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2011年1月11日 (火)

ホワイダニットを熱望

連休中に貫井さんの「慟哭」を読みました。
某巨大掲示板で、「オチが秀逸なミステリーをあげて行け」的なお題にこの本が上がっておりましたので、手にとって読んでみたわけですが、冷静に考えてみると「オチがスゴイ」と言ってしまうこと自体が若干ネタバレであることに、今更ながら気付きました。

あらすじ「慟哭」
連続幼女誘拐犯を追う警察が組織的にかかえる問題や各刑事の思惑を描くノンフィクション物に近いストーリーと、心に大きな闇をかかえた男が心の安定を求めて、あやしい宗教に傾倒し、やがて破滅していくもうひとつのストーリーが、次第にひとつにより合わさっていく犯罪ミステリー。

普通のノンフィクション(に近い)物として読んでいれば、ラストの衝撃は計り知れないものだったかもしれません。
だがしかし、こちらは「オチが凄いミステリー」として読み始めてますので、正直に言いますが半分くらい読んだ時点で、小説の骨格、トリック、結末がだいたい予想できました。
ていうか、このトリックは割りと古典の部類に入るものだと思います。

でも面白いのは面白かったです。そこは嘘じゃありません。
トリックと真犯人に気付いてからは「どうやって(自分が予想している)オチにつなげていくのか?自分の推理に整合性があるのか?」の確認作業として読んでいくわけで、それはそれなりに面白いです。ポアロさんやマープルさんは作中こういう心境なんだろうなと。

ただ、どうしても主人公に感情移入出来ない。そこはちょっとどうか?と思います。

やはりフーダニット(誰が犯人?)やハウダニット(どうやって成立したか?)よりホワイダニット(なぜ犯罪を犯さなければならなかったか?)を探っていくミステリーが読みたいです。

横溝さんの「本陣殺人事件」などは

エーー!この人が犯人ーー!

エーー!こんな奇想天外な方法でーー!

エーー!まさか、そんな動機でーー!

の三拍子そろった名作だと思います。

「病院坂の首くくりの家」より「悪魔が来りて笛を吹く」「悪魔の手毬唄」の方が読んでいてズシッと来るんですよ。

「アクロイド殺し」「スタイルズ荘の怪事件」より「鏡は横にひび割れて」「五匹の子豚」の方がしっとりとした読後感で心に残るわけですよ。

「うわー意外なトリックだー!わかんなかったー」じゃなくて、「あーこの人、こんなこと考えていたんだー、ここが許せなかったんだー!気付かんかったー!」なミステリーが読みたい。

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