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2012年2月17日 (金)

全編にわたる緊迫感の無さ

↑が、かえって恐怖を煽るときもあるんですが

三崎亜記さんの「となり町戦争」を読みました。
Zm120217_01

当初、読み始めのとき、星新一さんのショートショートを長編化したような感じかなと思ってたんですが、なんとなくカフカの城のような読後感です。
思い切りガガッと殴り倒されるのではなく、少しずつ少しずつ、じわじわと圧力をかけられて圧死させられるような、そんな破壊力を持った小説でした。

あらすじ【となり町戦争】
ある日、となり町と戦争を行うので、町民の義務として活動に参加するようにと町役場から呼び出された主人公は、諜報活動に従事することになるが、役場の手続きの煩雑さ、役場対応のあまりの杓子定規さ、見えてこない戦争の状況、町内報の徐々に増え続ける戦死者数など、違和感だらけの中で「戦争に参加している」という感覚を麻痺させていく。

内容は重そうなんですけどねえ。ところどころに著者のいたずら心がにじみ出ていて、そこが逆に怖かったりもする、不思議な小説です。

外国で行われている戦争に対する我々日本人の温度差とか、無関心層の恐ろしさとか、そういう暗喩を「となり町と戦争しているはずなのに、なかなか戦況が見えてこない」「なのに、死者だけは増加していく」という焦燥感であらわすのは上手いやり方だと思います。

未見ですが、映画にもなってて、配役が江口さんとブレンディひとすじの原田さんだったのですが、私からすると以外な配役。「ふじわらたつやさん」と「こゆきさん」で脳内再生されてました。
(これは人それぞれですけどね)

こういうのはSFに分類されるんでしょうか。謎です。

和物を立て続けに詰め込んだので、そろそろポアロさんの短編集あたりが恋しいところ。

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