤ・・・」
悟空「何ニヤついてやがる」
悟浄「アニキたち、よほど慌ててるんだな、向こうが火なら、こっちは水攻めってのは定石じゃないか」
悟空「あ!」
八戒「あ!」

悟空は舎弟いや東海龍王のもとへひと飛び。

東海「これはこれは大聖さん、今お茶を出しますんでね」
悟空「茶はいいよ、もっと大量に水分が欲しいんだ、~経緯省略~というわけで、雨を降らせてほしい」
東海「それはお安いご用です。本当は玉帝に『何時何分、どこへ何㍊降らせます』と申請しなきゃならないんですが、大聖の頼みでしたって言えばお咎め無しのはず。弟達も集めましょう」

ぞろぞろと南海、北海、西海の龍王も集合。いざ火雲洞へ。

中空に4人の龍王を待機させ、2度目のVS紅孩児。
例によって、紅孩児が大火を吐き出すや、上空から4龍王が、1時間に5億㍉くらいの勢いで豪雨を降らせましたが、三昧真火は魔力の火なので、ただの雨水で消せるわけがなく、付近一帯は大火大水で、より大混乱に。このすきに紅孩児は洞窟内に逃走。入り口を閉めて出てこない。
あまりの炎の温度と煙の激しさで、渦中にいた悟空の心臓停止。

東海龍王、雨を降らせる手を止めて
「天蓬元帥!捲簾大将!早く!大聖のお命が危ない!今すぐ助け出されよ」

悟浄、これを聞いて、「アニキ!アニキ!」と泣き叫びながら悟空の体を水中から引き上げ、八戒は八戒で、「まだ死んじゃいねえ」と体中をマッサージして体温を取り戻させ、悟空生還。

悟空「・・・お、お師匠様・・・」
八戒「寝ぼけやがって、俺様にありがとうも無しか

悟浄「寝ても覚めてもお師匠様なんだなあ・・・」

%%%
このシーンも好きです。3人3様、味が出ていて
泣かせます。取り乱して思わず八戒と悟浄に過去の役職で呼びかける東海龍王も好き。
%%%

特に役に立つ事無く、4龍王はしょんぼり帰ります(わりと原文)。

・・・西海龍王と白馬は何か言葉を交わしたりしただろうか・・・

西海「玉龍、まだまだ先は長いが、頑張れよ」
白馬「父上・・・」

なんてなことを。

悟空「こうなると、観音さまにお願いに行くしかないが、体が動かん」
八戒「俺が行くよ、待ってな」

紅孩児君もハナがききます。
「次に助っ人頼みにいくとしたら観音だな?」

紅孩児は八戒の先回りをして、みずから観音に化け、八戒を呼び止めます。
観音(紅孩児)「コブタちゃん、あたしに用?いいよ、その魔物捕らえにいきましょう」

深く考えることをしない八戒はニセ観音についていき、紅孩児の洞窟に一緒に入っていき捕縛。

どうも八戒の帰りが遅く、いやな予感がしてならない悟空はハエに化けると紅孩児の洞窟へ潜入。八戒がニセ観音に騙されて捕らえられているのも確認。

紅孩児「ウワハハハ唐僧のふかし肉パーティーを開くか。おい手下の誰か、わが親父殿を迎えにいってこい」

なんとなく、流れが金角銀角のときと似てますが、気にせず次回へ。

第四十二回
大聖こころこめ南海を拝すこと
観音なさけもて紅孩を縛ること

悟空は先回りしてサクっと牛魔王に化けると、手下をたぶらかし火雲洞へUターン。

 
紅孩児「帰りが早い。あやしい(←スルドイ)」

2、3会話をやりとりして牛魔王がニセモノとバレた悟空は光の速さで逃走。
(どうでもいい話ですが、逃走と唐僧が交互に出てくると、漢字変換のやりかえが面倒です)

手下「悟空が逃走しましたが、追いますか?」
紅孩児「捨て置け!それよりいよいよ唐僧をゴシゴシ洗って、鍋にぶちこむぞ!」

こちら唐僧じゃない、逃走の悟空、体の痛みも癒えたのでこのまま観音のもとへ。

悟空「毎度すみません、かくかくしかじかで」
観音「なに?あのガキが?あたしの姿にばけて?」

観音は怒りの形相すさまじく手に持っていた浄瓶を海中へドボン。

すかさず、海中から巨大な亀が「もしもし、落とされましたよ」と浄瓶を届けてくれました。

観音「悟空、拾えぃ!」
悟空「(コエェェェェー!)へい、今すぐ」

しかし怪力自慢の悟空でも、この浄瓶を持ち上げることができない。

悟空「か、観音さま・・・重い!」

観音「バカザル!よくそれで神通広大などとほざけるな」

悟空「(;ω;)・・・・・・」

観音「まあ、今、三江五湖、八海四涜すべての水をこの瓶が飲み込んだから、そなたには持ち上げられんだろうな。うちの善財龍女(たぶん、怪力美女)に瓶を運ばせ、お前の助っ人にしようかと思ったが、お前、うちの善財をナンパするだろう?だから私が直接行く」

悟空「ひでえなあ・・・」

と、言うや観音は瓶を右手で軽々持ち上げ、恵岸を呼びつけ、
観音「父親(托塔李天王)のとこに行って36ふりの天罡刀を、『全部』借りてきなさい」

恵岸、つべこべ言わず天罡刀36ふりを即レンタルしてきました。観音はその36刀を「千枚の花びらで出来た蓮台」に見せかけ、そこに座ると「悟空、恵岸、行くよ」と、はや火雲洞へ。

観音は山神、土地神を呼び寄せ、付近の生き物をすべて退避させたのち、浄瓶から溜まった大海を流し出し(浄瓶の中の甘露水と混ざり合った大海なので、三昧真火もさすがに鎮火)、紅孩児をおびき寄せます。

観音を見つけた紅孩児は槍で一突き、観音は素早く上空に逃げたが、これを追わずに、残された蓮台に座して、
紅孩児「ウワハハハ、この蓮台、ありがたく頂戴す・・・」
観音「消えよ!そして恵岸!」

気がつくと千枚の花びらは消え、紅孩児は36本の鋭い刀の上に座っております。

紅孩児に驚く間を与えず、恵岸がトンカチで刀の柄をカーンカーンと紅孩児のフトモモに向け千回も叩き込み、次いで観音が呪文を唱えると36の刀の先がすべて曲がり、もう抜けない。

観音は、泣いて許しを請う紅孩児の下半身の刀をすべて取り、かわりに5つの金のタガを頭、手足にはめ、善財童子と名付け、引っ立て行きました。
下半身の刀が取れた瞬間紅孩児は再び暴れようとしましたが、悟空や黒大王でさえ1個でヒイヒイいったタガを5つもはめられて、ギュウギュウ締められてはまともに抵抗できるはずがありません。

以後、紅孩児あらため善財童子は黒クマ君とともに、観音のおそばでボディガードを務めることになりますが、それはまたいずれ。

紅孩児はおとなしくなりましたが、悟空は牛魔王との間に遺恨を残しましたね。

ちなみに今の観音菩薩のおうちのまわり↓

黒大王改め、守山大神
Zm111005_01

紅孩児あらため善財童子

Zm111005_02

このふたりの背後にふたりより格上の恵岸がいて。それ以外にも今回初登場の、美人なんだけど怪力が予想される善財龍女とか、二十四路の諸神などがいて、観音さんのところに攻め入るのは至難の技ですな。

次回43回はショートストーリーなんで、ついでに行きます!

第四十三回
黒河の妖孽 三蔵を拐って去ること
西海の龍子 鼉龍を捉えて回ること

観音さんを見送って、悟浄とふたり、洞窟に潜入して三蔵、八戒を助け出し、一件落着。

・・・微妙に次回にエピソードを食い込ませる理由はわかりませんが、43回がショートストーリーなので、ページ稼ぎなのかもしれません。

三蔵一行、お次は黒水河へ。

そこを渡している小舟で河を渡っていると風が起き、小舟は水没。例によって三蔵&八戒は誘拐状態。つまり小舟の船頭は妖怪。そして唐僧の肉が喰いたい。

相手が水の中ということで、まず悟浄出撃。

水中で適当に妖怪と闘っておびき寄せ悟空が棒で殴る作戦ですが、妖怪は追ってこない。
どうしようと悟空悟浄が相談してると、この黒水河の河神が現れ、
河神「妖怪の正体は西海龍王の甥、鼉潔(『鼉』はヨウスコウアリゲーターらしいです)。我が棲家はやつに奪われた。どうか助けて欲しい」

悟空、すかさず西海龍王をたずね(別名:怒鳴り込み)、これまでの経緯を説明。

龍王、号泣謝罪でその「甥」の素性を説明。

甥は西海龍王の妹の9男。父親は西遊記第9回において、雨を降らせる量と時間を改ざんして処刑された涇河龍王。

おお!まさか、当ブログにて「西遊記とまったく関係無い話なんで」とバッサリカットした涇河龍王エピソードの息子がここで出てこようとは。

というわけで、父親を失い、母とともに棲家も追われた鼉潔がグレぬよう、西海龍王は黒水河に修行に出していた・・・とのこと。

立派にグレてますやん!絶対ソリコミリーゼントに龍の模様のスカジャン着てるでしょ。

西海龍王は息子の摩昂(まこう)に討伐を指示。摩昂はエビ、カニ、アイナメ、ヒラメ、タチウオ、タコ、アナゴといった、とれとれピチピチ豊富な海のさち軍団を率いて悟空もろとも黒水河に参上。
鼉潔「マコッちゃん、いいとこへ!唐僧の肉が食えるよ!不老長生だよ!」
摩昂「バカイトコ!お前のせいで、我が父と、私がどれほど大聖殿に大きな借りを作ってしまったかわかっているのか!」

慕っていた親戚の兄ちゃんに突然どやしつけられてヨウスコウアリゲーターも面白くありません。親戚バトルとなりますが、まあ、龍王の息子は強かったです。あっという間に降参させ捕縛。

摩昂「バカイトコ!来い!命乞いはわが父の前でせよ!大聖殿、ご迷惑をおかけ致しました」

と、龍王の一の王子はヤンキーいとこを引っ立てて帰っていきました(実の弟である白馬君とは親しく言葉を交わしたりしたんだろうか)。

摩昂「弟よ、白馬の姿でもわかるぞ。いい目になってきた。ガンバレ」
白馬「兄さん・・・」

なんてなことを。

さて一行は元の棲家を取り戻した河神に、黒水河を渡してもらって一件落着で次回へ。

次回からいよいよ、虎力、鹿力、羊力(こりき、ろくりき、ようりき)大仙との、超バカゲーム合戦スタート!

子供の頃、このエピソード読んで、西遊記が好きになりました。箱の中身はなんじゃろなゲームとか、いちいちバカすぎるw

1回でまとめきるのはムリかもしれない・・・

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2011年10月 6日 (木)

ブルーライオン伝説~古井戸の彼方に~

↑記事タイトルでハッとした人はファミコン中毒。

西遊記、まとめのほうじゃなくて、リアル読書の方はようやく黄眉大王あたり。

手前で牛魔王との決戦がありましたが、牛魔王エピソードの初戦、VSラセツジョにて芭蕉扇であおがれた悟空が、小須弥山まで飛ばされて、霊吉菩薩(黄風怪を瞬殺したひと)にもてなされてるシーンが良い!

霊吉菩薩の(友情か愛情かはさておき)「悟空大好き」っぷりがにじみ出てて好き。長い名前が覚えられない寺男も相変わらずいい味。

「おサルさん来たの♪」と、いそいそと蓮台から降りてくる霊吉さん、カワイらしすぎる。

そのあと、定風丹というお宝を授けてくれるシーンもほのぼのしてて好き。

さて、ビッショビショの国王幽霊話です。36回スタートなのはもったいない。36本の刀で貫かれる紅孩児こそ、36回スタートにふさわしいと勝手ながら思うのですが、金銀のあと紅孩児はあまりにもボスステージ連チャンすぎるんで、ゆるいエピソードを挟んだんでしょうか?

まあ、そこまで毎回数字にこだわってるわけじゃないってのが正解なんでしょうけど。

第三十六回
心猿 正しく処せば僧侶の伏すること
傍門 劈って破れば月明の見えること

第36回は、私を含め、仏教徒じゃない人たちには箸休め回。
一言でいえば『宝林寺に来ました』
ここを宿にするのにひと悶着ありますが、まあカットで。

 

第三十七回
幽鬼王 夜半に三蔵に謁すること
孫悟空 変化し嬰児を引かすこと

↑引かす(かどわ-かす)です

無事、宝林寺に落ち着き、就寝した三蔵の夢にビッショビショの幽霊登場。
自分のことを『朕は烏鶏国の国王じゃ』言うてます。

~幽霊国王のお話~
あれは5年前。日照り続きで川も井戸も干上がり、危急存亡のとき一人の道士がやってきて雨を降らせてくれた。

国を救ってくれた道士と義兄弟の契りをむすび、2年ほど楽しく暮らしていたが3年前、突然道士に井戸につき落とされた。やつは朕を殺害したあと朕に成り済まして国を支配している。

幽霊となって井戸の底で嘆いて3年。月遊神が現れ「斉天大聖が妖魔をくだしてくれる」と言って、ここまで導いてくれた。
まずは我が息子、太子の援助を得て下さい。この白玉の珪を見れば必ず助けになってくれます。

そんな夢見話が三蔵から、悟空達に。

翌朝、悟空はノウサギに化けると狩りに出ているの太子一行(千人だか数百人だか)を宝林寺に誘い込む。

正体を現した悟空と三蔵からいっさいを聞いて、白玉の珪を見ても、まだ太子はにわかに信じられない。
悟空「では単騎でお城にこっそり戻ってお母様にお聞きなさい」
太子「ああ、わかった。しかし事と次第によってはお前達は不敬罪にあたるのだからな」

続く。
 

第三十八回
嬰児 母御に問いて贋王を知ること
金木 水中に赴いて真物を見ること

烏鶏国の皇后つまりさっきの太子の母親も三蔵が見たような夢を見ていた。考え事をしていると一軍を率いて狩りに行ったはずの息子が手ぶら単騎で帰ってきた。

太子「母上、父上は3年前と比べて、変化は無いですか?」

皇后「あのねえ、息子のアンタにこんな話、聞かせるのもなんだけど、アノ人の体は、ハグするとたまげるほど冷たいのよー」

太子、それを聞くや、宝林寺にUターン。

太子「御僧、どうやら、おっしゃる通りで」
悟空「冷たいか。そりゃ、何かよっぽど冷え切ったやつが化けたに違いない。明朝行きます。一緒に行くと疑われるんで、あんたがたは先に帰りなさい」
太子「どのみち我々は疑われます。こんな大軍で猟に出たと言うのに、今日はずっとここに入り浸りなので猟果がない」
悟空「あーそれは山神、土地神に用意させます。やいオマエラ出て来い

山神、土地神が「棒は勘弁してください;ω;」と命からがら集め倒した獣たちを、将兵たちはつかみ取り大サービス状態で、凱歌も高らかに城へ帰還。

深夜・・・悟空は駄目押しに八戒を「宝探しだ!」と騙して例の井戸に。
欲に目がくらんだ八戒は、宝を求めて全裸で井戸の中へ。

井戸の底はなんと水晶宮。
巡回の夜叉が八戒を見つけ龍王に注進。
夜叉「大変です!口のとがった全裸の坊主が来ました」
八戒「・・・またアニキに騙された気がする(←全裸)

知らせを受けたここの統括龍王その名も井戸龍王。
井戸龍王「なんと、それは天蓬元帥に違いない。月遊神が烏鶏国国王の魂をとりにきたとき、唐僧に会って大聖にお願いするといっていた。大聖と元帥なら丁重におむかえしろ」

丁重にお迎えされて全裸豚がやってきます。

井戸龍王「これは元帥さん、ささどうぞ」
八戒は遠慮するふうもなく上座へ(←全裸)
井戸龍王「たしかうわさでは取経の旅中と聞いたんですが?」
八戒「アニキがな、あんたから宝を貰ってこいってんだ。よろしくな!(←全裸)
井戸龍王「お求めのものは、これですよ。防腐加工済みですから、3年変わらぬ品質です」


その宝とやらを見ると死体国王。

八戒「やっぱりアニキに騙された!こんなのもってかえっても・・・」

気付いたらはや、井戸の底に死体国王と全裸豚二人きり。水晶宮などどこにもない。

八戒、さんざん文句を言いながら三蔵のもとまで死体運び。
おさまりがつかないんで三蔵に「アニキが生き返らせるらしいよ」と適当発言。
八戒の言うことは素直に信じる三蔵が「じゃすぐやりなさい」
悟空「三年もたってんだ、ムリですぜ」
八戒「頭しめたらやりますってw」
三蔵「そう?ムニャムニャ・・・」
(この人にはやさしさってものがないの?)
悟空「イタタタタタタタ・・・」

悟空悶絶のまま続くの巻

 

第三十九回
金丹を一粒だけ天上にて貰受くること
国王は三年ぶり世間にて再生すること

悟空「イタタタタわかりましたちょっと閻魔を脅しますよ」
八戒「いやアニキはさっき閻魔のとこまでいかずとも、地上でいきかえらせるって言ってた」
悟空「無茶いうなよ!」
八戒「お師匠さん、しめてやんなさい」
三蔵「そう?ムニャムニャ・・・」

(この人、色々とダメだろう)
悟空「イタタタタやりますやります。そのかわり『哭きびと』を立てといてください。効果をあげるために、盛大に泣いてもらわないと」
八戒「イイヨやってやるよ」


八戒はコヨリを鼻に突っ込み立て続けにクシャミをすると、なみだと鼻水を大量に出しながら号泣。その様は三蔵ももらい泣きするほど(ほぼ原文)。

(ダメだなあ、三蔵さん・・・)

悟空はそれを確認して老君のいる兜率宮へひとッ飛び。

こちら兜率宮の太上老君は丹房にて童子たち(金の童子と銀の童子もいるのかな?)といっしょに芭蕉扇で火を起こしているところ。

老君「みな、気をつけるんじゃ。金丹泥棒が来たわい

悟空「もう取らないですよww」
老君「こないだも五つの宝を返却無視しようとしたろ!なにしにきた?」
悟空「烏鶏国国王を生き返らせたいんですよ。九転還魂丹を千粒下さい」
老君「飯がわりにサラサラとかき込む気かバカヤロー!無いわ!帰れ!」
悟空「じゃあ百粒ほど」
老君「しつこい!帰れ」
悟空「十粒でも!」

老君「バカザル!奎木狼をけしかけるゾ」

悟空は笑いながら、「じゃあ他をあたります」とおとなしく去る。

老君「あのろくでなしザルめ、随分あっさり引き上げたな・・・ん!!さては裏から忍び込んで盗む気だな?(←バレてる)おい待てエテ公!一粒だけくれてやるから帰れ!」

石もて追われる勢いで兜率宮をあとにすると、はや宝林寺。薬を死体に含ませ国王復活。
翌朝烏鶏国目指し出発。

悟空「国王さん、作戦とはいえ、汚い僧侶の格好に荷物担ぎまでさせて申し訳ない」
生還国王「とんでもない。生き返らせていただいた現在は、貴方様は朕の両親も同じ。荷物担ぎはもとより、労をいとわず、お側近くおつかえし、天竺までお供致します」

三蔵一行に、新メンバー『烏鶏国・国王』が加わった!

 

・・・ウソです。

悟空「天竺まではいいですよw烏鶏国までのしんぼうです」

烏鶏国に到着。通行手形にハンコをもらう手続き中、三蔵一行が国王を拝しないのを見てニセ国王カンカン。
ニセ国王「無礼者め!お前達全員捕らえて・・・」
太子「まあまあ父上、こやつらの話も聞いてみましょう(悟空にウィンク)」

悟空「ニセ国王!お前のほうが無礼だよ!ホンモノはここにいるぜ」

ニセ国王、慌ててお付きの将兵から剣を奪い、逃げつつ悟空と数合。
悟空がトドメ!というところでニセ国王が、居並ぶ登場人物に紛れ込むとそこには二人の三蔵。

三蔵A「悟空や、私がホンモノだ!」
三蔵B「悟空や、私がホンモノだ!」


これを見て八戒ニヤニヤ。
八戒「アニキ、『頭じめの呪文』を唱えてもらえよ」
悟空「イタタタタタタタ!ブタヤロウ、唱えてないのはどっちだ?」


ばれて逃げるニセ国王に追い付き、悟空の棒がトドメを刺す!というときに

「悟空!手をくだすでない!」

振り返ってみると声の主はあのドッキリボサツ作戦の時、観音の誘いにのったひとり文殊菩薩。
文殊は袖から手鏡・・いや、照妖鏡を出して「ほらこれをごらん」とニセ国王を照らすと正体は文殊菩薩のマイカー『青獅子』。

~~文殊菩薩の話~~
もともとここの国王は信心深かったので、如来のおぼしめしにより、天界への昇格話が出て、私が使わされた。私は国王の本心を試すべく、こ汚い坊主の姿で参ったところ、国王は私を縛り上げ、城のお堀に三日間、ぶら下げた。
今回、3年の間井戸の底で水びたしにされたのは、その時の罪ほろぼし。3年経ったので、罪滅ぼしは成った。
この青獅子は、去勢手術してるから皇后をけがしたりしてナイヨ。
しかも、ニセ国王が国を治めていた三年間は日照りもなく天候がよかっただろう?
~~~~~~~~~~
※こうして見ると、「かったい坊主二人」を差別することなく扱った太宗皇帝ていい人ですね。

文殊菩薩はそう言うと青ライオンさんに乗って帰っていきました。

と、いうわけで、ホンモノ国王の過去のあやまちも暴露されつつ、一応すべて丸く収まって三蔵一行は文武百官に烏鶏国のフチギリギリまで盛大に見送られながら旅再開。

しかし、青ライオンさんはいつかまた、パワーアップして一行の前に立ちはだかりますよ・・・

区切りが悪いので、このまま4巻ラストまで行きます。次回、4巻ラストは紅孩児エピソードスタート。

 

第四十回
嬰児の戯化により禅心が乱れること
猿馬と刀圭および木母が空しいこと

↑※猿馬→悟空、刀圭→悟浄、木母→八戒

旅の途中、木にぶら下げられて泣いている小さな子供がいる。
三蔵「おお、親元へ送ってやろう。馬に乗りなさい」
子供「馬はだめだよ、オイラ乗ったことないよ」
三蔵「悟浄、おぶってあげなさい」
子供「このおじちゃん顔が怖すぎるよ」
悟空「ええ、ええ、おいらが背負っていきますよ」

・・・この流れ、銀角のときも見たような・・・

悟空の背中の子供は突然600キロの重さに。とっくに正体を見抜いている悟空は、子供を路傍の石にぶちあてるが妖怪もニセの死体だけ残して逃げている。

・・・これまた白骨夫人のとき見たような・・・

怒った妖怪は、空中で風を起こして三蔵を誘拐。
悟空、八戒、悟浄であたりを探すが、お師匠さんはいない。
悟空は土地神を呼んでこのあたりに生息する妖怪のプロフィールを聞く。

土地神「それは牛魔王と羅刹女の子、紅孩児、またの名を聖嬰大王といいます」
悟空「なんだ、500年前義兄弟の契りを結んだ牛魔王の息子なら俺様にとって甥っ子のようなもんだな。話早そうだぞ」
八戒「五百年ぶりなら牛魔王も忘れてるかもしんないし、その子供なんて縁も何もないんじゃない?」
悟空「まあ行こうぜ八戒!悟浄、留守番頼む!」

というわけで、次巻、悟空・八戒で紅孩児を征伐に行きますが、これもなんか、壮大なスケールのバカ話となります。

悟空もドン引きの観音のキレっぷり必見。

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2011年10月 3日 (月)

ゴールド・ファーネス・キーパー、シルバー・ファーネス・キーパー

↑ネタバレ

金角、銀角編はイッキに行きたかったんですが、34回が盛りだくさんすぎたので、2回に分けました。
ちなみに、如意棒って約8トンあるそうです。現代の物理学を当てはめて話をしても悟空さんに笑われるだけかもしれませんが、大きくしようが小さくしようが重さが変わらないのなら、普段小さくしてしまってる悟空さんの耳の穴の頑丈さたるや素晴らしいものがあります。片耳8トンでまっすぐ走れるのもすごいなあ。

あの8トンの棒をいつも、『お椀くらいの太さにして(原文)』振り回してるんですが、それで殴られれば、そりゃオダブツでしょうな。

第三十四回
魔王 巧算にて心猿を困しめること
大聖 交換えて宝貝を騙しとること

精細鬼、伶俐虫、ふたりのボンクラ妖怪は、前回大事なお宝を猿の毛と交換してしまったことに気づいておりません。

↓※明確に表記はありませんが、触覚のあるヤツが伶俐虫、あたまに角があるのが精細鬼でしょうね。多分。
Zm110930

精細鬼「ウヒャヒャwwwさっそくためそうぜwww」

天に投げ上げたひょうたんは、くるくるまわってふたりの足元へポトリ・・・

伶俐虫「わかったぞ、呪文だ!あの道士がとなえてた呪文を唱えなければだめなんだ!いいか、こうだったぞダメとでも言おうものなら今すぐに天界に乗り込む・・・えい!」

悟空の呪文(いや、それ呪文じゃないんだけどね)を正確にトレースした後、天に投げ上げたひょうたんは、くるくるまわってふたりの足元へ
ポトリ・・・

ようやく騙されたとわかったふたりのダメ妖怪は急ぎ金角銀角のもとへ帰還。空中でこれをみていた悟空もハエに化けて尾行。
金角「やられた!盗人悟空め!」
銀角「こうなったらこっちもアイテムを揃えよう。七星剣芭蕉扇は今俺が持ってるが、最後の一個幌金縄は圧龍洞のオフクロ(九尾の狐)が持ってる。唐僧肉をご馳走すると行って呼び寄せよう」
精細鬼、伶俐虫はもう信用できないので、少しは出来のいい巴山虎(はざんこ)と倚海龍(いかいりゅう)に迎えに行かせますが、ハエ悟空も逃しません。

山中を行く巴山虎と倚海龍を見慣れぬ妖怪が追いかけてきます。

見慣れぬ妖怪「おーいそこのお二人」
巴山虎「ダレダお前」
見慣れぬ妖怪「やだなあ、おいら外まわりの新人だから覚えてもらえてないんですね?」
見慣れぬ妖怪は言葉たくみにふたりに取り入り、圧龍洞の位置などを聞くや、耳からお椀ほどの太さの鉄棒を出して軽くなでると巴山虎、倚海龍そろって『ふたりは肉片スプラッシュスター』
見慣れぬ妖怪は悟空に戻ると毛を一本抜いて巴山虎に変え、自分は倚海龍に化け、二人仲良く圧龍洞へ。
招待の話しを聞いた老婆妖怪は大喜びでカゴに乗り、カゴかきの女怪2人を従えて巴山虎(毛)倚海龍(悟空)に案内させて出発。倚海龍(悟空)は途中休憩と称してむな毛をむしると焼餅に変え
Zm110929_02

倚海龍(悟空)「姉さん方も食べますか?」
カゴかき女怪ズ「あんた気がきくわねイタダキマース」

と、むな毛餅を食べようとしている女怪に0.05秒で棒を食らわせ木っ端微塵。
「何?」とカゴから顔を出した老婆妖怪に8トンの鉄棒が倒れてきて爆裂四散。

今度は毛を4本抜いて2本は巴山虎と倚海龍、もう2本は女怪に変え、自分は老婆妖怪に化け幌金縄も入手。3宝目ゲットだぜ!あらためて、毛女怪にカゴを担がせて毛山虎毛海龍に先導させつつ金角、銀角のもとへ。

・・・悟空のバイタリティすごいなあ・・・

老婆悟空は金角、銀角に「私ゃ唐僧の肉よりあの豚を喰いたい」と冗談をかましていると、外回りの妖怪がなだれ込んできて
「大変です、悟空がおばあさまを殺し、そのおばあさまに化けて潜入した模様」

の最後の言葉も聞かずに金角は宝のひとつ七星剣で切りかかってきますが、悟空はすかさず姿を消す。
金角「おとうとよ、もう怖くなってきた。唐僧の肉はあきらめよう」
銀角「兄ちゃん、俺にまかせとけって」

銀角、言うだけのことはあり、悟空を見つけて勝負を挑むやたちまち彼を捕らえて「ひょうたん」「瓶」「縄」の3宝も取り返す。

悟空を宝のひとつ幌金縄で縛り上げて三蔵たちの横にぶら下げると、金角銀角大喜びで酒盛り。しかし悟空は、はや自分の身代わりを縛り上げぶら下げて洞外へ脱出。
悟空「やい!金角に銀角!孫行者の弟の者行孫さまが来てやったぞ!」

名前が違えば、呼ばれて返事をしてもひょうたんには吸い込まれないだろうと考えたが、残念ながらひょうたんは、名前確認ではなく呼びかけた相手の返事確認で発動するので、

銀角「者行孫!」
者行孫(悟空)「はいー!」


で残念ながら悟空は、ひょうたんの中。
ひょうたんの中で「うへー足が溶けてきた・・・今度は腰まで・・・」と実況しつつ、毛を抜いて「半溶け(毛)者行孫」をひょうたん底に浮かべ、自分は確認の銀角がふたをあけた瞬間小バエとして外界へ脱出。すかさずそばにいた毛海龍を胸毛に戻すと自分が倚海龍(悟空)になり、涼しい顔。

酒盛り続行の金角はすっかり出来上がり気味で、「銀角、もっと浴びるように飲め」「いや兄ちゃんもう飲めねえよ」「いいから酒樽に浸かる勢いで飲め!」と酒シャルハラスメント上司。
銀角、片手で杯は受けられないので、かたわらに何気なくいた倚海龍(悟空)にいったんひょうたんをあずけて杯を両手でもち、グビッと飲んでひょうたんをまた受け取りますが、そりゃもう毛ひょうたんに変わってますわwww

悟空の反撃!というところで次回へ。

この回、読んでてリアルに「スゲーwww」って声がでます。 三十四回だけでもかなりオナカイッパイですwww

次回、金角銀角解決編!

第三十五回
外道 威もて正義を欺むくこと
心猿 宝にて邪魔を伏すること

悟空は、倚海龍からさりげなく元の悟空に戻ると洞外へ。
悟空「やい!金角、銀角!孫行者の弟の者行孫のさらに弟の行者孫さまの相手をしろ!」
金角「弟よ、孫行者は縛ってぶら下げ、者行孫はヒョウタンの中、そのうえまだ行者孫がきやがった」
銀角「兄ちゃん心配すんなって者孫行だろうが行孫者だろうが孫孫孫だろうが者者者だろうが何人来てもヒョウタンに吸い込んで終わりさ」

銀角、自信満々で出てきます。

銀角「こっちへ来いよ行者孫。俺からのお願いはひとつだけだ。ヒョウタン掲げて名前を呼んだら返事してくれるかね?こいつをとくと見ろ(ニセモノ)
悟空「いいぜ。そのかわり、俺もヒョウタン掲げて名前を呼ぶから返事してくれるかね?こいつをとくと見ろ(ホンモノ)
銀角「(やけにそっくりなヒョウタン持ってやがる)どこで手にいれた?」
悟空「おまえこそ!どっから盗ってきた?」
銀角「これはな、~長いんでカット~と言う場所になっていたヒョウタンというわけよ」
悟空「そこにはヒョウタンが二つなってたんだ。俺のほうがオスでてめえのはメスだ」

銀角「ええい、めんどくせえ!行者孫!」
悟空「おう!」

銀角「・・・・・・」
悟空「・・・・・・」
 

銀角「ぎょ・・行者孫!」
悟空「うっすwチワッスwホイッスwティッスwww」

銀角「・・・・・・」
悟空「・・・・・・」

銀角「えっ?」
悟空「えっ?」
 

銀角、自慢のヒョウタンのはずが、とんと封じ込められない。
銀角「チクショー!どこの世も変わりばえがせんなあ・・・宝のヒョウタンでさえ、メスがオスにあったらもう仕事をサボりやがる」
悟空「ハハハハ!まあそいつはしまっておけ。今度はこちらのばんだ。銀角大王!」
銀角「・・・おう」

銀角大王、吸い込み完了!

子分「金角大王様、行者孫の奴が銀角大王様をヒョウタンの中に!」

金角聞くなり体中の筋肉は萎え、地面に倒れて泣き喚く。

金角「こっそり天界を抜け出してこの世に降生してからは、妖怪兄弟として栄華を楽しもうと約束したのに、たかだか唐僧のせいで命を落としてしまうなんて!」
子分「行者孫がまた怒鳴り込んできました」

 
金角「七星剣と芭蕉扇をもってこい!」

金角VS行者孫(孫行者@孫悟空)の打ち合い約二十合、勝負つかず。
悟空、分身して無数悟空で打ちかかると金角は芭蕉扇であおいで一面業火。面倒になった悟空は毛で作ったニセ悟空に金角の相手をさせ、自身は洞窟の方に残る子分を殲滅すると宝のひとつ琥珀の浄瓶発見。宝を懐に入れ、いずこともなく逃走。

蓮花洞に戻ってきた金角、「子分殲滅、宝も無い」というあまりの惨状に悔し泣きに泣いて、昭和の歌謡曲のように、やがて泣き疲れてしずかに眠った。
そこへ忍び込んできた悟空に芭蕉扇も奪われ、追走するも勝負つかず、金角はとぼとぼと圧龍洞の方へ。
悟空は空き家になった蓮花洞で三蔵その他を救助。

悟空お宝:ひょうたん、浄瓶、縄、扇
金角お宝:七星剣だけ



金角は圧龍洞に残った女怪を集めみんなで泣いてると裏山のオジキ、狐阿七(こあしち)大王登場。
狐阿七大王はいきさつを聞くやカンカンに怒って出撃。方天戟を振り回し襲い掛かってくるが八戒にすら負けるテイタラク。オッサン、何のために出てきたんだよ。
これを見ていよいよ覚悟を決めた金角が八戒に打ちかかってきたが、悟浄がすばやく割って入りそこから2対1。
気持ちで負ける金角は敗走の構えを見せているが後方から子分らしき者に呼ばれた。

「大変です!金角大王!」

「おお!なんだ!まだ味方がいたのk・・・」

と振り返るとそこには浄瓶をかまえた悟空!

金角大王、吸い込み完了!

金角銀角を倒し、5つの宝も手に入れ、一件落着で旅を再開する一行の前に老人。

老人「猿の和尚!わしの宝を返されよ」

悟空「さあ、なんのことですかなご老人ww」

老人「とぼけるなよ、このバカザル!」

怒った老人が本性をあらわすと、なんと太上老君。

老君「5つの宝はの、ヒョウタンは薬入れ、浄瓶は薬を飲む際の水入れ、剣は妖魔をしたがえるもの、扇は炉の火をあおぐもの、縄はわしの上着の帯!全部返せ、泥棒猿」
しぶしぶ悟空が5つの宝を返すと、老君はひょうたんと浄瓶のフタを明けた。中から2筋の仙気が流れ出て、童子2人になり老君の左右にはべる。

老君「そして金角と銀角はそれぞれわしの丹を煉る、金の炉番の童子と銀の炉番の童子じゃ。すべて返してもらったぞ」
悟空「なんだ、今回の苦労は全部老君の監督不行き届きが原因じゃないですか!」
老君「アホ言え!わしゃ観音ちゃんに三回も頼まれてしぶしぶ宝とこの二人を貸し出したのじゃ。観音ちゃんはお前達の志の固さを試されたのじゃ」
悟空「チクショーあいつ一生いかず後家でいりゃいいんだ


老君と童子ふたりは兜率宮へ。

今度こそ、総て解決で一件落着。

%%%
五郎推測

三蔵が旅に出る少し前、観音は平頂山に金炉の童子、銀炉の童子を連れて来て5つの宝を渡すと、

観「ここら一帯の大小妖怪を掌握してツートップになりなさい。老いたキツネの姉弟妖怪がいるので、そいつらは縁者として使役しなさい。三蔵一行を簡単に通すでないぞ」
金童子「はい、わかりました観音様」
銀童子「大聖さんたちが高徳が積めるよう、頑張ります」


・・・そんな感じだったかなあと。元からいた老婆妖怪と狐阿七大王では(上記のごとく)苦行として心もとないと思った観音が苦行増量した感があります。
セイサイキもレイリチュウもハザンコもイカイリュウもなんかピリッとしてないですし。
%%%

金角、銀角のお次は井戸の底の幽霊話ですが、これは児童書系ではバッサリカットの筆頭と思われますので、なるべくサクッといきます。直後に紅孩児3力大仙が控えてますからね!

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2011年9月29日 (木)

その時、世界は暗黒の闇につつまれた

突然ですが、無理そうな漢字表示テスト。
1.妖孽
2.鼉龍
3.擒まる

どうでしょうか?2番とか無理っぽい。私の携帯では多分ムリ。

哪吒太子(ナタタイシ)はロ那吒太子で表現しないと、私の携帯はムリ。

Zm110929_01 4巻続きからでーす!

第三十二回
平頂山にて功曹 便りを伝うること
蓮花洞にて木母 災いに逢いしこと

でかくて平らな山、平頂山に来るや、三蔵一行はキコリに話しかけられます。
キコリ「悪いことは言わん、ここは通らないほうがいい。西に行く僧侶だけを選んで食らう魔物がいる」
悟空「なあに、私が成敗してみせますよ」
キコリ「あんたはイカレ坊主だな?ダメダメゼッタイダメ!」

さんざんキコリに脅されビビる三蔵をなだめ、さあ進もうというと先のキコリがもういない。
悟空が得意の火眼金睛で見渡すと、空のかなたにコッソリ逃げる日値功曹。悟空、雲で追走。

悟空「やい臆病幽霊!どうして正面きって言わない!キコリなんかに化けやがって!」
日値功曹「大聖かんべんしてくださいよ。ここの妖怪は本当にヤバイんです。ただ強い上に5つの宝を持っているんです。大聖が知恵をめぐらし、注意深く師匠をお守りするに留めてください。相手しようとか、少しでも気をぬくようなことがあったら天竺へは行けないものと思ってください」

日値功曹を叱り飛ばして帰らせたが、念のため慎重を期してものすごく嫌がる八戒を偵察に行かせる。

一方こちら噂の魔物、金角大王と銀角大王の巣食う蓮花洞。
金角「弟よ、どうやらここに唐から来た坊主一行が差し掛かったらしい。お前見回りにいってこい」
銀角「兄ちゃん、人間喰いたいなら俺がいくらでも捕まえてきてやるよ」
金角「そこらの人間といっしょにするな。俺たちが天界を出るときに聞いた話だが、あの唐僧は十世に渡り修行して(9回は悟浄が食べちゃったテヘ)しかも年齢=彼女イナイ暦らしいんだ」
銀角「そんなやつの肉を食えば俺たちも不老長生間違いなしだな!ようし子分どもと見回りに行ってくるぜ!」

(あ!十世にひとつ足りないとはいえ、悟浄は9回も食っておいて不老長生じゃないのかなあ・・・)

そして鉢合わせの八戒と銀角軍。
八戒「あ!」
銀角「ビンゴ!」

あわれ八戒は銀角軍に引きずられていきました。
 

第三十三回
外道 真の性に迷れること
元神 本の心を助けること

銀角「兄ちゃん!捕まえてきたぜ!」
金角「バカ銀!これは豚弟子のほうじゃねえか。白面のポッチャリ僧侶を捕まえてこないか!黒ポッチャリはいらねえんだよ」
八戒「兄さん方、人違いなら早めに釈放といこうや」
銀角「まあまあ兄ちゃん、こいつだって塩漬けにして裏庭に干しておけば、雨で狩りに出れない日の酒の肴にはなろうじゃねえか」
八戒「まいったなベーコン売り兄弟に捕まったらしい」

銀角は再び出かけ、今度こそ後詰の三蔵一行を発見。

慎重に一行を観察しますと、やはり馬の前にいるエテ公がかなりやっかいそう。
銀角「よし子分ども、お前らは一回洞窟へ帰れ。ここは力押しはやめよう」

子分を帰らせると銀角は老道士に化け、三蔵一行の目の前に。

ニセ道士「と、虎に襲われて、足を、足を怪我しました。どうか、家まで背負って送っていってくだされ」
三蔵「馬にお乗りなさい」
ニセ道士「内股をやられて、馬は無理です」
三蔵「じゃ悟浄、背中を貸してやりなさい」
ニセ道士「お坊様、虎に襲われさらに陰気くさいお坊様に背負われたのでは」

悟浄苦笑い。銀角は最初から悟空狙い。

悟空「はいはい、おいらが背負っていきますよ(このボンクラ妖怪、孫様の目がフシアナだとでも思っているのか)」

銀角を背負った悟空はわざとノロノロ歩き、三蔵たちと距離を取ります。銀角もそれは望むところ。
先を行く三蔵が見えなくなったあたりで悟空は銀角を谷底へポイ捨て。銀角は空中に留まり悟空の背中に「山移動の術」を使って須弥山を投下。
悟空がなんのなんのと担いでいるのを見て、今度は峨眉山投下。それでもまだ持ちこたえているので最後に脳天めがけて泰山を投下。

さすがの悟空も下敷き。

銀角はすかさず三蔵を追いかけて、空中から悟浄を左脇にかかえ、三蔵を右脇に掴み上げ、荷物を足先で引っ掛けると馬のタテガミをくわえて風に乗って蓮花洞へ。
(キッチンから料理皿、飯茶碗、湯のみ茶碗、漬物皿、きゅうすなどを一度に茶の間に持って行こうとしてる一人暮らし男のようですな)
銀角「兄ちゃん!唐僧、捕まえてきたぜ!」
金角「弟よ、お前は重大なミスをおかしている。一番手ごわい孫行者を捕まえてないのはなぜだ!御簾を巻き上げてた捲簾大将なんかいらないんだよ」

銀角「あいつは3つの山で押しつぶしたよ。念のため2つの宝『赤銅のひょうたん』と『琥珀の浄瓶』のどっちかで吸い込んだあと溶かしてトドメをさそう」

金角、銀角はふたりの子分精細鬼(せいさいき)、伶俐虫(れいりちゅう)を悟空の後始末に派遣。

三蔵、悟浄は先につかまってぶら下がっている八戒の横に仲良くぶら下げられしばし出番無し。

三蔵一行を影で見守る金頭掲諦は山につぶされた悟空を見て、この地方の山神、土地神と五方掲諦を呼び出して質問。
金頭掲諦「この山はお前たちがやったの?」
山、土、五「はい、そうです。魔物の妖術(ようするに要請)で」
金頭掲諦「この山の下敷きになってるの、誰か知ってる?」
山、土、五「いえ、存じませんが」
金頭掲諦「斉天大聖殿だよ、クズ妖怪の要請をうけてやったのか知らんけど、すぐ山取らないと100回くらい殺されちゃうよ。あの棒で軽くコツンで轢死体だよ」
山、土、五「あの・・・お言葉を返すようですが、多分、山を取っても我々は殺されるのでは?
金頭掲諦「ものすごく上手に謝りなさいよ。そこまで面倒見切れないよ。正直とばっちりはゴメンだよ」

3山の下敷き悟空前。
山、土、五「大聖様、山神、土地神、五方掲諦まかりこしました」
悟空「まかりこしたがどうしたってんだ」

山、土、五「す、すぐに山を取り払います。なにとぞ不敬の罪をお許しください」
悟空「山をどけるなら許してやろう」
山、土、五「(セェェェェェェーーフ!)」

山はもとの位置にもどり、悟空は無事脱出。

悟空「よし、3人とも頬げたをこっちに向けな。2回ずつ棒でぶっ叩くからな」
山、土、五「大聖様、約束が違いすぎますよ(号泣)」

山神、土地神も結局、金角・銀角にいいようにこき使われている様子。ワーワー言ってますと向こうからザコ妖怪2匹がやって来るのが見えたので、山神たちを帰らせ(セェェェェェェーーフ!)、悟空は道士に化け、待ち伏せ。

言葉巧みにザコ妖怪、精細鬼、伶俐虫と仲良くなり、2宝『ひょうたん』と『浄瓶』の話を聞くと、欲しくて欲しくてたまらない。後ろにまわした手で自分の尻の毛を一本ぬいて、大きなひょうたんに変えると、
悟空道士「人を飲むなど安いひょうたんだ。わしの天を飲むひょうたんと変えてやろう」
精細鬼「じゃあ試してみてくださいよ」
悟空、うつむいてまじないを唱えるふりで「ウニャムニャ・・・近くにいる貧乏神共、今すぐそっと来い」と日遊神、月遊神、五方掲諦(またボクですか・・・)を呼びだし「(いそいで天上界に行って天を隠す方法を考えろと伝えろ!ダメとでも言おうものなら今すぐに天界に乗り込む)」と無理押し伝言。

聞いた玉帝「あいつホントに食えんヤツ。天を飲むなどできるわけが無い」
ナタ太子「あ!思いつきました。北天門の真武君(蛇と亀を踏んづけてる神様)から黒旗を借りてきて、南天門で広げれば、地上は真っ暗闇になるはず」
玉帝「しょうがない・・・やるか・・・」

ナタはハタを取りに北天門。
真武君「いいですよ、黒旗取ってきますんで、蛇蔵君と亀山君を持っててください」
ナタ「ムリですよ、踏んづけたまま取りに行ってくださいませ」

・・・

悟空「むにゃむにゃアイツらまだかよむにゃむにゃ」
精細鬼「さすが天を飲むというだけあって、まじないが長ぇーな」
とそのとき、悟空は耳元に『デキマスヨ』のささやきを聞いて、ひょうたんを天へ投げ上げ。
それを合図にナタ太子黒旗掲揚。

世界は暗黒の闇につつまれた。

悪の組織ではなく、正義の組織の手によって。

精細鬼、伶俐虫大慌てで「まいりました。どうかこの2宝とお取替えください。あと、天を戻してください」

悟空、5宝のうちの2宝ゲットだぜ!

精細鬼、伶俐虫を見送った悟空はナタ太子に礼を言い置いて中空から再び精、伶の2匹を監視。というところで次回へ。

金角、銀角は2回に分けます。本当は子分のくだり、短くまとめたかったんですが、思いのほか面白くて^^
次回、第三十四回は、そこだけ読んでも「西遊記っていいなあ」と思える抱腹絶倒ジェットコースターストーリーです。

期待していいと思うんですよ。

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2011年9月26日 (月)

白馬の意地、八戒の意地

西遊記、ひたすら読んでます。今ちょうど独角兕大王のところでゲラゲラ笑ってる最中です。独角兕大王エピソードのパワーアップ版が黄眉大王エピソードでしょうね。

まとめの方は3巻ラスト付近の黄袍怪エピソードから。少し長いし3巻と4巻にまたぐので、分けようかどうしようか悩んだのですが、以降スター妖怪が並んでますので、多分そんなに知名度の無い黄袍怪は今回で一気に行きます。

黄袍怪はゴツイ見た目に反して意外に強くない。弱いわけではないけど強いわけでもない。それは腕力の強さ弱さの問題ではなく、彼の心の弱さの問題。

三蔵をやっきになって喰おうとしているわけでもなく、八戒、悟浄、白馬の命を取ることにもさほど興味のない黄袍怪の、真意と正体が判明するのは4巻、第三十一回にて

第二十八回
花果山にて群猴 山洞を再興すること
黒松林にて三蔵 魔怪に遭遇すること

前回破門の悟空、花果山に帰ってみると、なにやら焼け野原。あの500年前の大暴れの際、付近一帯は二郎真君によって焼き討ちにあってた模様。ひどいなジロー。500年経っても焼け野原なあたり、「ジロー焼き」の凄まじさがうかがえます。
悟空は早速、東海龍王のところへ行き、甘露水を貰ってきて花果山緑化運動。

龍王「(タカリ屋・・・いや大聖さんフリーになったんだ・・・困ったな・・・)」

三蔵一行の方はといえば、悟空に代わり食料調達班になった八戒が行ったきり帰ってこない(←サボッている)。
三蔵は悟浄を迎えに行かせたが、それも待ちきれず付近をウロウロ。
松林に紛れ込んで光る宝塔を見つけ、無用心にもスダレをめくって中に入ると石寝台の上に魔王。
2ページほど魔王の紹介文がありますが、カット。ようするにゴツイ妖怪ということです。
たちまち気づかれた手下につかまり、魔王の前。
黄袍怪「何者だ?」
三蔵「天竺行き坊主です。私のほかに八戒悟浄白馬がおります」
(この人には仁義とか無いの?)
黄袍怪「いいぞ、一度に4人分の飯のタネができた」
手下「残りを捕まえにいきますか?」
黄袍怪「ほっておけ、こいつを救助しに、向こうから来るさ」

悟浄はようやくサボリブタを発見し、ふたりで戻ってみると今度は三蔵がいない。付近を見渡すと松林方面から金色に光る宝塔が!
八戒・悟浄「たのもう」
手下「大王さま、入り口に『口の長い坊主』と『陰気臭い坊主』、略して『口の臭い坊主二人』が来ました」
黄袍怪「いやな略し方するな。よしよしイイゾ綺麗に洗えば喰えるだろう」

黄袍怪「いらっしゃい。この黄袍怪様の洞までようこそ」
八戒「お師匠を隠しているだろう?乱暴にあつかったりしてないだろうな?」
黄袍怪「えぇえぇ、丁重に人肉マンジュウでもてなしておりますよ。あなた方もひとつづつどうです?」
八戒「(^v^)え!イイノ?」
悟浄「アニキ、からかわれてんだぜ、俺たち人肉どころか生臭禁止じゃないか!」
八戒「てめーこのやろう!」

3人は中空で数十合やりあうが、決着つかず次回へ!

 
第二十九回
難を脱して江流 宝象国に至ること
恩を承けて八戒 波月洞に転ること

3人が打ち合っている最中、洞窟奥に転がされた三蔵に近づく女。
妖怪女房かと思ったら、宝象国の姫「百花羞」でさらわれて13年、ここでムリヤリ夫婦にさせられているとのこと。
百花羞「夫に掛け合って釈放してもらうようにするから、父王に手紙を届けてください」
三蔵「へい、ようがす(←こんなしゃべりかたしない)」

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百花羞って「すべての花が恥に思うほど美人」ていう意味合いなんでしょうか?詳細無いんで、私の想像ですが。なんにしても中2病ネーミング。
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洞窟外。
手下A「コーホーカイ!コーホーカイ!」
手下B「オ・オ・オ・オ・オフェンス♪オフェンス♪」
百花羞「どきなさいアンタ達、おどきなさいよ!ねえちょっとダーリン」
応援部隊の手下をかきわけ、黄袍怪を呼びつける百花羞。
黄袍怪「ちょwww八戒ちょっとまて、タイム!」
百花羞「ダーリン、さっき昼寝してたらねえ、夢の中に神様が出てきて『坊主をタスケテ~略してボスケテ~』て言われたのよ、あの三蔵さん助けてあげてーん」
黄袍怪「お前が言うんならいいにょ!オーイ、口の臭い坊主二人、そういうことだから、奥の坊主つれてとっとと出て行け」

八戒、悟浄、いまひとつ釈然としませんが、三蔵になだめられて先を急ぎます。

さくっと宝象国。
国王「え!娘が!」
三蔵「そうっす(←こんなしゃべりかたしない)。妖怪ハーフの子供も二人おりましたがな」
国王号泣。

なりゆき上、八戒と悟浄で姫を助けに行くはめに。そりゃそうですわな。

行きがけに国王から杯を受ける八戒。
八戒「お師匠様、先に飲むのをお許しください」
ぐいと飲んではや雲を駆って空中へ。←ギザイケメン
国王は三蔵にも杯を進めます。
三蔵「私は飲まないので、悟浄飲みなさい」
悟浄ぐっと飲み干して、
悟浄「お師匠、先に黄袍怪と戦ったとき、二人がかりでかつかつでした。アニキに加勢に行きます」←テライケメン
雲を駆って飛び立つ。

このシーン、好きです。

はやくも洞門前。八戒、うむを言わさず自慢のマグワで門を破壊。
手下「ありゃ、口の長い坊主と陰気くさい坊主がまたきましたよ、忘れもんですかね?」
黄袍怪「ばかったれ(原文ママw)」

八戒「宝象国の姫を13年もかどわかしたままとはどういう了見だ!さっさと返せ」

ここでまた数十合。しかし八戒さっきのイケメンぶりはどこへやら。
八戒「悟浄、ちょっとトイレ行ってくるんで、少しの間、ひとりで踏ん張っててね。オイラも踏ん張ってくるから」

八戒は光の速さで雲隠れ。1:2でバランス取れているところ、急に1:1にさせられて、悟浄は叫ぶ間も与えられず引きずり倒され洞窟内へ連行。

どうなる!悟浄!

で、次回へ。

 

第三十回
邪魔 正法を侵すこと
意馬 心猿を憶うこと

黄袍怪は悟浄を捕まえはしたものの縛り転がしたまま放置プレイ。
逃がした三蔵の手下がすぐ戻って来たのは嫁の入れ知恵に違いないと気づいた黄袍怪。
黄袍怪「犬に劣る売女め!お前のために、13年間クドクドクド(略)お前、親父に手紙書いて坊主に持たせたろう?」
百花羞「(ギクギクギクッ)あ、あ、あ、あの、悟浄さんに聞いてみたらいいじゃないの」

ここで悟浄と百花羞のアイコンタクトで「姫の人相書きを見た三蔵の一存でやった」ていで、この場をやりすごす。
悟浄は常に女性に優しいイケメンです。

疑いが晴れ、ちょっとお酒も入って気分が良くなった黄袍怪は「お前のお父さんのとこに挨拶に行きた~い」なんて言い出します。
百花羞に「そのバケモノヅラでは無理!」と、いわれるが早いか黄袍怪はイケメンに変身。

イケ袍怪は雲を飛ばしてあっという間に宝象国。

百花羞の夫と名乗る男が会いに来たと聞き、国王がおそるおそる会ってみるとなんとイケメン

イケ袍怪「その昔虎の妖怪がかどわかした女を背に走っておりました。私が虎を追い払ってその女と夫婦になり今日に至る。最近になってやっと女房がこちら出身と話しまして。挨拶に来るのが遅くなり、申し訳ない。昨今聞くところによると、かの虎妖怪は取経僧を殺して喰い、その者にすりかわっているとか」

ずいぶん破綻のある話をみなフムフムと聞く。

イケ袍怪「ごらんなさい、あの壇上の唐僧、あれこそは虎妖怪!」

イケ袍怪は役人からもらった水を口に含むと三蔵めがけて吹きかける。

三蔵は虎にトランスフォーム→牢獄行き。

国王はすっかりだまされて酒宴をもうけるが、夜中まで飲み続ける昭和の酒豪・イケ袍怪に誰もついていけない。イケ袍怪は女子18ガクボウの伴奏でひとり酒を飲んでいたが、酔いも手伝って、ついにもとの黄袍怪の本性をあらわす。
あわてて逃げた楽女のひとりを捕まえて頭からムシャムシャ。宝象国大ピンチ。

1)悟空はとうに破門。
2)八戒は逃げたまま。
3)悟浄は縛られて妖怪の洞窟。
4)三蔵は虎に変えられ牢獄。

絶対絶命のこのとき、ついに5番目の男、白馬が

「このままではまずい。ようし、僕が」

とばかりに元の龍太子の姿にもどる。

龍太子は色っぽい宮女に化けると、いまだ手酌でちびちびやっている黄袍怪に
白馬改め龍太子改め宮女「酒の肴に『剣の舞』を舞って差し上げましょう、お腰のものをお貸しください」
と刀を受け取るや、催眠術の舞で黄袍怪をボンヤリさせ、いっきに切りかかる。
しかしすんでで避けられて、そこからは龍太子VS黄袍怪。

龍王の息子はいい線行きましたが、黄袍怪を倒すことは出来ず、足に怪我を負って背走。黄袍怪は、よけいに酔いが回り、色々とどうでもよくなり追いかけずその場で就寝。

今度こそ、本当に絶体絶命かと思われたが、今までさんざん眠りこけていた八戒が、やっと宝象国に到着。

八戒「みんなどこに行ったのやら。ゲッなんでこの馬、足に怪我を?」
白馬「アニキ!お師匠は虎に変えられ捕まった!」
八戒「おわー!馬がしゃべった!」
白馬「しっかりしてくれよアニキ。アニキが勝てない妖怪なら、もうあの人を呼んでくるしかないじゃないか!」
八戒「あの人って誰だよ。いやわかってるけど、ムリだよ。俺が行ったらあの葬式棒(如意棒のこと)で軽くなでられて肉片だ」
白馬「悟空のアニキは仁義の人だ、八戒のアニキをぶったりしないよ。いいかい『お師匠様がなつかしがっている』といって騙してつれてくるんだ。たとえ騙されて来たとしても、この窮状を見てあの人は必ず力になってくれる」

この白馬の参戦~説得シーンがかなり好きです。弟子たちがそれぞれいい味を発揮してきてるのに、あのお師匠さんダメだなあ・・・

白馬にさんざん説かれてシブシブと花果山に来た八戒は、調練中の1200匹の猿に瞬く間に見つかり引き倒されて殿上の悟空の前。
悟空「八戒、お前も破門されたか?」
八戒「そうじゃないよ、お、お師匠さんが…ア、アニキのことをなつかしがってて…」
悟空「あの人はな、俺を破門にしたんだ。なつがしがるわけがない。ウソはやめるんだな」
八戒「ウソじゃないよ、この間もさ(約1ページほどクドクドと話すが略)ていうわけなんだよ」
悟空「おとうとよ・・・はるばるご苦労だったな、遊んでいけよ
八戒「(フル無視かよ)いや、お師匠さんだって待ってるし、遊んでるヒマなんて…」
悟空「おとうとよ、せっかくここまで来たんだ、ここの景色を見ていけよ」
怒らせるとこじれるので、しぶしぶ悟空の案内で、景観を見てまわったが、実際すばらしい眺め。
八戒「アニキ、ここはほんとにいいとこだなあ(←わりと本心)
悟空「おとうとよ、ここで暮らしてみるか?(たぶん本心)」

そんなやり取りをし、朝ごはんに山盛り果実などご馳走になるが、八戒は残してきたことが気になる。
八戒「アニキ、お師匠さんが本当にお待ちかねなんだよ…」
悟空「今度は水連洞のほうへ遊びにいこうぜ」
八戒「(フル無視かよ)アニキ、もう待てないよ、来てくれよ。水連洞には俺は行けないよ」

悟空「そうかい、じゃ、ここでおさらばだ

怒られるならまだ付け入るスキが出来ようものだが、ここまで冷静に相手されると八戒としてはどうにも出来ない。ゴネて棒をくらうわけにもいかない。あきらめて手ぶらで帰る八戒。
悟空は手下に八戒の尾行を命じる。

手下「大王様、あの八戒という者、大王様の悪口を言いながら帰っていきます」

悟空、500年前の魔王の顔に戻り、全部下に号令をかけます。
「ひっつかまえて来い!」

あわれ八戒は1200匹の猿に群がられ、引き倒され、担ぎ上げられ、耳をつかまれ、服は裂かれ、猿の魔王の前に引きずられていきます。

ちょっとほぼ原文ママの引用が長くなりましたが、この第三十回は味わいがあってとにかく好きです。西遊記全100回中、個人的ベスト10に入る名シーンの集まり。
悟空と八戒のセリフひとつひとつに味があって、泣けてきます。

こんな、物凄い状況で、三巻は終わり。これが少年漫画のリアル連載ものだったら来週まで待てないよ・・・

~~ここから第四巻~~

普段不平不満ばかりでまじめに仕事をしない八戒の必死の説得にも密かに驚くんですが、以下三十一回冒頭の悟空の「師匠の身に何があったか早く知りたい様子、助けに行きたくてしょうがない様子」が彼の言葉の端々に見えて、三十回に続き静かな感動を呼ぶ回です。 
 

第三十一回
猪八戒 義もて猴王を煽ること
孫行者 智もて妖怪を降すこと

前回、命がけの説得に失敗した八戒は、ついに猿の魔王の前に引き出され、その命は風前のともし火。
悟空「大食らいのバカヤロウ!帰るなら黙って帰れ!おい子分ども、一番太い棒でコイツの横っツラを二十叩け、そのあと背中を二十、最後に俺が如意棒であの世へお見送りだ
八戒「勘弁してくれよアニキ、お師匠の顔を立ててくれよ」

悟空の心は動かない。

八戒「お師匠でダメなら観音様の顔を立てて、来てくれよアニキ」
悟空「・・・観音の名に免じて殴るのはやめてやろう。命が惜しければ正直にいえ。師匠に何があった?」
八戒「何かあったわけじゃないよ、懐かしがってるだけだ」
悟空「やはり棒を食らいたいかブタヤロウ。あの人は行く先々でわざわいを被る業を背負ったお方なんだ。さあさっさと報告しろ」

~~八戒によるこれまでの経緯説明~~

悟空「このタテガミクソブタヤロウ!その腐れ妖怪に何故、『師匠に手を出したら一番弟子孫さまが敵討ちに来る』って脅さなかった?」
八戒「(ここまできたら徹底して怒らせる方がいいな)・・・もちろん言ったさ!妖怪は、えて公が来たら、骨も肉も皮もばらして食ってやるって
悟空「よくも言ってくれたな。おとうとよ、いよいよ俺様の出番というわけか。しかしそいつをズタズタにしたら俺はすぐここに戻るからな」
八戒「(成功!)モチロン敵討ちがすんだらあとは自由だよ」

ここからはあまりくどくど書くことも無いでしょう。
黄袍怪不在の洞窟に来た悟空八戒は、彼の子供妖怪を盾に悟浄を釈放させ、子供妖怪を宝象国で二日酔い中の黄袍怪の目の前で哀れ亡き者にして黄袍怪をおびき寄せる。

洞窟に戻って来た黄袍怪と悟空の一騎打ち。わずかに力の優る悟空の会心の一撃がヒットしたかと思えば黄袍怪はどこにもいない。得意の火眼金睛であたり一面見渡してもイナイ。
悟空「(さてはあいつ、天界の住人だな?)」
怒りの形相のまま天界まで飛んでくる悟空を見て、天上界門番一同、固まって動けない

四大天師1「まあまあ、大聖さん」
四大天師2「何をそんなに」
四大天師3「イキリ立って」
四大天師4「おられるのか」
悟空「天界の諸将が全員揃ってるかどうか、調べて欲しい。一人減ってるはずだ」

慌てた諸神、諸将たちはそれぞれで点呼してみると、二十八宿が27人しかいない。
角木蛟「我ら四木禽星の一人、奎木狼がいない」
斗木獬「3日おきの点呼を4回飛ばしたからおそらく13日は見当たらない」
井木犴「出来れば内々で済ませたかったが大聖に見つかってはどうにもならない。すぐ呼び出します」
悟空「天界で13日前ということは、地上界では13年前ということか。計算合うな」
※天界の1日は地上界の1年というこの物語上のルール。こうして悟空が天上界に数分いる間に地上で何日過ぎ去っているのかとか、厳密に計算しちゃダメダヨ。

3木星に呼び出されるや隠れていた黄袍怪はすぐに玉帝前に参内。本当の姿、奎木狼に戻り、泣き土下座。
玉帝「天上世界の星の将軍であるお前が、なんでまた人間世界の妖怪になる必要があったか?」
奎木狼「このようなことになってしまい申し訳ありません。百花羞はもともと、天界の香焚き女でした。彼女は私に言い寄って参りましたが、天界の風紀を乱すわけにいかず、私がグズグズしているうちに、彼女は人間界に降り、宝象国の姫として転生しました。仮りにとはいえ、私も約束をたがえるわけに行かず、妖怪に身を落として彼女と夫婦になりました」

顔を上げる奎木狼。
「今回、大聖殿に見つけ出して頂き、私の役目は終えられたと思います。処分はいかようにも」

腹をくくっている奎木狼に玉帝は「降格処分の上、太上老君の炉の火焚き番の職を与え、様子見」の辞令。
働き如何によってはまた元の二十八宿に戻れるかもしれない。

3木星に連れられ去っていく奎木狼。

黄袍怪のエピソードが第二十八回からスタートしたのは彼の正体が二十八宿の一人だったからでした。

悟空「よし、一件落着。そんじゃ、みなさんごきげんよう」

去っていく悟空を眺めながら、
四大天師「大聖、相変わらず礼儀がなってないですな」
玉帝「機嫌よく帰ってくれれば、それで天界は平和で良いのだよ」

宝象国国王も娘が戻り、虎に変えられたお師匠も元に戻して一件落着。
※子供妖怪二人は死んだままでいいの?とも思うんですが、昔の中国の倫理観なので、いまいち良くわかりません。半分妖怪というか、半分神・・・ていうか純粋天上界の血だし・・・魂は天界に上がって童子として何かの職についたと妄想して流していきましょう。案外、奎木狼が食らった罰のように「太上老君の金の炉と銀の炉の番をする童子二人」になったかもしれませんし(五郎の勝手な妄想)。

イカン・・・長すぎた。次回短くまとめたいところですがついに「平頂山キター」。誰もが知らぬはずが無いあのゴールドとシルバーの兄弟妖怪がついに登場。

そして以外と知られて無いんですがあの兄弟、仲がいいんです。

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2011年9月20日 (火)

人参果の数を数えながらお読みください

とりあえず、気ままなひとりごとのつもりではじめた西遊記読んでまえシリーズですが、以外と好評頂いておりまして、ありがたいことでございます。西遊記の面白さをすこしでも広めていくことができれば、本望ですが、それ以前に自分が楽しんで書きたいと思います。

あと、なるべくダラダラと引っ張らないよう、気をつけたいなと。

西遊記をぼんやりしか知らないヒトでも「赤子の形の果実・人参果」あたりはご存知なんじゃないかと思います。たぶん、前回の黄風大王なんかよりはメジャーエピソードのはず。しかし実際のところ、全米が泣いたとか、全米が震撼とか、そんな大層なお話でもありませんので、サクサク行きます。

第二十四回
万寿山にて大仙 故友を留めること
五荘観にて行者 人参を窃ねること

ここは万寿山、五荘観。
エライエライおじさん鎮元大仙は天界の住人も一目置く人物。金蝉子(三蔵の前世)とも知り合い。
どうも自分が留守にしている間に、三蔵一行がこのあたりを通過するらしい。
鎮元大仙「弟子Aに弟子Bよ、わしの留守の間に三蔵という僧侶が来たら、丁重に扱え。人参果を2個差し上げろ」
弟子AB「はーい」

言いつけどおり、やって来た三蔵に人参果を2個出すが、見た目が「リアル生後3日の赤ん坊」で、三蔵は食欲が萎える。
三蔵「こ、こんなカニバリズム・・・も、もう下げてください」
弟子A「いや、人肉じゃないですって。これは三千年に一度、花が咲き、三千年に一度、30個実がなり、三千年で熟す貴重な果実です。ぜひお召し上がりを」
三蔵「ムリ!オエェー・・・」

客は食べないし、人参果は日持ちしないしで、やむなく弟子二人で奥に下がって人参果を一つずつ食べた。
これを物陰から見ていた八戒は、悟空&悟浄を呼びつけ顛末を話す。
木の実と聞いて、サル大王が反応しないはずがない。
悟空「よし、おれが3つ、もいできてやるよ」
最初の1個を地面に落としてしまい、土に消えて(そういう性質の果実)しまったが、慎重に次の3個をもいで三人で1個ずつ食べてあとは知らぬ顔。

鎮元大仙の弟子たちは、人参果を叩き落すときに使う棒が倒れているのを見て、すかさず木のもとへ。どう勘定しても数が足りない。

弟子A「やい、三蔵!果実を取っただろう!」
三蔵「いや、知らないし。あんなのムリだし。てか思い出したらオエェェー・・・」
弟子B「じゃあ、お前の弟子が盗んだんだ!呼びつけて尋問しろ!」
三蔵「ウェップ・・・呼びますよ呼びますよ、オーイ悟空たちよォエェェェー・・・」

どうする三人!

 

第二十五回
鎮元仙 取経僧をば追捕すること
孫行者 五荘観にて大アバレすること

※たまにサブタイがカタカナの時は、正常表示される漢字が無いときと思ってください。

三蔵と鎮元大仙の弟子の前に呼び出された悟空八戒悟浄は最初、

「なんのことやらお奉行様」

とシラを切りまくっていたが、あまりの痛罵面罵に耐えかねた悟空、そっと身代わり人形を置いて、人参果の木のもとへ行くと、腹立ちまぎれに棒で根こそぎ打ち倒す。

一方弟子AB、口汚く罵っているのにもかかわらず、悟空があまりにも人形みたいに涼しい顔なので、もしかして自分達の数え間違いか?と不安になり木のもとへ確認に。

人参果の木、横倒し!ガチ枯れ!

弟子ABは怒りと恐れのあまりヒザを震わせながらも、作り笑顔で一行を晩御飯に誘い、食堂を四方から施錠して鎮元大仙の帰りを待って就寝。

閉じ込められた三蔵一行は悟空の術でたちどころに開錠して夜逃げ!
翌朝帰ってきて詳細を聞いた鎮元大仙、怒りもろともひと飛びに三蔵一行を追いかけて、『袖を広げて捕獲する術』で馬もろともザバーと掬い取り五荘観へ。

縛り転がされた一行を前にして、鎮元大仙の号令。
鎮元「三蔵をムチで打て」
悟空「それはおかしい。盗んだのは俺だから、まず俺を打て」

今更あれこれと経緯を書きませんが、悪魔将軍かゴールドセイント並みに体の頑丈な悟空にムチ打ちが効くはずがありません。

鎮元「次は三蔵をムチで打て」
悟空「それはおかしい。喰ったのは俺だから、まず俺を打て」

先述の如く、悟空は涼しい顔。

鎮元「こいつを釜茹でにしろ」

大釜がグラグラと煮立たせられます。
悟空は庭にあった沖縄のシーサーみたいな石像を自分の姿に変え瞬時にすり替わり、自分は姿を小さくして高見の見物。

弟子たち「こ、この小猿さん、重いなあ!石像を持ち上げてるみたいだ・・・

苦労して釜に放り込むと釜は割れ、中からこんにちは石像。

怒りも度が過ぎてもはやキレ笑いの鎮元大仙
「もうwwwわかったwwwお前の師匠思いに免じて条件つきで許してやる。木を元通りにしてくれ。3日待つ」

このエピソードは割りと好きです。後の虎力大仙、羊力大仙、鹿力大仙との技比べに通じる面白さ。

 

第二十六回
孫悟空 三島にて方を求めること
観世音 甘泉もて樹を活かすこと

枯れた木を生き返らせる方法を求めて悟空は三神山をまわることに。

まず蓬莱山の、福星、祿星、寿星のところへ。
福星「なにしにきたーん?今碁を打っとるのよ。天竺行ってるんじゃないの?」
悟空「いや、天竺へ行ってるんだけど、途中でつい人参果の木を殴り倒して、元に戻さなきゃならない」
福星「ヒドイwww大聖、相変わらずヒドイことをサラッと言うねー。我々は、獣や虫を生き返らせるのは出来るかもしれんけど、あの仙木はムリだよー」
悟空「わかった。じゃ他当たるよ」
福星「お茶飲んでいかないのー?」
悟空「いいよ、時間無いよ!」

 

お次、方丈の仙山、東華大帝。
大帝「あれ?天竺へ行ってる最中て思ったけど、なんでこんなとこまで?」
悟空「いや、実は人参果の木を殴り倒・・・
大帝「工工エエエエ(´Д`)エエエエ工工」
悟空「あのね、行きがかり上、そんな事になってね」
大帝「やることがムチャクチャ過ぎ!ここにある『九転太乙還丹』は、人間ならなんとかなるけど、あの仙木はムリィー」
悟空「アリガト、サヨナラ!」
大帝「待って、待って、特製玉液ジュース飲んでいかない?甘いよ」
悟空「ゴメン!急ぐんで」

 

三神山最後、瀛州の九老仙のもとへ。
九仙「いやームリよー。無いよー」
悟空「わかった。ではこれにて」
九仙「むむ!・・・ちと待たれよ大聖!」
悟空「なんと!ありましたか!」
九仙「お茶と菓子があるよ」
悟空「さいならーー!」

 

※今回のエピソードに限らず、悟空は基本、行く先々でお茶と茶菓子と、時にはご飯を進められます。これ、けして私が冗談半分に話を盛っているわけでなく、原文にほぼ忠実に書いてます。そういう積み重ねのギャグなんでしょうか、それとも当時の人の客のもてなし感として必ず一筆いれておく礼儀なんでしょうか。真意は不明ですが、悟空の「いろんな神々から好かれてる感」が垣間見えて、少しほほえましいエピソードです。

さて八方ふさがりの悟空は、仕方なく観音のもとへ。
落伽山に足を踏み入れると、「錦襴の袈裟泥棒にして黒大王にして黒クマ妖怪改め守山大神」に呼び止められる。
守山大神「こら悟空、どこへ行く!」
悟空「てめえ、この間拾った命をここで捨てさせてやろうか」
守山大神「マアマア悟空さん、そういきり立たないで、懐かしくてつい軽口なんですよ。観音様に会いに来たんでしょ?案内しますよ」
観音は黒クマに「よーしよしよし」と角砂糖を食わせながら(←盛りました)悟空を一瞥。
観音「ナニ?」
悟空「じつはこれこれで」

(観音の小言省略)

観音「そうねえ。昔、太上老君との賭けで私が大勝ちしたとき、怒った老君が私の柳の枝を八卦炉でガンガン焼いて、コゲコゲになったんだけど、甘露水の入った浄瓶に差してたら緑に戻ったんで、これなら行けるかもよ」
悟空「(あんたらナニやってんの・・・)」

※これも言わせてください、けして私が話を盛ってるわけではありません^^

端折りますが、甘露水で木は元通り、鎮元大仙とも仲直りして一行は無事旅を再開。

ところで人参果のエピソードがスタートするのが第24回。
気付きました?
9千年ぶりに熟して食べごろの実が30個
最初三蔵に出して断られて弟子が食べたのが2個
悟空が取り損ねたのが1個。次に取ったのが3個

30-2-1-3=24

悟空に殴り倒されるまでの実の残高は24個です。エピソードスタートは第24回じゃないとダメなんです。

だから全100回の西遊記を読んだほうが、より楽しめるんです。

 

第二十七回
屍魔 三たび唐三蔵を戯うこと
聖僧 恨んで美猴王を逐ること

人参果と黄袍怪に挟まれた、第二十七回、1回こっきりで終わってしまう白骨夫人のエピソードですが、悟空をメンバーから外して次の黄袍怪につなぐという割と重要な役目を負ってます。

白虎嶺という踏破には険しい人外魔境(←すこしおおげさ)に差し掛かった三蔵一行に唐僧の肉を喰いたくて仕方がない白骨夫人が、「ピチピチ若妻」、「若妻の母と名乗るにはどうみても高齢出産すぎる老婆」、「老婆の夫と名乗る老人」に化け3度近づいてくるが、火眼金睛の悟空を騙せるはずもない。
娘と老婆の時は棒で殴り殺される寸前で別な死体をおいて逃げおおせたが、老人のときについに棒をくらってオダブツ。
しかしボンクラの三蔵、八戒、悟浄の目には、悟空が一般人を3人撲殺したようにしか見えない。
痛罵され、破門状まで書かれて放逐された悟空は、花果山に戻るしかなかった。
○冗談か本気か、悟空を悪人扱いの八戒→「行動より言葉の人」
○何も言わない悟浄→「行動も言葉も無い人」
○八戒の言うことしか信じない三蔵→「自分に耳ざわりのいい言葉しか信じない人」
○言葉が足りない悟空→「言葉より行動の人」

1回こっきりのお話ですが、これほど読んでて胸が悪くなるエピソードもなかなかないです。

この話に観音をはじめとする天界の住人が一切絡んでこないのも不思議ですが、まぁ誰か来たらうまく取り成してくれて破門イベントが消えちゃうから、作者的には入れようがなかったんでしょう。
観音は観音で宝蓮池の金魚に向かって「これも試練だよね」て言ってるかもしれないし。

そんなわけで、一人減った一行は、「読み返すと意外と複雑な次の第28回~31回のエピソード」へ。

第28回から始まるのには意味があります。

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