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2010年1月19日 (火)

児玉清さんのあとがきも素晴らしい

孤宿の人・下巻を読み終えました。
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あらすじ書き辛いです。
ネタバレなるべくしないつもりで書きますが・・・

上下巻まとめてあらすじ【孤宿の人】
勘定奉行加賀ノ守は妻と二人の子、家臣を切り捨て流罪の身となった。
鬼、悪魔と恐れられた加賀殿の流罪の地、丸海藩では加賀ノ守幽閉以来、疫病、雷害、人心騒乱が相次ぎ、破滅の道を辿るかに見えたが、悪鬼加賀ノ守は天涯孤独の下女を救い、
そして・・・

ミステリー小説を読む人も読まない人も、ウスウス気付くと思いますが、妻と子、家臣を惨殺した加賀という人物の悪行には、それなりに理由がありますよ。納得できる理由です。
この筋立てに釣られて、「加賀は悪いやつだなあ」なんて思う人も少ないのではないでしょうか。
「なぜ、そういう現場になっていたのか?加賀は誰を・何を守ろうとしているのか?」
が物語の骨の部分になりそうなんですが、宮部さんは出し惜しみしない人なんで、そこの謎の部分は「隠した謎」という風もなくわりとサラッと語られます。

それよりも天涯孤独の「ほう」という名の下女。このアラウンド10歳の女の子の一挙手一投足が物語の骨の部分になってます。モノゴッツイぶっとい骨ですよ。
最初の奉公先を追い出され、次の奉公先の慕っていた娘さんが死に、引き取られた岡っ引き見習いの宇佐とも離れ離れになり、加賀殿の奉公先で何くれとなく面倒を見てくれた石野様(元服したての少年侍)もまた不手際の責任を取らされ・・・
このへんのくだり、読んでいてかなりイヤな気持ちにさせられます。
「ウワ!救いが無いなあ」
という展開のオンパレード。

宮部さんはこういう展開をウェットに書くのがお嫌いなんだと思います。ひたすらドライに登場人物が出入りし、油断している読者を最後の最後「ほう」という名前の漢字のところで一度ひっくり返し、油断したころにもう一回引き倒される。

良い小説でした。こういうのたくさん読みたい。
児玉清さんのあとがきも思いのあふれた分量で、読んでいてジーンと来ます。
実写化されるなら、悪鬼加賀ノ守は児玉さんにやって欲しいです。

さて続いて久しぶりにクリスティーシリーズに帰ってきて戯曲集の1冊「検察側の証人」を読んでおります。
これも面白い。

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コメント

私もこの話好きです。救いの無さはすごいものがあるんですが、それでも名作だと思うんですよ!
宮部さんの本、かなりたまってきましたが、手放したくない本ばかりですよ。

投稿: 夏侯 | 2010年1月20日 (水) 12時23分

夏侯さん、良い本ありがとうございます。
途中、どうやって解決するんだろう?とかなりヤキモキしましたが、終盤ギリギリでスっと解決してしまい、「あざやかだなあ!」と感動しました。
また「宮部+時代モノ」でいいのあったら貸してください!

投稿: 早瀬五郎 | 2010年1月20日 (水) 19時09分

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