カテゴリー「読書班-ミヤベニア」の24件の投稿

宮部さんの作品読みます

2013年7月17日 (水)

ホーム&アウェイ

宮部みゆきさんの「泣き童子 三島屋変調百物語参之続」を読みました。
「おそろし」、「あんじゅう」に続く、三島屋のおちかお嬢さんが、市井の人の怖い体験談を、聞いて聞き捨て、語って語り捨てでお互い気持ちを軽くしましょうシリーズ第3弾です。
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例によって、かなりのボリュームですが、宮部さんの本はサーーって読めちゃいますね。
遅読の私ですらこのスピードなので、早い人だと買ってきたその日に小一時間で読むんじゃないかと心配になるレベル。

毎回5話持ちかと思ったら、今回は6話来ました。ただ6話の中に、おちかさんが「立身出世の大立者三河屋の主人」の趣向「怪談語りの会」に招かれて、アウェーで4人もの怪談話を聞いて来るエピソードがあります。
ホームである黒白の間で聞いた話じゃないんで、あれをノーカンにしたら今回も5話、5人の語り手ってことでしょう。
(公式見解はわかりません)
今のところトータル15話。アウェーを入れると19話。

あらすじ【泣き童子】
■魂取の池
カップルを必ず別れさせる効果てきめんの池!

■くりから御殿
今は羽振りもまあまあの壮年の商人は、小さい頃故郷で大津波に遭遇した生き残り。天涯孤独で引き取られた屋敷で、少年は津波で死んだ子供たちと再会する。

■泣き童子
「三島屋のおちかさんに話を聞いてもらいたい」と、なかば死にかけの老人が息も絶え絶えに語ったのは、特定の状況で火が着いたように泣き叫び続ける幼子の、哀しく救いの無い物語。

■小雪舞う日の怪談語り
アウェーで4人の怪談を聞くのとは別件で、青野の若先生となかなか距離が縮まらないおちかのモヤモヤ話。

■まぐる笛
人を喰う魔物とそれを退治するモンスターハンターの話を、とつとつと語る東北の若侍。

■節気顔
放蕩の限りをつくし、もはや自分の命もいらないとばかりに明日もない暮らしをしていた男は、とある商人から節季の日だけ顔を貸してくれと頼まれる。取引は3両。それ以来、節季の日、1日だけ、体つきはそのまま、顔だけ別人になる暮らしが始まった。ぼんくらだったが飲み込みの早い男は、最初の1日目で、この怪異の利用方法を思いつく。放蕩を続けた男の無償の恩返しの日々が始まる。

「おそろし」も「あんじゅう」も、かなり怖い話オンパレードだったのですが、今回のストーリー郡は、わりとコミカルな味付けが多い気がします。「魂取の池」も「まぐる笛」も「くりから御殿」も、どちらかというとほのぼの系。

それでも「泣き童子」はヒドイ話しなんですけどね・・・
「節季顔」も、前段の放蕩暮らしがたたったとは言え、救いが無いんですけどね・・・

面白さを別として、お話の怖さで言うと、「ばんば憑き」の方が怖かったと思います。

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2011年10月25日 (火)

髪結いの浅次郎さんが途中からイッコーさんで脳内再生され始めて困る

宮部みゆきさんの「おまえさん上・下巻」を読み終えました。
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井筒平四郎のシリーズはどれもサスペンスやミステリーの味わいを出しながら、最終的には柔らかい着地をさせるので好きです。
あからさまな大団円は実は嫌いな方なんですが、井筒さんのシリーズはこれでいいです。いや、これがいいです。

あらすじ【おまえさん】
往来で背中から一太刀に切り殺されていた素っ町人。調剤室で背中から一太刀に切り殺されていた薬屋の主人。川に浮かんだ夜鷹の死体もまた、背中から一太刀で切り殺されていた。つながらない3人と犯人を結ぶのは何か?井筒平四郎の甥で河合屋の五男で超絶美少年の弓之助が、誰も気付かなかった犯人を推理だけで割り出す。

上巻も下巻も、そうとうなボリュームなんですが、まー宮部さんの本なので、難なくスイスイ読めます。

かといって平日午前2時まで読んではいけません。

今日は早く寝ます。
(でも残り200ページくらいになると、もうブレーキ踏めないですよねえ・・・)

平四郎、弓之助、三太郎、政五郎、お徳さんと「ぼんくら」「日暮し」からのレギュラー陣もいっさい欠けることなく登場し、満足の活躍を見せますが、さらに今作から河合屋の五男・弓之助の兄、三男・淳三郎と、平四郎とタッグを組む若い同心間島信之輔が加わり、物語により厚みをもたせてます。

超絶頭脳に加え、登場する女性陣をほぼ全員虜にする美少年・弓之助も、たいがいファンタジーなんですが、その兄の淳三郎はさらにファンタジーでした。

そうだ、今までの井筒さんのシリーズで、このキャラクターはいなかったですわ。美形はたくさん出てきた記憶はありますが、「美形で、コミュ力が甚大で、軽く(←ここ重要)、馬鹿っぽく見えて実は頭が良く、品がある」この難しいカテゴリーのキャラはいなかったですよ。
仮面ライダーフォーゼのジェイクに物凄い頭脳をプラスした感じ。

淳三郎、面白かったです。チラとだけ出てきた長男と、次男、四男の出番は今後あるのか?

で、今作の主役「間島信之輔」の登場です。

読む人によって違いはあると思いますが、私は間島様が主人公だと思ってます(井筒の旦那は進行役)。

最初の小さな乱闘事件に、目に鮮やかな十手術を引っさげて颯爽と登場し。
途中メイン事件とのかかわりにおいて懊悩し。
最後に謎のままだった十手術の最終奥義で締める。

カッコイイ!

・・・しかし・・・イケメンじゃないんですよ。むしろ顔の出来は作中で常に残念と評されるほど。

宮部さんの作品で主要キャラが容姿がよくないって珍しいですね。
平四郎がなにかにつけ「(これでもう少しだけ顔が良ければ・・・)」と嘆くほど。

【おまえさん上巻】
おまえさん一~十八

【おまえさん下巻】
おまえさん十九~二十一
残り柿
転び神
磯の鮑
犬おどし

最後まで読み終えてサブタイを並べると、「おお!」と、なかなか来るものがあります。

犬おどし、なるほどねえ。転び神、なるほどねえ・・・

磯のあわびの片思い・・・悲しいねえ。

面白かったです。お徳さんの料理描写が少なめなのがちょっとだけ残念。

井筒さんの次のシリーズがあるとして、間島様はもう出ないのかな。レギュラー陣というよりは、「主役にしてゲストキャラクター」そんな扱いです。

あと、絵に描いたような三男坊・淳三郎はあのままでいいんですが、弓之助さんはそろそろ進路を決めてほしいです^^

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2011年10月17日 (月)

新キャラも何人か出てきつつ

西遊記を読むかたわら、宮部みゆきさんの「おまえさん上下巻」を読んでおります。

「ぼんくら」、「日暮し」と続く、井筒平四郎シリーズの第3段。

今、上巻の6割がた読んだところ。

読み始めのあたりから、ずっと待ち焦がれ、想像をたくましくせざるをえなかった大黒屋が、やっと出てまいりました。

徐々に恐ろしい話に、なってきつつあります。

ウッカリすると徹夜しそうになりますので、途中で全然関係無い用事を挟んで、中断しつつ、極力じわじわ読むことにしてます。

なんですが、すでにして非常に危険なのめりこみ具合なのですよ。

おでこさんの過去話がチラチラ出てきてる時点で、もう気になって気になって仕方ない。

登場人物の中では相変わらず平四郎の細君が好きなのですが、今回も要所要所で笑わせてくれて、ダークな物語に少し箸休めとなってます。

それはそうと、井筒平四郎シリーズってこれで終わりじゃないですよね?

まだこの先続いて行きますよね?それだけが気がかり。

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2011年8月 1日 (月)

高反発まくら

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宮部みゆきさんの「チヨ子」を読みました。
現代物の短編集ですが、ガチリアル物では無く、少し異界に入りかけのSF、ホラー、ファンタジーなどの作品集です。

とりあえず、宮部さんの作品はいつもそうですが、おもしろくてイッキです。

あらすじ【チヨ子】
・雪娘
雪の日に無くなった小学6年生の女の子。年月がたち、それぞれ大人になった主人公達の回想で女の子の死の真相が明らかになっていく。

・オモチャ
玩具屋の老主人が無くなって以降、商店街に起きる不思議な出来事。

・チヨ子
着ぐるみを着ての風船配りのアルバイトを引き受けさせられた女子大生が、着ぐるみののぞき穴から見た世界。

・いしまくら
公園の池に女子高生の死体が浮かぶ。犯人はすぐに捕まるが、女子高生の生前の行いにある事ない事噂を立てられて義憤に駆られた彼女の出身中学の女子中学生が、正義のためにルポをまとめようとするが。

・聖痕
神とは誰のことか?
神が現れると預言した預言者とは誰のことか?

出発点はものすごくありきたり(殺人事件がありきたりなわけは無いですが、SF作品としてはという意味で)な事件からはじまり、やがて予想外の展開に持っていくのは、さすがの宮部さんという感じで、「聖痕」などは後半の世界観の爆発的な転換ぶりは、寒気がするほどでした。
「雪娘」とか、「オモチャ」などは北欧民話のようで、しっとりとしてて読みやすく、読後の後味の悪さもありません。
「いしまくら」もシンプルな構造ですが、趣きがあってさわやかな読後。

宮部さんの小説は文章を書く上で、色々と勉強になります。

で、問題の表題作の「チヨ子」なんですが、

まさか、宮部みゆきさんの小説で、ガンダムやターボレンジャーの名前を目にするとは・・・
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これが一番度肝を抜かれましたw

ちと思い立って「そのキャラが絶対に言わないセリフ」を言わせるテスト。
金田一耕助「ではそのときスケキヨ君はガンプラを造ってたとおっしゃるんですね?」
等々力警部「うむ、そうだね。ZZのクィンマンサで、素組みまでは出来ておったらしい」

ポアロ「そうですモナミ。wiiのコントローラーは一人の人間にしか握られてないのです」
ヘイス「ですがポアロ、ジョージ氏は慣れない3DSで3D酔いしたと言ってたはずでは?」

マープル「ねえバンドル、先週のヤンマガは頭文字D休載だったかしら?」
バンドル「いやあね、マープル、休載はプレボの彼女のカレラの方だわ」

まいどおふざけですみません^^

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2011年4月 6日 (水)

「おそろし」や「あんじゅう」よりもっとヤバイ魔物が続々登場

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宮部みゆきさんの「ばんば憑き」を読み終えました。
5本の中長編からなる時代物です。過去の作品からのスピンオフもちらほら。
結構なボリュームの本でしたが、宮部さんの作品ですので、読み始めたら止まりません。
サーって読んじゃった。

あらすじ【ばんば憑き】
☆坊主の壷
古い掛け軸に描かれた絵は凡人にはただの壷の絵にしか見えないが、特定の人間には壷にミッシリはまった坊主も見えるという。
坊主が見える人間は人助けの特殊能力を得るとともに、厄介事まで手に入れてしまう。

☆お文の影
読むのに多大なエネルギーを要する悲しいお話。
引退した回向院の茂七親分から諸々を引き継いだ、押し出しの強いコワモテ十手持ち政五郎親分の初主役物語。人間ィオ・レーダー略しておでこさんも健在!

☆博打眼
黒い巨体に50の目を持つ汚らわしい謂れの妖怪博打眼VS50体の張子の犬のおもちゃたち。
酷悪魔獣VSゆるキャラの激しいバトルが!!

☆討債鬼
貸したものを取り立て損ねて死んだ債権者が債務者の子となって蘇る、子供の姿をした討債鬼。
あんじゅう 三島屋変調百物語事続にて「黒い魔物」の話をおちかさんに話して聞かせた深考塾の若先生・青野利一郎のスピンオフストーリー。
いまひとつ腕に覚えなしの若侍・利一郎にもやはり悲しい過去があった。若先生の過去話と、討債鬼征伐というふたつのお話が同時に読めるお得作品。

☆ばんば憑き
湯治旅の若夫婦の旦那が相部屋となった老女から聞かされる、恐ろしい「ばんば憑き」の儀式。閉村の「家名を守る」という名の妖怪に魅入られた3人の男女のお話。これは怖い。

☆野槌の墓
読むのに多大なエネルギーを要する悲しいお話2。
父一人娘一人、つましく傘貼りで生計をたてて暮らす貧乏侍・柳井源五郎右衛門に、化け猫から妖怪退治の依頼が入る。妖怪の正体由来を聞くに着け、源五郎右衛門は殺すのではなく、救う方法がないかを考え始めるが・・・
ほのぼのした文体に騙されて読み続けていくと突然心をちぎられるような展開に驚くハード作品。

「お文の影」のおでこさんあいかわらず可愛らしいですね。取り扱う事件が小さな子供に対して極悪すぎて
おでこ「ここからは話すのがつらいです」
政五郎「(私だって聞くのはつらい)」
的なやりとりが健気です。

今作中では、「討債鬼」のお話が好きです。「あんじゅう」の時から読み書き塾の若先生は私の中でずっと俳優のエイタさんで再生されてます。今回もそのキャラ設定でいっさいブレてませんでした。飄々とした若先生なのに、あんな暗黒な過去を飲み込んで生きてたとは、あんじゅうの時には思いもしませんでした。若先生の過去話は「火車」を読んだとき以上の黒い衝撃&やり場のない怒り!討債鬼の話で少しは救われるところがあっただろうか・・・

「博打眼」もいいですね。
50人の人間に「あんなことやこんなこと(←作中ですら明確に描写できないほどのグロテスク製法)」をして作り出される人造妖怪博打眼が鳥肌立つほどヤバイのに、それを征伐するのが、50体の張子の犬のおもちゃというのが脱力系で安心させてくれます。

物理的に無理な相談かもしれませんが、宮部さんはこのボリュームの中編をガリガリ書いてほしいです。ほんとはおちかさんの百物語に入れても大丈夫な5本の妖し話ですが、あの「聞き手スタイル」で書き続けていくのは骨が折れるのかもしれません。
もう開き直って話を聞いたあとにおちかさんが記述してるスタイルにすれば、宮部さん自身がおちかの人格を借りて書けばいいだけなので、いいなあと思わないでもないですが、百物語は様々な人があの部屋におとずれ語り捨てで去っていくスタイルじゃないと面白くないか^^;

あんじゅうを読んでない人は先にあんじゅうを読むのがオススメ。

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2010年8月10日 (火)

残り91話となりました

宮部みゆきさんの「あんじゅう」を読み終えました。先に読んでいた「おそろし」の続編です。
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袋物屋の三島屋に事情があって身を寄せている娘おちかさんが江戸中から集めた怖い話を百話になるまで聞いていく・・・という筋は前作から同様。
全部で百物語らしいですが、「おそろし」で5話、「あんじゅう」で4話。残り91話。・・・あと30年くらいかかりますかね。

あらすじ【あんじゅう】
第六話『逃げ水』
村を襲う日照り神に取り付かれた少年は、自分の意志とは裏腹に周囲の水を干上がらせていく。周りの大人はその呪いに悩まされるが、少年はなぜか日照り神と仲良くなり・・・
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第七話『藪から千本』
夭逝した双子の姉を模した人形を家族は大事にしたが、残された妹に良い事があるたびに、人形に無数の針が立ち、妹には針の跡のように発疹が出る。

第八話『あんじゅう』
前作第二話、第五話に登場したのは屋敷幽霊。第八話に登場するのは屋敷の暗闇に潜む人ではない獣「暗獣」。

第九話『吼える仏』
坊主のふりをして托鉢行脚にまわる破壊僧がまぎれこんだ村。閉鎖的な因習が村の若者を魔人に変えてしまう。

前作「おそろし」に関しては心底ヤバイ話のオンパレードでしたが、今作「あんじゅう」にて少しバラエティーに富んで来ました。第六話『逃げ水』は周囲が拍子抜けするほど「ひとりぼっちで寂しいたたり神と共存していこうと考える少年」の少しだけ切ない感動話(水がどんどん干上がっていくというのは充分怖い話ですが)。
第八話『あんじゅう』は人間と人間で無い物の互いを愛するがゆえの別れの話。
本自体のタイトルにもなっているだけあって、あんじゅうには作者の力がこれでもかというくらい入ってます。
読んでて目から水がいっぱい出てくる。止まらない。
暗獣が健気過ぎて目からいっぱい水が出る。

その分、第九話『吼える仏』が割りを食った気がしないでもない。物凄く怖い話ですが、ページ数的にも『あんじゅう』の8割程度で、サーっと駆け抜けていった感じ。もう少し「魔人になってしまった村の若者」の心の変化を掘り下げて欲しかった。

宮部さんも狙っておられるのだろうと思いますが、三島屋のおちかに話を聞かせにくる人達のキャラがびっくりするほど被りません。
第一話:建具商の主人
第二話:鍵屋の娘
第三話:おちか本人
第四話:さる商家の若妻
第五話:屋敷幽霊
第六話:質屋の丁稚
第七話:針問屋夫人
第八話:学習塾の若先生(本職は侍)
第九話:偽坊主

よくこれだけ老若男女、多様な職業を集めたもんだと感心しました。そのうち「お忍びの奉行」とか「お忍びの将軍」とか出てこないかなあ。あ、でもそういえば話の中に出てくることはあっても話者自身が十手持ちとか岡っ引きというのはまだ無いですね。食い物屋も出てきてない。宮部さんにしてはかなり珍しいことです。いや、その2職業は満を持してということなんでしょうか?

色々書きましたが、面白かったです。分厚い本でしたがサクっと読んでしまいました。
早く残り91話が読みたい。

↓この動画のナレーション、宮部みゆきさんご自身だそうですよ。豪華ですね。

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2010年7月21日 (水)

残り95話という現実がおそろし

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夏侯さんからお借りしていた宮部みゆきさんの時代小説「おそろし」を読みました。

宮部さんで時代小説というと主人公は16~17くらいの聡い娘さんなんですが、今回もそうです。

とある事情があって袋物屋を営む叔父夫婦のもとに預けられることになった娘おちかの心の闇を晴らすため、叔父の伊兵衛は不思議な話、奇妙な話の持ち主を江戸中から集め、おちかに話して聞かせる趣向を用意した。
そんな内容で、多分100話続いていくと思われます。
が、しかし当作品中で5話。今年中にまた読売新聞で続きの連載がはじまるとかはじまらぬとか。このペースで発表されていると完結100話目は20年後くらい?

あらすじ【おそろし】
第一話『曼珠沙華』
庭に咲いた曼珠沙華の花陰から、こちらを呪い殺そうと睨みつづける顔がある。
家族のことを案じる長兄と、現在の自分を守りたい末弟。呪っているのはどちらか?泣いているのはどちらか?

第二話『凶宅』
流しの鍵屋は立ち寄った屋敷の番頭風の男に「この屋敷に1年住み続けたら百両差し上げますよ」と持ちかけられる。裏があると怪しむ家族を説き伏せ、鍵屋一家は屋敷に移り住んできたが、1年後帰ってきたのは娘だけだった。

第三話『邪恋』
聞き役おちかがはじめて話す、兄と許婚ともう一人の青年の話。

第四話『魔鏡』
鏡の中から、出してくれと叫んでいる娘がいる。

第五話『家鳴り』
第二話に登場した屋敷とおちかの対話。

ものすごく怖かったです。
おばけが怖いとか、幽霊が怖いとか、そういう次元ではなく、人の心の醜さが怖かったです。
そういう意味では
『曼珠沙華』怖い度:100
『凶宅』怖い度:90
『邪恋』怖い度:70
『魔鏡』怖い度:200
『家鳴り』怖い度:5

どれも怖い話ですが、ラスト家鳴りだけはどうしても、とりあえずの解決編になるため、怖さは半減します。
その『家鳴り』ですが、人の魂を飲む屋敷によって失われたものを取り戻すため、いよいよ屋敷の妄念が待ち構えるアストラル界へ乗り込むおちかに数々の助力が・・・というオールスターキャスト話。
読んでて盛り上がりはするのですが同時にこの話に一人欠けてることに気付きます。実際ラストでもおちかは屋敷の妄念から「許婚のことをスルーしたな?」と言われてます。
そうそう、良助さんのことどうするつもりなんだろ?
六話以降で良助さんが救われる話は出てくるのだろうか?

早く続き読みたい!!

借りてる本を読み終えましたので、引き続きクリスティーさんのシリーズに戻りたいと思います。

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2010年3月23日 (火)

誰が何を模倣したか?

模倣犯上・下巻あざやかに読み終えました。
以下、主観論者が青くなって逃げ出すような主観に満ちた文章ですし、まちがいなくネタバレしますので、そういうのダメナノという方は読まないでください。
ココログの「続きを読む」機構は、記事選択で読んでしまうと隠す事無く堂々と全文表示してしまいますので、そういう経路で来た方で、やはりネタバレ・ダメ・ゼッタイという人はここで読むのをやめてください。

一応、言い訳を置いておきます。物語は「えー?実は犯人はこの人だったの?」というような物語ではなく、主犯や真犯人はわりと早い段階で判明してますし、あの○○ップのナカイさんの映画も有名ですので、犯人が誰か?というネタバレインパクトは薄いと思います。
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それよりなにより、一番のネタバレインパクトは「なぜ模倣犯というタイトルなのか?」というところだと思います。
これは全1400ページ強の残り50ページくらいにならないと判明しません。
あれは夜中に唸った!

続きを読む以降はホントにネタバレオンパレード。閲覧ご注意ください。

 

 

続きを読む "誰が何を模倣したか?"

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2010年3月 9日 (火)

バックショットの達人

↑大丈夫か?今日のタイトル!
 
夜な夜な模倣犯読んでいるんですが、上巻の263ページあたりで涙が出て出てどうしようもないので、とりあえずちょっと休んでクリスティーさんの長編1本読んでみました。
模倣犯、子持ちにはツライっす。面白いのは間違いないので、ちゃんと最後まで読みますが。

そんなわけでクリスティーさんの「ゼロ時間へ」を読みました。
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いままでポアロシリーズでずっとシブイ脇役を務めてきたバトル警視がついにスピンオフで主役となって登場。

あらすじ【ゼロ時間へ】
ミステリー小説は通常殺人事件が起き、解決へ向けて物語が進んでいくが、殺人事件は結果である。本当はあらゆる事象、人物がその殺人事件が起きる時間「ゼロ時間」へ向けて進んでいくものなのだ。
日ごろからそう公言していた老弁護士が死んだ。死因に他殺の可能性がある。そして海辺の古い屋敷で老嬢が撲殺される。
しかし、犯人の目的はそのふたりでは無い。ふたりの殺害は本当に抹殺したい人間を破滅へ追い込むための準備でしか無いのだった。物語は静にゼロ時間へと向かっていく。

面白い試みの物語ですね。
あらすじのごとく、犯人が本当に殺したい人間を破滅させるのは、本当に最後の最後のところです。
「いきあたりばったりじゃなく、かなり前の段階から綿密に計画を練っている犯人」というのは私的には大好物です。

表面は明朗快活な人が実はドス黒い心の中というのもグゥ。

こういう犯人もっと来て欲しい。

さて、引き続き模倣犯読みます。

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2010年2月 3日 (水)

成功してしまった犯人

シリコンがほんとに中まで固まったかどうか半信半疑なんで、造形はしばし放置で本ばっかり読んでます。
とりあえず宮部みゆきさんの「平成お徒歩日記」と、アガサクリスティーさんの戯曲「招かれざる客」を読みました。
マズイ!本のストックが切れた。

平成お徒歩日記はあらすじを書くほどでもないですね。
「時代劇の印象的なシーンで出てくる道のりを実際歩いてみよう」というふわ~んとした企画を宮部みゆきさんが体を張ってやろうというものです。

徐々にグダグダになっていく様が笑えます。とてもあの「模倣犯」「火車」「孤宿の人」を書いた人とは思えないダメっぷり(すみません)。

続いてクリスティーさん。
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あらすじ【招かれざる客】
霧の深い夜、運転していた車が立ち往生し、近くの家に助けを求めに来たマイクルはそこで「銃を持って立ち尽くす女ローラ」と「車椅子に座ったまま射殺されているその夫リチャード」を発見する。はっきりとした証言をしないローラに強く引かれたマイクルは、外から来た者の犯行に見えるよう偽装するが、そうこうするうち家人や使用人が現れ、誰もが動機らしきものを持っていた。

これはスゴイ。本当にスゴイ。
カンのいい人なら犯人の見当はつくんですが、それでもやっぱり意外な犯人です。
普通に考えてこの犯人にはたどり着かない。
(たいした数を読んだわけではないですが)私が今まで読んできた中でも出色の犯人です。

真犯人の最後の独白は興奮したーーー!

おもわず「ウワ!スゲェ!」て声が出た!

戯曲集やめられんです。

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