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2012年9月 3日 (月)

砂は音に弱い

↑もしかしたらネタバレ

Zm120903
松本清張さんの、「砂の器」を読みました。
面白かったですねえ。ハラハラしっぱなしでした。ページをめくる手ももどかしく、一気に読んでしまいました。
砂の器っていうと、「加藤剛さんの映画」という子供の頃の記憶と、「わりと最近中居さんがやったかな?」という記憶(どちらも未見)しかないのですが、あらためて原作を読んでみると、主人公は「天才音楽家・和賀英良」ではなく、今西刑事の方ですね。

あらすじ【砂の器】
蒲田の操車場で、年配の男が無残な撲殺体で発見された。男は死の直前、安酒場の片隅で、労務者風の若い男と話しこんでいる姿を目撃されている。目撃者は皆、若い男の方の記憶が薄い。また、ふたりが東北弁のようなイントネーションで話していたこと、「カメダのほうはあれからどうですか」などと話していたことしか情報が得られない。事件に当たる今西刑事は若い吉村刑事と秋田県の羽後亀田に向うが、そこでロケット研究所を見学に来たという、若い芸術家集団を見かける。彼らは音楽界、演劇界、文壇のそれぞれ寵児ともてはやされていた。

実はですね。

「砂の器」というタイトルの意味がよくわからないんですよ。前回の「ゼロの焦点」のときも少し悩んだんですが、あれは、

「犯人の原点がはじまる位置」

と、読後に解釈しました。私の勝手な解釈は外れているかもしれませんが、まー納得はできてます。
しかし、砂の器はよくわからない。読後に至ってもよくわからない。

あれですか、大事に育ててきた大器が、砂のように崩れ去っていくという意味ですか?

それもなんか、違う気がして。
劇中出てくる若い芸術家集団ヌーヴォーグループも、なんだかんだ言って、虚勢張りの砂でできたようなまやかしじゃないかという作者の皮肉ですか?

わからないんですよねえ。

古典なんで、今更ネタバレもなにもないもんですが、一応オブラートに包んで以後書きます。それでも絶対ネタバレダメという人は、以降、見ないようにしてください。



物語の中に、天才的な犯罪者がいるわけです。最初の殺人は衝動的だったかもしれない。そこから、今の自分の地位を守るために、事件発覚の可能性を持つ人物を、次々殺害していくわけですが、その犯人の手腕どうこうよりも、あらゆる可能性を、あきらめず一つ一つ検証していく今西刑事を応援せざるを得ません。
秋田に行って、島根に行って、伊勢に行って大阪に行って。
100ある項目の99までを、愚直なまでにひとつづつ潰していき、最後の1個にたどり着く。その姿勢に胸を打たれます。

犯人逮捕のところも、劇的でいいですね。
たしかにあそこは、美しく大きく見えていた器が、サラサラと崩れていくような、寂しさがありました。

少しだけ疑問・・・
☆犯人の天才ぶりは先天的だったのか、後天的だったのか? 両方だったのか?
☆空襲で焼け出された際の、あの人の機転は良すぎないか?

疑問のところは、そうは言っても瑣末なところです。
良い作品でした。

あえて映像作品は見たくない。

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